出典:BBC NEWS Japan
国際パラリンピック委員会(IPC)は7日、リオデジャネイロ・パラリンピックからロシア選手団を除外することを決めた。ロシアが国家主導のドーピングを行っていたとする報告書が先月提出されたことを受けた。(BBC NEWS Japan)
http://www.bbc.com/japanese/37007054
面白い事にIOC(国際オリンピック委員会)と見解が分かれたようだ。もちろん、IOCと横並びにする必要はないのだが、何かと軋轢を生む道を選んだ事に敬意を表する。現に同じニュースで「 ロシア・パラリンピック委員会はスポーツ仲裁裁判所に提訴するとしている 」と報じており、やがて下される裁定に対して、様々に対応する必要が出てくるからである。
尿の検体を保管場所から盗ませるなど、とうてい個人でやれることではなく、国家ぐるみで行ったと断定された。そんな国の選手を出場させてもいいのかどうかは、第一感は〝NO〟、しばらくして〝??〟となり、さらに〝??????〟とクエスチョンマークが増えるだけで、幾ら考えても正解が出ない。この問題はそういった類の命題である。
俗に言うイタチごっこというやつで、ドーピングと薬物を検出する検査は、次々新手で盗みを働く泥棒と、新手に対応して捕獲方法を工夫する岡っ引きの関係に似て、検査する側は後手後手に回らざるを得ない。新薬はいくらでも作れるのだろう、やっと検査方法を開発して発見できるようになっても、もうその頃には、新しい薬が出ているという有様で、終わる事がない。
陸上競技女子100m、200mの世界記録をもっているフローレンス・ジョイナーは、間違いなくやっていたと、おじさんは断言する。だが、検査に引っ掛からず、今世紀中でも塗り替えはどうかというぐらいの記録が残されてしまった。その代償は命で償ったようだが、この残された記録は、科学の敗北の記念碑として語り継がれるだろう。
出典:あの頃ナウ
命を危うくしてまで、オリンピックの金メダルが大事なのか。おじさんもスポーツマンの心は多少分かるつもりだが、この点は理解不能だ。しかし、フローレンスはスラム街の出身で、アメリカンドリームを達成する必要があった。
もともと足が速かった彼女は、より確実にドリームを引き寄せるために、筋肉増強剤の誘惑に勝てなかった。すぐに引退し、薬は断ったけれども、40歳を迎えることなく帰らぬ人となった。彼女の死が増強剤と因果関係があるのかどうかはわからない。
まあ、おじさんが考える知る方法はある。それは火葬にされていないだろうから、遺体を掘り起こし、組織を少し頂き、再検査するというものだ。だが、摂取を止めて10年も経てば無理かも知れない。
フローレンスの場合だけでなく、スポーツに秀でた極貧出身の選手が、オリンピックで金メダルを穫ったら、家1軒と生涯食うに困らない年金を、と言われたら、飲む決意をするなと言う方が非現実的である。
嗚呼、これからもイタチごっこは続く。
おっと、それから、前の1964年の東京オリンピックの際、パラリンピック東京大会が開催されたのをご存じだろうか。下掲したものが、その折りのポスターである。
出典:DINF
by 考葦(-.-)y-~~~