前回、シンシアリー氏のブログから韓国に於ける①文盲を取り上げた。はなから文字が読めない人だけでなく、小6が答えられる程度の問題を出し、それに一定以下しか答えられなかった人も氏が〝②実質的文盲〟と解釈して驚いていたところ、ある学者がもう一つの文盲があるとして提出されたのが〝③機能的文盲〟というものであった、というところまでお話しした。

 

 

 さて、③の機能的文盲とは何かを説明する前に、少し時間をいただきたい。

 

 まず、多くの人が話の美しさに感動した韓国で有名な物語がある。不得手だが要約してお伝えする。

 

 主人公がある店のキャンディーが大好きで、母と外に行くと必ずその店でキャンディーを買って貰っていた。あるとき、母が銀色の小さな光る物を引換えに渡していたのを思い出し、一人でキャンディー店へ行き、キャンディーを買い、サクランボの種を綺麗に銀箔で巻いたものを店主に出したところ、店主はしばらく考え、〝少し余る〟と言ってキャンディーとお釣り2セントを返してくれた。

 

 やがて主人公は引っ越し、成人し、観賞魚の店を営むことになった。そこへ無邪気で純粋な小さな兄妹がやってきて、1匹5ドルはする魚を5~6匹選んで、15セントを差し出してきた。その無邪気な顔を見ていると、子供のその無邪気さを守ることも壊すことも出来る難しい立場であることを知った。

 

 と同時に、かつて自分がキャンディー店の主人を難しい立場に追い込んだにも拘わらず、主人は最高の応対をしてくれた事を思い出し、その時の彼の大きな深い愛と善意に感謝して涙が出そうになった。目の前には心配顔の兄妹がいる。そして主人公もまた同じように深い愛と善意で応対したという感動のストーリーである。

 

 韓国では教科書にも出てくるほど有名らしいこの物語を読んで、「なぜウィグドン氏(キャンディー店の主人)が2セントを返したのか」という先生の質問を受け、Cという生徒は次のように答えた。哀れだから。

 

 どこか読み間違えていると思った先生は、もう一度Cに読ませ同じ質問をした。この本を書いた著者、すなわち③の文盲を〝発見〟した人は、教師生活3年目ではじめて、読めて理解しているが実は理解が誤っている生徒がいることを知り、そんな生徒が結構存在すると書かれているようである。

 

 

 それで、著者はこれらの人間を機能的文盲と命名されたようである。

 

 

 

 

 

 すこし違うけれども、読者は〝サイコパス〟という言葉をご存じだろうか。アメリカの人気テレビドラマでよく耳にされるだろう。では、シリアルキラーという言葉と何がどう違うのか。おじさん的解釈を披露すると、サイコパスは必ずしもシリアルキラーになるとは限らないが、シリアルキラーは必ずサイコパスである。

 

 

 サイコパスとは良心と善意がない人と説明できる。サイコパス診断というものがあり、興味のある方はやってみたらどうか。

 

続く

 

by 考葦(-.-)y-~~~