細川護煕元首相が東京都知事選に出馬なさるそうだ。
首相時代、ポンと政権を投げ出し、リベラル衰退の一因になった御仁である。鳩山由起夫元首相にも相通ずるところはあるが、何と言っても、こちらは元大名の末裔である。家格が違う。
さて、立派な家柄、立派な経歴をお持ちの細川公、何度でも言うけれど、かつて、まるで「飽きたからや~めた」と、言わんばかりの体で、ぽいっと首相の座を棄ててしまわれときは、さすがのおじさんも開いた口がふさがらなかった。
もちろん殿は庶民の気持など斟酌しておられないので、理由は専らご自分のこと、つまり、うるさい金銭問題の追及回避だと推測されるが、この様に無責任極まりない御仁である。ただ、猪瀬前知事に比べ一種の潔さがあったことは認めても良い。
それから月日は流れ、時折、週刊誌等で趣味の人として登場なさっていたのはチラリと見たことがある。
それが此度、もう一人の老害、小泉元首相の説得?で、何と都には1基もない原発ゼロを争点に、都知事選挙に打って出られるようだ。
「控えおろう!」 その発案者、小泉純一郎大先生は首相時代、歴代の何本指かに入る長期政権を築いた御仁で、郵政民営化の是非だけを争点に衆議院選挙を戦い、圧勝された実績をお持ちなのだ。
郵政民営化など誰も望んでいなかった。当時、確かに旧国鉄と同様、赤字体質でその改善のメリットはあったものの、それに負けず劣らぬデメリットもあった。だが、きめ細やかな議論を為す暇もないまま、どっちなんだ? といきなり解散総選挙に突入してしまった。
公が経営するか、あるいは経営に公が混じると、ものの見事に赤字になる。郵便事業などは、国家として、たとえ赤字になっても僻地・離島に各一料金で届けるというのが理念の筈だが、そんな土地の郵便局の一つ二つ消えても、他の大義の為なら致し方ないというのが保守層の大半の意見で、当時、大方のマスコミは反対に回っていた様に思う。
結果は自民の大勝で、目出度く郵政民営化法案は可決された。その時の勝利の感触が忘れられないのか、また地方自治体の長を決める選挙で、AかBかの選択を迫るワン・イシュー選挙の手法を試みようとしている。
おじさんに言わせれば、郵政民営化は100点満点で70点の出来である。安倍首相と比べるまでもなく、在任の長さから言っても、もっと何か出来そうなものだが、実態は、ただただアメリカべったりの国益に資する事は何もやっていないに等しい首相であったと断言する。
一言で言てしまえば、小泉・細川コンビは、先の山本太郎と大した違いはない。
思考課程も 原発 → 危険 → 全廃止 という単純思考なのだ。
原発を全廃して、今の料金かそれ以下で電気がまかなえるなら、迷わず廃止だろうが、輸出産業の国際的競争力、家計の圧迫、環境への影響等々考慮すべきことは山のようにある。
過去にパフォーマンスをしないというパフォーマンスの青島という知事がいたが、何をしたかというと、博覧会を中止しただけである。彼を高く評価する向きもあるけれど、買い被りすぎである。歳を取るに従い、この手の人々の欺瞞性が理解できるようになる。
都民に警告する。細川は青島に似た空気をもっている。3.11大震災の瓦礫を青島ならどうしたかと考えると、まず保留して熟慮を装いつつ、横目でマスコミや世論の動向を窺い、結局、屁理屈をつけて断っていただろう。五輪までの大事な時期に都政を預けるに足る人物ではない。
都民の有権者の皆様、どうか正しい選択を!!