Go For  シルバーバック

                     <着陸直前、上から見たメヒコ>



メキシコと日本との時差は-15時間。

時計は少し戻って、現地時間11月7日、AM5:00前にメキシコシティのBebito Juarez国際空港に着いた。

国際空港のわりにはみんなメキシコ人。


いつも通り荷物をひろって、抜けようと思ったらなぜかここでもX線検査に荷物を流さなくてはならない。

そして、無事に流れて荷物をひろったら目の前のでかいボタンを自ら押すらしい。


ボタンを押して、出口へ一目散。

筋肉番付スタイルね。


後で知ったことだけど、

横断歩道のマークみたいに、人が歩くマークに緑が点灯したらそのまま入国。

もし、ボタンを押して赤いマークが光りでもしたら、さらに目の前の台の上で検査官による検査。

(無作為に検査対象になることもあるらしい)


『ダメなら口で言えばいいのにな~』とも思うが、

わざわざボタンを設置して、どっちが表示されるかのドキドキを味わえる粋な演出を乗り越え、いざOUT。



自動ドアが両サイドに開いて、目に飛び込んだのは褐色・口ひげのメキシコ人のおっさんたちの熱視線。

そして、なんか特有の独特のにおい。


荷物を受け取ってから外に出るこの瞬間がたまらない。



感動は一瞬だけにしといて、

とりあえず、出国当日に本屋に立ち寄ってカメラで撮った地図を頼りに安宿へ向かわなければない。


そういえば、知っているスペイン語といえば、

『オラ、コモエスタ、ビエン(良い)、ドンデエスタ(どこ?)、クアントクエスタ(いくら?)、セルベッサ(ビール)』


……のみ。



地下鉄に乗りたいから、

「ドンデエスタ メトロ??」を連呼するも、返ってくる答えが思った以上にわからない。


久々ってこともあってか、完全に知らない言語を把握する能力が鈍っている。

こんなんでよくフランス語圏の西アフリカをザクザクいけてたわ。



うーむ…やっぱ最初はガイドブックほしい。



疲労も重なってかちょっと弱気になりながらも、めげずに聞きまくる。

そして、ちょっとずつ感も戻り始めたころに、なんと英語をちょっと話せる係員に遭遇。


どうやら自分がいたターミナルの近くにはメトロはないらしく、"Aero Train"というターミナル間を接続する近代的な電車に乗り込んでターミナルを移動。


これで1時間30分。



新しいターミナルに着いてまずやることは、最低限必要な現地のお金。

出発前日までにメモ帳に書いてあった唯一の情報は、"1$≒13.49ペソ"と"1ペソ≒5.8円"のみ。


ATMへ向かい、とりあえず1000ペソくらいだなってな感じでおろそうとしたら、なんかおかしい。

手数料に『26$』っていう超強気な表記をしてくる。


うそでしょ!5800円分おろそうとしてるのに、手数料が26ドルって。。


カード入れて、最後の手数料の表記が出て、キャンセルして、またカードを入れて……。

そんなことを3回くらい繰り返して、あまりに26ドルが腑に落ちなくてATM断念。


とりあえず両替所で40ドルを両替して490ペソをGETしてみた。

その足で、コーヒーを買いにいくと、そこではじめて異変に気づいた。


棚の商品全部"$"表記でしょー!



棚を端から舐めるように見渡しても、$、$、$、$、$。



ファミコンのマイクダイソンでパンチ食らったときか!!





さすがにおれでもわかったぞ!


ペソは、ドル表記と同じ"$"だべ!



それくらい変えていこうや~



そして、やっとATMでお金をおろして、時計はさらに1時間経過。




コーヒーで気持ちを落ち着かせ、メトロへGO。

不運にもこの時には、小田急線ばりの通勤ラッシュに巻き込まれ、さらに体からはフェロモンを排出。



目的の駅までの接続が悪く、荷物に最大限の気を配りながら乗り換え2回。

というか都会のわりにメキシコシティの電車は荒すぎる。


ここでも1時間。


なんとか目的の駅に着いたが、安宿が見つからない。

出発日に渋谷の本屋で激写してきた地図をカメラで確認するもなかなか見つからない。


そして、さらに1時間荷物を背負いながらウロウロ。


単純に方角を間違ってただけで、気がつけば速攻で宿が見つかった。



そんなこんなで、普通1時間30分もあれば着くだろう道のりに5時間くらいじっくりかけて、

安宿Pension Amigoに到着。



こりゃリハビリだわ。



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                            <一番左奥が寝床>


久々にごみ山から拾ってきたような、マットレスが真っ黒ですり減ってるのを見た。


なんとも懐かしい。

始まったな~って感じ。



とりあえず…情報収集だな。





こっからスタートだ。




Ben E King のStand by me が流れるロサンゼルスのスターバックス。

黒人と白人が入り混じる店内で、トランジット12時間の大半を過ごした。




というか、アメリカって、なまら外国。


スターバックスで頼んだ『S』サイズが、完全に『M』サイズなんですけど!


