大それたタイトルで始めた記事が、おじさんの予想を超えて終わらなくなっている。
もっと簡単に、多くてもせいぜい2記事くらいの分量で終わるはずが、神の後押しなのか、変な半生記風になってきているのが恐ろしい。
さて、ツキと運の話に戻すと、おじさんは小さな運に恵まれているようだ。
具体的には、ビンゴで大した商品ではない物が当たるとか、年賀状で切手シートが確率よりも多く当たっているといった具合である。
そのきっかけになったのは、二十歳の頃の麻雀での出来事である。
その頃、かなりの打ちで手と自負していたおじさんは、いつしか無謀にも雀荘で知らない人と打ったりしていた。
大きく勝ちもしないし、負けもしない、それにイカサマもするようには見えないし、悪い感じを与えないからか、雀荘に遊びにいっていると、メンツが足りない宅に呼ばれることが多かった。
そんなある日、雀荘とは無関係に、アルバイト先の支店長を含むメンバーと誰かの歓迎麻雀を打つことになった。
初顔合わせだったが、一目見て、申し訳ないが、このメンバーでは負けることはないだろうと、おじさんにしては、強気に打ち回してっていたところ、リーチが掛かり、不要牌をツモ切りをしたところ、一発で振り込んだ。
打ち方と捨て牌から、これはないと瞬時に判断して切った牌が当たったので、ウっと思ったが、シャボテンの片方が空の待ちで、役も何もないニンロクの安い振り込みだった。
その後、他家のリーチ後、ツモる牌がすべて安牌なので、ツモ切りしたら、すべて一発で振り込みになり、3度続くと、おじさんは不運を嘆くより、連続一発振込みの記録を作りたいと思ってしまった。
結局、その晩は二十数回一発で振り込んだ。
何か憑いてるんじゃない? とみんなは心配してくれたが、結局、半チャン4回ほどして成績はわずかにマイナスといったところで、生意気なおじさんは、俺のことより自分の心配でもしてな、と内心思っていた。
おかげで、そのアルバイト先では、へぼ雀師で通ってしまったらしく、以後、彼らrは気の毒がって、二度と誘っては来なくなった。
本当は誘ってくれた方が有り難かったのだが……。
その後、何かに憑かれたといった彼らの冗談は本当になり、もともと大勝ちも大負けもしなかったものが、さらに勝ち負けの振り幅が狭くなり、ある意味、雀荘ではさらに凄い打ち手と思われてしまうというおまけがついた。
確かに憑かれたと思う。憑いたのはおそらく貧乏神という神様だと思う。
そんな神に憑かれると、やることなすことすべてうまく行かないように思うだろうが、さにあらず、この貧乏神様、粋な計らいをしてくれた事があり、おじさんに子供ができる時から、2年ほど一度もマイナスになったことがなかった。
出産費用としばらくの育児費がこれで賄えたのである。