昔アグネスチャンが子連れでレストランに入ろうとしたところ、やんわりと入店を拒否され、週刊誌で怒りをぶちまけた。当時、おなじみのキャスターや評論家諸氏はアグネスチャンに同情的でレストラン側を批判した。そんな風潮の中、曽野綾子が一人それに反論して『諸君!』か何かで書いていたものを読んだ記憶がある。例によってうろ覚えで詳しくは記憶していないけれども、人にはそれぞれ見えてしまうものがあり、どちらが正しいというものではない、という趣旨だったと思う。

 

 

 

 アグネスさんは物事の表の明るい面がよく見え、ユニセフの大使として立派な活動をなさっているが、自分はむしろ物事の暗い面、裏の面が見えてしまう質だから、そのレストランの方針がよく分かる。たまたまその店は子連れの有名なアグネスさんより、無名の一般人の静かな食事環境を優先する店だったに過ぎない。アグネスさんの子供がよく泣くとか泣かないとかの問題ではないのだと。だから子供連れでも入店可能なレストランを選べばいいだけのことだと書かれており、膝を打った覚えがある。

 

 

 

出典:「介護110番」総合案内

 

 

 曽野綾子は作家であるから作品をよく読んだと言いたいところだが、実は曽野綾子に関してはエッセイや評論や論文ばかりを読んでいた。ずばっと物を言うので、数え切れない誹謗中傷・批判にさらされていた。そして一纏まりの文章の中には、必ずハッとするような意見や発想が見い出せた。

 

 

 クリスチャンで保守とか右翼とかとには分類できないけれど、リベラルや左翼から猛攻撃を受ける様は、今の百田尚樹と同じである、と言えば解りやすいだろうか。

 

 

 愛国者であることは疑いようがない。今は笹川良一が設立した『日本財団』の会長として活動されているようだ。30年以上前、容姿も実はおじさんの大好きなタイプで、一時、夫の三浦朱門に嫉妬していた時もあった。

 

 

 上にも書いたけれども、一生の内に誰かハッと目を見開かされる作家なり、評論家なりに出会うとその人は幸せである。そうは言うものの、おじさんの場合、作品は片手で数えられるほどしか読んだ事が無いので、曽野綾子に出会えて幸せだったと言えば却って迷惑かも知れない。しかし、今もハッとする頻度は下がっているものの、貴重な示唆を得ることに変わりはない。

 

 

 皆さんもそういう人が見つかるといいね。

 

 

by 考葦(-.-)y-~~~