自分には霊感なんてありません。でも、何かを感じたりはするんです。
前職の頃、結構遅くまで会社に一人残って仕事したりしてました。貿易部門だったので、アメリカなんかに早急に連絡する時なんかそうですね。
そんな在る晩、机で一人ワープロを打ってました。何となく背筋に寒気を感じ、ふと後ろを振り返ると誰もいません。当然です。自分一人なんですから。時間は夜の11時頃。
で、ワープロの画面に視線を戻したら・・・かってにカーソルが動くじゃないですか!急いでエンターキーを押すと通常に戻りました。でもすぐまた勝手にカーソルが画面を移動していきます。
『いやいや、これは機械の故障故障。慌てない慌てない』
そんな一休さん風に自分を落ち着かせ、文章を進めようとしたら今度は事務所の応接の方で音がする。誰もいない(くどい)のに、風も無いのにアコーデオンカーテンがパタパタと揺れてます。
そこまできたらいい加減嫌になった。早急に帰り仕度して事務所を出ました。
で、事務所の事でちょっと説明をします。そこは渋谷の某地。代々木公園も近い場所。古いマンションの2階でした。そのマンションがいわく付き。自殺者2名、他殺事件1件が起こった場所。霊感の強い女の子の事務員が言いました。
『トイレの水場に女の人がしゃがんでいるんです。それだけなんですけど、いつか立ち上がって付いて来るような気がするんです』
オイオイ、そんな話ししないでくれ!こちとら職務柄、残業が多いんだから。そんな事言われたらトイレ行けねえじゃねえか! それじゃ何か?夜になったらその見えない女が事務所に場所移動すんのか?余計恐くて残業出来ねえよ!
そんな風に毎日思ってましたねえ、ええ。