ここはBARか!ってくらい店員と客がことごとく顔なじみなんですけど!


コーヒーちょっと苦すぎるんですけど!



極めつけは、店内でブログ書いてたら、隣にごっつい拳銃さした渋いヒゲの警察官2人が、無線を丸無視。

んで、着席と同時にコーヒーで乾杯してるんですけど!!


さらに相方の年配警察官からガムをもらってごつい警察官が一言… 「Wow Fantastic!」


う~む…アメリカンドリーム。




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車社会のLAで空港から歩いて30分にある町には、意外に旅行者は立ち寄らないのか、

田舎の雰囲気とマイペース感が伝わってくる。



ロスでトランジット12時間…居場所がない。



ってスタバでブログ書いてる横で、中年警官二人が"Shark attack"っていう動画をスマートフォンで見ている。


いかん。



 「Wow」の声が気になって少しもはかどらない。





くそっ!


この中年警官、なまら写真撮りたいぜ!


こういう時に一眼レフカメラって難しいもんだわ。。


まあいいわ、この辺は平和なようで。




話は前後して、この町に着いて最初に入ったメキシコ料理屋さん。

メキシコで食えって話もあるけども、他サンドイッチしかないもんで。



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                       <空いてるけどだいじょうぶっすかね>



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なんでアメリカで飲むコーラってうまいんですかねー。


接客の丁寧さと、久しぶりに若干好奇心で見られている感じが気持ちいい。



そうやって、レストランでご飯食べたら居場所がなくなって、

でかい荷物背負いながらスターバックスに来たわけです。

トランジット12時間って一番難しいわ。

どっか泊まるわけにもいかず、かといって重い荷物持って動き回るのも大変。



とりあえず、コーヒー飲みながらPCでも触っていろいろ観察するぐらいしか…




ん? 




隣の中年警官が外を気にしてる……




わかった!!



雨降ってるから戻らねーんだ!!


だから無線絞ったんだ!!




撮りたいてー!


オール阪神・巨人USAバージョン撮りてー!!





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       よっしゃー!!!



こう見えて、サメの話ししてます。






そんなくだらないことに気をとられて、気がつけば外は真っ暗に。


B-Boy4人がハンバーガーの紙袋片手にリズム刻みながら、歩いてるっす。


交通量の多い大通りに面してるとはいえ、人通りがない道を30分荷物担いで、

特大のサンドイッチをほうばりながら歩くのはものすごくスリリングでした。



そんなこんなで頭皮の油と疲れのピークを同時に迎えながら、

メキシコの航空会社AERO MEXICOの窓口でチェックインを済ませ、いざ23:55のフライトに乗り込んだ。


飛び立つときのLAの規則正しく光る平面的な燃えるような夜景。

早朝5時前のまだ暗い中見えたメキシコシティの巨大なネオン。


着陸直前に空からのネオンを眺めて、「来ちゃったなー」っていう感覚がたまりません。



来ちゃいましたよ。



とにかくシャワー浴びてえなあ。







ついに時は満ちた。


『ちょっくら地球の裏側行ってくるわー』プロジェクト。




メキシコ出発の日。


たくさんの人に送別会、そして見送りしていただいて肝臓も悲鳴を上げはじめた頃、その日はやってきた。



前日の夜2時にやっと荷物をまとめ終わり、

アフリカの旅以降、黄色い砂の色が落ちないクタクタのザックを久々に背負い込み、

余裕シャクシャクの顔でシンガポール航空の窓口に向かった。


出発は18:50。



おれ窓口に16時ちょいすぎ。


完璧。



ただ一つ気になる情報が直前に入ってきた。

空港に向かう直前、日暮里駅で見送ってくれた友達との会話のなかで、

アメリカに入国するには、なんとかっていう申請が必要らしいって話。


まあ、LAはトランジットだし、空港内から出るとも限らないし、気持ちが乗りすぎてあまり気にはしてなかった。



んで、おれ窓口。



おれ、「はい、パスポート」


係員、「はい、ロス経由メキシコ行きですね~。」


おれ、「あのほんのちょっと前に小耳に挟んだんですけど、

    なんかアメリカに入る場合ってなにかしらの申請必要なんですか?」


係員、「えっ!? ESTA申請してないんですか!? アメリカに入国する場合、

    例えトランジットでもESTAというビザ申請をしないとアメリカに降り立てませんよ!?」


おれ、「いや、トランジットなので空港からも出ないでそのままメキシコ行き乗れないんですか?」


係員、「2年前からオバマ政権でテロを抑止する動きがあり法律で決まってるので、

   このままだと飛行機乗れません。今すぐインターネットスペースでweb上で申請してきてください」


おれ、「アメリカに着いて空港内で申請でもだめですか?」


係員、「今飛行機に乗る前の処理で必要なんです。」



『エスタ』なんて札幌のデパートしか知らんわ!と思いながら、申請すれば事は済むだろうと思った。

とりあえず、ネットスペースでESTA申請のwebにアクセスしようとしていたら、さっきの係員さんが来てくれた。



係員、「あの~あと、帰りの航空券もしくは、アメリカ以降第3国に抜ける航空券はお持ちですか?」


おれ、「アメリカからメキシコに抜けるチケットも持ってます!」


係員、「実はアメリカ政府は、メキシコとカリブの国に関しては第3国として認めていません。」



植民地気取りか!!って叫びたかったけど、ここは冷静を装って…



おれ、「キューバはダメですか?」


係員、「だめです。」


おれ、「グアテマラは?」


係員、「大丈夫なようですが今すぐチケットを取ってらないと…。

    そしてなにより困ったことに、今ESTAの申請がメンテナンス中で止まってしまってるようです!

