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Prayer

祈り

おととしの3月9日。


夕方に○○こから電話もらった時、強烈な違和感を覚えた。

深夜、女のコと一緒にいてどうこうというメールをもらった時、

そこが飲み屋でなくホテルで、男、要はあいつと一緒だということを確信した。


昨日も、そうだ。


もともと、変だとは思っていた。


大阪に、仕事に行く。


どう考えても仕事じゃないだろうと。


その仕事、本当に仕事なら必ず現地での人材調達になる。


でも、いちいち疑いたくないから、あまり考えないでいた。


そして、その後どうも、大阪に行くのは本当だとわかった。


そうなれば、仕事じゃない何かをしに、大阪に行くことになる。


そうなってもまだ、俺は疑いたくないので、あまり考えないようにしていた。



深夜2時11分、メールをもらった。


泊まりを心配していた俺に気遣いだ。


そのメールにあった、昨夜の情報が更に俺の脳にインプットされる。



1晩寝たら、俺の天才的な頭脳が、全ての情報から、全ての答えを出してしまっていた。



今朝、起きてすぐに、わかったこと。

相手は、大阪に本社のある、よりによって火曜水曜が休日の超大手企業の社員。

そして、彼女の親友の彼氏が勤務する。


そう、○○こは、昨夜親友とともに大阪に行った。

要は、ダブルデートだ。

もうひとりの男は、○○こを気に入っている、親友の彼氏の後輩。

二人とも東京勤務なのか大阪勤務なのか知らないが、かなりのエリートらしいので、

東京勤務でも大阪本社に行くことは多いだろう。


そして。

昨夜、○○こは、相手の男と一緒にホテルにいて、俺にメールをした。

確実に、そうだと俺の第六感が告げる。

ちょっとした、その可能性を非常に高める事実もある。

おととしみたいに、もらった瞬間にはわからなかった。

むしろ、気遣いを喜んでしまった。

すぐに、嬉しく思って返信した。

でも、それは全く嬉しい状況じゃなかったんだ。



今日は、最近では超珍しく、9時半の今になってもメールが来ない。

多分、メールできないんだ。

まだ、ふたりでベッドにいるから。

そう、あの企業は、今日は休日。



どんなメールを、今日はしてくるんだろう。

しらじらと、何事もなかったようなメールをしてくるのか。

それとも、ちゃんと本当のことを話すのか。


そう、俺には盗聴器なんかいらない。

全て、わかってしまう。

超能力レベルで。


でも、こんな能力、しんどすぎるよ。

わかりすぎるから、わかりたくないから、疑わなくていいものを見たくないんだ。

花道と一緒にいたのを感じられるのとか。

だから、Facebookの友人解除したまんまなんだ。


わかると、辛いんだ。


でも、わかっちゃう。


特に、こういうのは、全部わかっちゃう。







この話について、シラを切り通すなら、本当に決断せざるを得ない。

もう、信頼関係など根底から破壊される。

まあ、俺の理由は経済力だけだから、そいつに助けてもらえるから、

○○こは困らないか。









朝から、地獄に叩きこまれた。

せめて、昨夜は気づいてなかったのが救いだ。


多分、全く寝れなかっただろう。



10:16になって、メールが来た。

そのメールのやりとりで、完全に俺の確信が事実だと知った。


こんなことで、自分が他の男と関係を持ったことが俺にわかるなんて、

○○こは夢にも思っていないだろう。

ま、一応生理3日目だから、最後まではしていないとはわかっているけどね。

さっそく、しでかしてくれた。



それも、メガトン級の凄い裏切りを。



もう、意味がわからない。

前回、○○こが俺に謝ってきた理由で、

「俺がいない未来を考えたら暗すぎたんだって。」

と書いたわけだが。



それは、社会的に成功し、けっこうな収入を得る予定の俺、という意味だった。

つまり、○○この生活を面倒見る存在、という意味。



