ここまで書いたものを読み返してみると、おじさんは若い頃から神について考えていたんだと、嬉しい誤解をしてしまう読者がいるといけないので、お断りしておくが、いつも異性にもてることばかり考えていたし、多分にポーズの要素が強かった。


 ちょっと小難しい本を片手に電車にのると、格好がいいような気がしてたんだね。


 本題に戻ると、考えた結果、神は存在しないという結論に達してしまったんだ。


 例えば、人間が到達した最高の言葉である聖書を読解すると、カトリックの総本山、ローマ法王を中心とした教会組織の在り方になると思われるが、その歴史を見ると、十字軍の遠征や魔女狩りなど、キリスト教以外の宗教ばかりではなく、同じ宗派の信者の中でさえ、異端だ魔女だと牢獄に送ったり火あぶりの刑に処したりしている。


 神というのはそれほど狭量で残虐なのか、とおじさんは疑問を持った。


 人に置き換えればよく理解できるだろう。とにかく融通が利かない。偏屈で、怒りっぽく、命令するのが好きなだけでなく、命令に違反すると命まで危うくなるような力があり、自分を信じる者には天国行きを約束し、異教徒や無神論者には虫けらのような運命を用意している。


 こんな人間のそばに居たいかな。


 結局、今テロだ報復だと言って戦争をしている原因は、すべて宗教に起因している。ジハードという神のための戦いで死んだ者は天国が約束されている。イスラム教のコーランに書かれているそうだね。


 これでは、永遠に戦争はなくならないよ。仮にどちらかが正しく、どちらかが間違っているとしても、異教徒を排除してしまう神とはいかなる神なのか。


 次は神への道には、宗教しかないのかを考えてみる。