トロサーモンの久保田と、スーパーマラドーナの竹智が、審査委員の上沼恵美子(かみぬま・えみこ)の採点をめぐり、何処かで酒盛りをしながらSNSで悪態をついたという話だが、おじさんはお笑いはそこそこ聞く耳は持っているつもりだけど、所詮は素人のお笑い好きというだけで、漫才の出来がどうのこうの言えるレベルではない。

 

 

トロサーモン久保田 出典:しらべぇ

 

 

 だったら黙っとけって話になるけどさ、案外、過去には一番面白かった組が優勝していたんだぜ。しかし、ここ数年はハズレ続きだけどね。(ちょっと頭にビートたけしが過ぎった)

 

 

 おじさんは和牛が笑えたんだが、昨年はトロサーモン、今年は霜降り明星の後塵を拝した。どちらも僅差だったんだけれど、要するに誰がどう入れたかなんて審査員のそれこそ特権であり、余計な要素を排除して選ぶのも自由、様々な事を考慮して選ぶのも自由、昨年と方針が変わるのも自由、漫才ごとに基準が変わったって良い。好き嫌いで入れるもよし、公正に入れるもよし。

 

 

 トロサーモンは昨年、どちらかと言えば東の笑いで優勝したと見ている。博多大吉は同じ九州出身という事で入れたのかも知れない。もちろんそれも自由だ。だから、その後は歴代M1チャンピオンとして振る舞えば良かったのに、言うに事欠いて翌年、出場もしていない大会の、それも審査員の文句を言ったのが、運の尽きだ。

 

 

 上沼恵美子は若くして大坂の人気漫才師になった。また若い内に結婚して、姑と同居していたので、しばらく芸能界を引退していたと思う。

 

 

 子供が成人し完全復帰してからは人気番組のMCを幾つか務め、大坂ローカルでは、女やしきたかじんと言ってもいいほど、絶大な人気を誇り、たかじん亡き後、人気を独り占めにしている感がある。

 

 

 トロサーモンの人気はどうか、悪いけど、おじさんはあまり笑ったことがない。実力者というのは、幾つもレギュラー番組を持ち、謙虚で番組のMCに重宝されているものだ。

 

 

 ただ、銀シャリの橋本などは、〝ダジャレ〟というか喩えの妙、その凄さに、MCの上田晋也などは「上手いこと言えとは言ってません」、「カットします」などと笑いでかわしていたが、ときどき自分を超えるので逆に使わなくなった、とおじさんは見ている。それはMCの権限で悪いこととは思わない。

 

 

 さて、深夜の雨上がり決死隊がMCを務める〝アメトーク〟という番組がある。ある時、4人のベテラン芸人が、架空の自分が進行する番組を想定し、ひな壇に座らせる芸人を次々指名する〝芸人ドラフト会議〟というものを観たことがある。

 

 

 指名方法はプロ野球のドラフト方式と同じで、第1巡目を全員が指名し、競合すればクジを引いて当選した者が獲得できるというものだ。外れた者はハズレ1位を指名し、競合があればクジ、なければ獲得となっている。その巡で全員が一人獲得するまで繰り返す。

 

 

 ここで1位指名や2位指名される芸人は、腕が立つと折り紙をつけられたも同然で、4人のMC予定の芸人から、「この席に置いて、こうして欲しいんだ」といった話を聞くと、プロから見て、よほど重宝されているんだなと、その被指名芸人を見直すことがある。

 

 

 まあ、星の数ほどいる芸人の中で競合するというのも凄いことだが、ブラマヨの小杉、吉田のコンビの両方、フットの後藤、近頃ザキヤマとして定着している山崎弘也、麒麟の川島などは、いつも上位で競合する芸人である。

 

 

 また、単独というわけではないが、カンニングの竹山はザキヤマや有吉というイジリ芸人?と一緒に出演させれば、笑いのトルネードが起きる可能性がある。もっとも有吉は今やMCの代表格であり、おじさんが観た回では、選ぶ方は卒業し、ゲストとしてチクチクとイジっていた。

 

 

 話が長くなったが、結局、トロサーモンの久保田というのは、こういう番組で名前が挙がることはない。つまり扱いが難しく、返しも予想したようにはなりにくい。さらに難しい割に笑いが取れない、つまり使えない芸人の典型なのである。中堅からベテランの域へさしかかるあのクラスの面白い芸人は相当数いて、千鳥のノブ・大悟や、銀シャリの橋本も3~4位辺りで指名される。バイキングの小峠、ハライチの澤部も安定感から芸人仲間から人気だ。

 

 

 まあ、どういう立ち位置で誰に物を言ってるんだというわけである。上沼は〝興味がない〟という言い方で久保田を責めないと言っているが、少なくとも関西で上沼の番組での出演はないと考えるのが普通であろう。

 

 

 審査員は現役で漫才をしていない、という意見があるが、馬鹿げた意見と言うしかない。確かに、かつて柔道で審判の大誤審があった。篠原が戦ったオリンピックである。現役時代、それを見極められる程度のレベルに達した者でなければならないのは、言うまでもない。

 

 

 近年、上沼はもちろん現役で漫才はしていない。しかし見る目は持っている。だから長寿番組でのMCを務められるのである。よって、大誤審の柔道の審判のように、そのレベルに達していないということはない。もし久保田にそういう考えがあったとしたなら、お笑いも人生も何も分かっていない愚か者である。

 

 

 おじさんは久保田が謹慎しようが、休業しようが、廃業しようが興味はない。ただ、お笑いファンの代表として指原莉乃を一人加えるという手もある。この審判は漫才もやっておらず、お笑いにも携わっていないけれども、自分が面白いと思っただけ点数を入れるというのが使命だ。馬鹿な意見を封じるためには有効かなと思う。

 

 

 もちろん、それは運営する者達が考えればいいことである。お笑いに「ビデオ・アシスタント・レフェリー(VAR)」制度はない。お笑いは一過性、刹那的、瞬間的でよいと考えている。

 

 

 

by 考葦(-.-)y-~~~