昨日、会って、うちに来てくれて、いろいろ話してわかったこと。



あんなことがあって、許してくれた人に、ああいう風な態度をとれる時っていうのは、

気持ちがない場合だけだ。


驚くほどにわかる、俺に対する気持ちの無さ。

許したことへの感謝のなさ。

この話をめんどくさそうにあくびしながら聞く、○○こ。


相変わらず、自分のせいで苦しむ俺を、面倒だと思っているのを丸出しにする○○こ。


最後の方は、完全に俺を嫌がっていた。



○○こは、嘘の天才だ。

○○この言葉や表情を見ていては、俺ですら騙される。

しかし、○○こは、残念ながらそれ以上の演技はできない。

○○この嘘は、仕草や行動に全てあらわれる。


自分で、嘘の好意をプレゼンと呼んでいた。

過去、何回か俺も騙されたことがある。

○○こは、それに加えて、過去俺がそれで喜んでいたと言っていた。


2つ、違う真実がある。


5年前までの3年は、それは○○この行為が、プレゼンじゃなかったんだ。

あれは、本当の俺への思いやりと好意。

でも、結婚して俺を切った時、それは全てプレゼンという記憶に変わった。

自分を守るために。

俺が悪い奴だから、私も演技して利用したんだ、そういう論理構成。

本当は、違うのに。

誰よりも大切にしていることを全部知っていた○○こは、

あの時、俺を本当に大切に思ってくれていた。

当時のブログを見ても、それは絶対に間違いない。

そして、一昨年からの○○こは、もはやプレゼンすらしない、完全な素だ。

ひどすぎるほどにひどい態度を、ずっととっていた。

そして、一方俺を大切に思っている時は、いつも必ず、そうなる状態がある。

その時点で、わかっちゃうんだ。


俺は、○○こと、もう11年前から、正味7年以上一緒にいる。

その間、いつも、本当に○○こを、○○こだけを見てきた。

いつだって、○○このことばかり考え、より深く理解しようとした。

一挙手一投足を全部記憶して、ひとつひとつのシーンを思い出にしてきた。

そんな俺は、もはやプレゼンすら見破る。


結局、先週水曜来ていたのは花道だった。

メールの時間に来ていたことも事実だった。

そう、俺は1通のメールからですら、そんな真実に簡単にたどり着いてしまう。


そう、もはや俺には、プレゼンなんて、無駄なんだよ。



昨日、はっきりとわかった。

○○こは、今俺のことを、ほぼ全く好きではない。

昨夜も、花道が家に来た。これは自身が話してくれた。

そして、おそらく、午前中いっぱい、二人で家にいるんだろう。


俺を、基本めんどくさい○○こ。


俺を、全部じゃなくてもほとんど、未来の金づるとしてしか価値を感じていない○○こ。


俺を、ほとんど、好きじゃない○○こ。



そういうこと。



きっとまた、近いうちに、俺は暴発する。

何故なら、○○こは、俺の苦しみを全く理解しようとしない。

いや理解どころか、単に俺が弱くてしつこい人間だと思っている。

だから、またきっと、同じことを繰り返す。

俺が耐えられないようなことをしでかして。



一昨日、一番ショックだったのは、俺をストーカー扱いし、俺を盗聴者扱いしたあげく、

全くそんな証拠はどこにもないのに、「ここまでする人とは思わなかった」と言ったこと。

それについて、俺は昨日、ひとことも責めなかった。

一番傷ついたことを、傷つけられたことを、ひとことも責めなかった。

それは、パニックになった○○こを理解してあげているから。

人のせいにしないと、自分を保てない○○こを理解してあげているから。

でも、約束を簡単に破ったこと、嘘や隠し事をしたことは、厳しく言った。

当たり前だ。


きっと、○○こは、それを単に俺が弱いからだと思っている。

○○こは、俺を理解しようとなんかしない。

俺を理解したいとなんか、思わない。

俺なんか、好きじゃない、どうでもいい。

単に、結婚も何もしてあげないのに自分を守ってくれる、将来の生活を守ってくれる、

都合のいいおじさん。

俺を理解しようとしない○○こは、きっとまた、ひどいことをする。


その時、俺は多分、本当に最後の決断をするだろう。