    一応18時には再開するようですが、発券カウンターは18時10分には閉鎖して、

    18時50分の出発に備えます……

    さらに同じくESTAをお持ちでないお客様も多数いますので申請番号をもらうまでに

    時間がかかってしまうと間に合いません」。



乗れるかわからない便の為にあらかじめメキシコからさらに抜けるフライトのチケットを用意して、

尚且つ、18時から18時10分の間にESTAの申請を終わらせ、WEB側の処理もスムーズに終わってくれなければならないというハードルの高さ。


ちょっと弱気になって、



おれ、「フライトのキャンセルか変更ってできますかね~?」


係員、「お客様が購入した航空券は、スペインの会社からのもので、

     旅行代理店を通しての格安航空券です。

     なのでシンガポール航空とのやり取りではなく、直接代理店に問い合わせる必要があります。

     結論をいうと、私どもがチケットの条件を変更する権利がございません。


おれ、「変更・キャンセル不可の券なので無理ですね。一応やってみますけど。。」


係員、「最悪、日本行きの航空券を今すぐ購入していただいて、すぐにキャンセルをしていただければ

    キャンセル料150$程度払うことで、第三国問題は解消できるんですが…。」



安いには理由とリスクがある。


時計は17時15分。



アメリカが第3国と認める国に抜ける航空券とESTA申請WEBのメンテナンス問題。

ここでさらに追い討ちが。



係員、「すいません。先ほどESTAのメンテナンスが18時までとお話したのですが、

     どうやらアメリカ本土の時間のようです! 

     なので日本時間で18時に申請しても恐らく申請できないでしょう…どうしよう…」



もうこの時になると、近くにいる係員も一緒に巻き込んで、話し合ってくれていた。

そして結構わけわからんくもなってきた。



おれ、「とりあえず今メンテナンス中で無理だけど、ESTAやってみるしかないですよね?」


係員、「例え、今回がダメでもESTAは必要になるでしょうし…。」



もう十中八九だめな雰囲気。

あれだけ送別会をしてもらっといて、こんな理由でダメだなんてとてもじゃないけど言えないっす。

ダメもとでテコテコESTA申請画面へ。





テコテコ…



あっ… 間違えた…




テコテコ………



気の抜けたタイピング裁きでいざ申請!




あっ… 名前と苗字間違えた…





テコテコ……




ポチっとな。




ん?







とりあえず自分のID番号のような申請番号もらえたな~


問題はここから


まあダメもとで、もらった番号を入力して、ESTA申請してみるか~


クレジットで14ドルね。


せこい商売してるわ。



ったく。




ポチっとな。




ぬ?

むむむ----!?!?!?!?





こんなものーーーーーーーーーーー






ゴゴゴゴゴゴゴゴォーーーーーーーー








ドドドドドドドドドーーーーー














                         『渡航認証許可』








これ、いったべ!!!




ダッシュで窓口へ。




おれ、「なんか通ったっぽいんですけど……」



係員たち、「うそ!?!?」





ざわざわざわ…




係員たち、「来てます!!通ってますうーー!!」




ちょっとした歓声が。


うれしいっす。





ここから話はトントン拍子で進み、とりあえずロサンゼルス行きのチケットを発券。

そして、ダミーの券としてロサンゼルスから日本行きの航空券を購入。

(メキシコに着き次第すぐにキャンセル処理で約150$の支払いのみ)。




いろいろ抜け道を考えててくれた親切な係員さんがものすごい安心した様子で、


「ほんとよかったー」って。




そしてすべての処理が終わり、最後にチケットを渡そうとしてくれた時、

安心したような苦笑いで、渡そうとしたチケット強く握りながら、「今度からは気をつけてくださいね!」




「ありがとうございました。ご迷惑おかけしました。」




と言いながら、うれしくて思わず右手がチケットに伸びてしまい、

軽くチケットの引っ張り合いになってしまった自分の動物的な動きに反省せざる負えないのであった。



そうです。


ちょっとしたドラマみたいになったけど、

"だろう運転・かもしれない運転"で交差点を曲がったのと同じことなんです。



確認不足でした。



危うく…出国したふうの生活が続くとこだった。





そんで…



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                <幸か不幸か、気持ちは簡単に切り替わる>







いろいろな方の支えがあって私、出国致します。






さて、ちょっくら地球の裏側行ってきます。