2012年10月15日 11時00分


 ノーベル賞に決まった山中伸弥京都大教授(50)が開発したiPS細胞が奇妙なところで話題になっている。“腐女子”と呼ばれる、ボーイズラブに異常にコーフンする超マニアックな女子たちが「我々の未来を変える技術になる」と目をランランと輝かせているというのだ。

 難病を抱えた患者に、新薬や拒絶反応のない新しい臓器を提供することも可能になる――。世界中から期待される奇跡の技術だが、一歩間違えると倫理問題に発展することも。


 東スポWeb より抜粋 続きは>>こちら ← 新ウインドウ or タブで開くよ。

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 考葦おじさんが密かに怖れていた事実に、どうやら、“腐女子”たちが気付いたらしい。 (▼▼メ)



 iPS細胞というのは、どんな臓器にもなれる。ただどういう操作をしたら例えば脳細胞になるのかは、世界中で研究中だ。おそらく脳に注射をしただけでは駄目だと思う。



 倫理を無視して、もっと手っ取り早く成果を確実にするには、自分のクローンを作るという手が一番だ。



 自分の皮膚から作ったiPS細胞を胚細胞にすると、自分がもう一人できる。そのクローン人間を臨時臓器保管体として生かしておけば、本体の臓器が壊れたときに移植することができる。いや、世界の我が身可愛い大金持ちなら、金に物を言わせてもう既に着手しているかもね。



 腐女子とは男性の同性愛に異常に興奮する女性の事だよね。彼女達自身がノーマルなのかどうかは知らないが、子孫を遺すという方向に目を向けたということは、単なるマニアックなお馬鹿じゃないね。



 同性同士の結婚は、日本では性転換した男が女に戸籍を変えたケースが法的に認められているらしいが、法律的に夫婦かどうかというよりも、事実上の夫婦というのも当然あり得るし、そうしたカップルの方が断然多いだろう。



 いずれのケースも、これまで、自分達の遺伝子を伝えることは諦めていたであろう。しかし、中山教授iすなわちiPS細胞は、彼等あるいは彼女たち(そして腐女子?)に、一筋の光明を与えた。



 一方の細胞をiSP細胞にして卵細胞を作る。そしてもう一方の細胞から精子を作って受精させれば、二人の遺伝子を受け継ぐ胚ができる。



 ただ女性の細胞から、精子ができるのか、男性の細胞から卵子ができるのかは、不勉強で解らない。



 ただ、男性同士、女性同士で自力で精子あるいは卵子ができるなら、先の例の片方は省略できる訳だ。



 iPS細胞は、オールマイティーのような気がするから、あとは技術的な問題だけだと思うね。



 しかし、仮に技術的な問題が解消されたとしても、クリアしなければならない問題は倫理的、法的問題等々幾つも山積している。



 今のおじさんの現時点での見解は、それらを何でもかんでも許容する社会ではなく、男女は生まれ持った性に基づくという大原則を崩さない、ということだ。



 おじさんのこの意見に対する反論はたやすい。タイだったかフィリピンだったかで、両性具有の人が妊娠したという話を読んだことがあるからだ。



 その人の生まれながらの性はどっちなんだ、という事になろう。



 しかし、どのような形にしろ、人として生まれたからには、一人の確固たる人権を認め、国籍を与えるべきだと思う。法的な整合性は専門家にお考えいただこう。



 かつての高田延彦夫妻のような気の毒な問題は起こさないように法整備を急ぎたい。



 高田夫妻の場合は一例に過ぎないが、今後のすべてに関わってくる重要事案なので、少しだけ詳しく経緯を見てみよう。



 高田夫妻は奥さんの向井亜紀さんが自分で妊娠して出産できない事が判明し、代理出産制度があるアメリカで、自分達の精子と卵子を体外受精させ、代理母への植え付けに成功した。



 代理母はめでたく月が満ち、子供を出産し務めを果たした。


 
 そこから高田夫婦と日本の法律がぶつかり、法廷闘争へと発展した。



 民法では、母とは子を出産した女性の事を言い、これは一般人の感覚でも昔から疑う余地のない事であった。時に例外的に胎児の母ということが問題になるケースがあるが、ほとんど庶民感覚と法律に乖離(かいり)はなかった。



 ところが体外受精の技術が確立し、父が無精子の場合は、母が精子バンクのようなところから精子を購入し、自分が妊娠して生むので出生児と母との関係は日本の法律でも問題はなかった。



 ただ、高田家のようなケースや、妻が出産できない場合にかなりトラブルが起きる。



 可能性があるのは、高田が浮気をして余所で子供を生ませた場合と同様の扱いをして、父が高田、母が代理母として戸籍を作成することだが、父高田、母向井としては日本の法律では不可能だと思う。



 結局、最終的に高田は最高裁で敗訴した形になったと記憶している。



 これは裁判官が実情を知らないとか、頭でっかちという事ではなく、法律を適用すれば認められないと言うことに過ぎない。



 だから、裁判官は馬鹿だとか世間知らずだという意見は、冷静に考えれば当たっていない。



 次に国民が為すべきは民法とそれに関連する戸籍法や国籍法など影響が及ぶ法律を改正し、高田夫妻のようなケース及び同様に生じるであろう幾つかのケースを想定して法律を変えるしかない。



 おじさんは不勉強にして、夫妻の子がどうなったか、そういう運動が広がり、改正の機運がどれだけ盛り上がったかを知らない。



 この様に、今後、iSPの研究が進むにつれ、難しい倫理問題や法律問題が待ちかまえているだろうが、最初の受精卵を壊さずにすむという技術は、何度考えても素晴らしい選択であったと思う。



 山中教授の高い倫理意識と難病を救うという目的意識が大発見を生んだ。改めて世紀の発見に拍手を贈りたい。それと同時に、腐女子諸君の意外(失礼!)と鋭い先見性にも、若干の危惧を覚えつつも賞賛を贈る。