- 韓国人は何処から来たか/長浜 浩明
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近頃、読んだ本の中で最高に気持のいい一冊であった。以前にもご紹介したことがあるが、ようやく自分自身の言葉に出来るほど読み込んだので、不完全なレビューの真似事をしてみようと試みるものである。
内容を一言で言うと、これまでの〝定説〟であった、中国を中心として、文物は大陸から移動してきたという説を、DNA(分子生物学)、形態人類学、考古学、歴史書、比較言語学等の研究成果を総合的に検証した結果、証拠は全く逆の事実に溢れていることが明らかになり、これまでの〝学説〟を全否定していることである。
著者は所謂学者ではない。だが、結論を導き出した基本データは、学者の研究である。これまで、個々の学者が自分の研究分野で、首を傾げたような事実を、著者は論理的に判断し、研究者が言い淀んでいる事をズバリ口にするのである。理工系の人らしい〝真〟or〝偽〟で論理を推し進める手法は、小気味いい。
その舌鋒は斯界の大御所に対しても怯むことがない。歯に衣着せぬ批判を遠慮会釈なく浴びせている。おじさんの敬愛する渡部昇一氏も、ほぼこてんぱんに批判されているが、もともと専門家として主張したものではないし、長浜氏の出した論理的帰結に渡部氏も異論はないであろうから、本人も反論はなさらないだろうと思う。いや、渡部氏なら自説を訂正し、むしろ〝長浜説〟を「よくぞやってくれた」と擁護し、推進されるものと信じる。
反論と言えば、長浜氏は既に5、6冊著書を出しておられる。にも拘わらず、批判に対する反論は一切ないと上記著書の「まえがき」と「あとがき」に書いておられる。長浜氏を素人と侮っているのかも知れないが、おじさんはこれだけ多方向から論証された、論理的で明快な論文を見たことがない。
専門家の面子も大事だろうが、後になるほど、訂正し辛くなるので、潔く早めに訂正なさった方が宜しいと、批判を受けた方々に申し上げておく。長浜氏の説を取り入れ、自己の研究成果の精度をさらに上げられる方が、学術的にもご自身にとっても有益だと考えるからである。
さて、論証の一つの鍵となっているDNAであるが、男性のY染色体というものはご存じだろうか。これは男が男であることを決定づけ、男から男へ継承される、配列の変わらない遺伝子である。
一方、ミトコンドリアDNA(以下「mtDNA」)いうものがある。ミトコンドリアとは細胞内の小器官の一つであり、その中に何故か遺伝子が存在し、これをmtDNAという。こちらは女性の遺伝子しか伝えない。つまり母の遺伝子(mtDNA)のみが、性別に関係なく子に継承されるという、特異な性質をもっている。こちらも変化しない。
しかし、完全に不変の遺伝子なら比較の仕様もないのだが、都合がいいことに、どちらも突然変異をして僅かに変化するのである。ここに父系を遡ることができる遺伝子と、母系を遡ることができる遺伝子の2つの武器が揃い、その武器を駆使して世界中の人々の遺伝子を比較分析すると、人類の移動のルートや、方向・分岐等いろいろな事が明らかになる訳である。
- イヴの七人の娘たち/ソニーマガジンズ
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上記の本は、20年ほど前に出版された本で、mtDNAの発見から、世界中で遺伝子を採集・分析・検証し、結論を出すところまでの様子を描いたノンフィクションである。冒険小説を読むようなエキサイティングな面白さがあった。だから、おじさんはmtDNAから母系の始祖を辿ることが可能なことは知っていた。しかし、男性のY染色体から辿る道があることは知らなかった。mtDNAは、たしか5000年に1ヶ所の頻度で、変異が生じる計算になると書かれていたと記憶している。
ちなみに、mtDNAからは1本の系統しかなく、一人のアフリカの女性に行き着くそうだ。誤解の無いよう念の為に付け加えると、その時点で、人類の女性が彼女一人だったということではなく、現在まで伝えられたmtDNAが、わずか一人の女性の系統に過ぎなかったということであり、他の系統はどこかの時点で滅び、後世に遺伝子を伝えられなかったということになる。
尚、タイトルとなった〝7人の娘〟というのが何に由来しているのか、申し訳ないがほとんど覚えていない。おそらく、ヨーロッパ人は7人の娘によって繋がっているという結論から付けられたものだと思う。娘というのもmtDNAの分岐時の女性を形容して使っているだけだと思う。〝イヴ〟に娘が7人いたということではない……。ほとんどしどろもどろだが、出版年度が古い本だが、文庫化されているようなので、入手できたらお読みになるといい。
もしDNA鑑定の技術がこれほど進歩していなければ、甲論乙駁の水掛け論になった可能性もある。とは言っても、いずれ真理は明らかになったであろうが、それまで韓国の戯れ言を聞き続けなければならなかった事を想像すると、心から嬉しく思う。
さて、総てを伝えきれないとしても、今回、その外にも、DNA関連でお伝えしたいのだが、言及すべきかどうか迷っている事がある。しかし、よくよく考えれば、相手(韓国)が正しい〝歴史認識〟をもてと言っていらっしゃるのだから、それを述べることにする。
それはDNAが朝鮮社会に於ける凄絶と言える近親婚と近親相姦の多さを物語っていることである。著者が引用するドイツで人間のゲノム解析が専門の大学教授の言を再引用すると、
『朝鮮民族は近親相姦のものと思われるゲノム上の痕跡(修正不能)が多すぎて、他の民族では考えられない異常な近親相姦を、民族として繰り返していたと思われる。あまりにショッキングで常軌を逸した内容なので、そのゲノムの発表は出来ない。
また朝鮮人男性の四〇%に発症すると言われる統合失調症(精神分裂病 引用者注)もそれが原因である可能性が大きい。異常な民族と言わざるを得ない』
※ここでの引用者とは長浜氏を指す
ということになる。
どうだろう、これが朴槿恵大統領が二言目には口になさる歴史認識である。しかも紙や記憶に刻まれたものではなく、躰に刻み込まれた真実である。
慰めになるかどうか分からないが、父君の朴正煕元大統領が、どれほど韓国を愛していたかが分かる一文を、『韓国人は何処から来たか』に引用されている文章の中から再引用して贈ろう。父君の著作『国史大観』よりの再引用である。
『わが愛する祖国と国民は、日本人や同胞にスポイルされていることを自覚し、小児病的歴史観から決別しなくてはならない。そして退嬰と粗雑と沈滞の五千年の歴史を燃やし尽くし、病根たる歴史の真相を直視し、自制して生きていかねばならない』
この著作が書かれた時代、朴正煕元大統領はDNA解析結果がこれほど酷いものになることは当然、ご存じなかったであろう。しかし、長浜氏が他にも引用されている朴正煕氏の文章を読めば、まるで現在を見越したような文章が散見される。 朴槿恵大統領は、お父上の著作に目を通されたことがないのだろうか。
今後、隣国である〝小児病的〟な韓国といかに付き合うかを考えなければならないが、ゲノムの話で少し疲れている。少し暖めているものはあるにはあるが、当面は『助けない、教えない、関わらない』の某国のイージスさんが提唱する非韓三原則を、守り抜くしかないのではないかと考えている。
以前、著者の肉声がはいった動画を紹介しているので、ご覧下さい。
終わり