一昔前はイギリスがスピリチュアル、あるいはスピリチュアリズムを学問的に研究する聖地であった。研究の一環として交霊会というものがしきりに催されていたようである。

 

 

 その様子は霊媒が霊を降ろし、参加者が降りた霊(霊媒)に質問をする形式で運営されていた模様で、ある時、降りた霊に古代のインディアンと名乗る者が現れた。何時ものように、参加者が質問をすると、即座に明快な答えを返し、その内容が深く示唆に富んでいて、これはただ者ではないと主催者は判断した。それ以後、その人が催す交霊会では、対象はその古代霊一本になったようである。

 

 

 その古代霊の名前はシルバー・バーチと言い。残された言葉は霊訓として数多くの書籍が出版されている。日本でも『スピリチュアリズムとシルバーバーチの霊訓の総合サイト』というサイトが開設されている。おじさんの手許に『シルバーバーチは語る』という邦訳の本があるが、それを読むと、この世とあの世には幾つかの法則があり、それを大霊の法則と言うらしい。大霊とは一般にいう神のことであり、厳しい法則ではないが幾つかそれが存在し、自分が生まれる前に決めた事柄は変えることは出来ない、というのもその一つである。

 

 

 それは運命は変えられないという意味ではなく、生まれる前に計画していた親子関係やその周囲の人々との関係のことである。どうやら生前に先に生まれた人たちの魂の合意と協力を取り付けて生まれるようである。

 

 

 

 

 

 自分が生まれる前に決めた事柄!? どういうこと? 慣れていない方には意味不明であろう。

 

 

 少し解説を加える。スピリチュアリズム(spiritualism)というのは、死後の存在を研究する学問で、心霊学と訳されることもある。それは即ち霊魂の存在を肯定するものだが、かつて自分がそうであったように、これを否定する材料なら幾らでもあり、そこがこの研究の特殊な点、困難な点と言えるかも知れない。

 

 

 人の誕生も大霊の許しが必要であり、この世に生を受けたと言うことは神の許可があったと考えてもよく、その際、個々の魂は、次の生で何をテーマにするかを決定してそれが実現しやすいような親を選ぶようである。

 

 

 シルバーバーチはおじさんの読んだ範囲では、あまり自分の事を語っていない。彼(?)がかなりの高級霊界に属し、そのままでは現世の人間にメッセージを伝えることができないため、中継としてインディアンを使っているのではないかと『~語る』の著者であり交霊会の主催者であるハンネン・スワッハーは推測している。シルバーバーチは多くの交霊会で夥しい言葉を残したが、決して生前の自分の名前を語らなかったという。

 

 

 少し話を戻すと、実はおじさんもその前提となる魂の存在が信じられず、シルバーバーチという〝存在〟は知っていたが、交霊会に登場して印象的な事を言ったという事くらいしか知識がなく、完全にスルー状態であった。

 

 

 その代り、E・キューブラー・ロスや眠れる巨人エドガー・ケイシー、自由に霊界と現界を行き来できたというスエーデンボルグの体験記などを読み漁り、飯田史彦の『生きがいの創造』あたりで安堵感が芽生えた事を記憶している。ガチガチの唯物論者で思考を突き詰めた末に虚無に陥っていたおじさんが久しぶりに感じた安堵感であった。

 

 

 その後、立花 隆の『脳死』から『臨死体験』を読み進める内に、少し考えに変化が現れた。そして、ニール・ドナルド ウォルシュの『神との対話』シリーズを読み、2回目を読んだ時、はっきりと神の存在を感じたのである。それは即ち、霊魂の存在を肯定した瞬間であった。

 

 

 すると、視界が一気に開け、疑問に思っていたことが次々と氷解し、新たな疑問に立ち向かう、しばらく忘れていた感覚が蘇ってきた。そこから知らずに通り過ぎた書物が一杯ある事に気付く。さらに近年、続々とスピリチュアル系に分類される書籍が発行され、とても読むのが追いつかない状態が続いている。

 

 

 知らずに通り過ぎたシルバーバーチの本との出会いは5~6年前のあるとき、氣のヒーラーであった(今は高齢で引退し、娘さんが後を継いでいる)知人と研修を受けに行く機会あり、会場に向かう車中で、シルバーバーチという人を知っているかと聞かれ、名前とどういう人かは知っていると答えると、おそらくその人の人生でシルバーバーチを知っている人がなかったのか、とたんに饒舌になり、自分は人生というものを追い求めており、シルバーバーチの言葉に触れ、これだと思い本を取り寄せ、すり減るほど何度も読み返したものだ、と言った。書かれている知識は広大で恐ろしく深遠だというような事も熱弁された。

 

 

 おじさんはシルバーバーチという名前を初めて目にした雑誌が、あるかないかという視点で編纂されたものだったのか、こういう霊が出現したという紹介の仕方だったので、発した内容の事には触れておらず、そのため、こちらもそのように受け止めた。それほど深遠な言葉が語られているとは思いもよらなかったので、早速、Amazonで検索したが、これという書籍が発見できなかったので、その知人に書籍の取り寄せをお願いした記憶がある。

 

続く

 

 

by 考葦(-.-)y-~~~