ついに時は満ちた。


『ちょっくら地球の裏側行ってくるわー』プロジェクト。




メキシコ出発の日。


たくさんの人に送別会、そして見送りしていただいて肝臓も悲鳴を上げはじめた頃、その日はやってきた。



前日の夜2時にやっと荷物をまとめ終わり、

アフリカの旅以降、黄色い砂の色が落ちないクタクタのザックを久々に背負い込み、

余裕シャクシャクの顔でシンガポール航空の窓口に向かった。


出発は18:50。



おれ窓口に16時ちょいすぎ。


完璧。



ただ一つ気になる情報が直前に入ってきた。

空港に向かう直前、日暮里駅で見送ってくれた友達との会話のなかで、

アメリカに入国するには、なんとかっていう申請が必要らしいって話。


まあ、LAはトランジットだし、空港内から出るとも限らないし、気持ちが乗りすぎてあまり気にはしてなかった。



んで、おれ窓口。



おれ、「はい、パスポート」


係員、「はい、ロス経由メキシコ行きですね~。」


おれ、「あのほんのちょっと前に小耳に挟んだんですけど、

    なんかアメリカに入る場合ってなにかしらの申請必要なんですか?」


係員、「えっ!? ESTA申請してないんですか!? アメリカに入国する場合、

    例えトランジットでもESTAというビザ申請をしないとアメリカに降り立てませんよ!?」


おれ、「いや、トランジットなので空港からも出ないでそのままメキシコ行き乗れないんですか?」


係員、「2年前からオバマ政権でテロを抑止する動きがあり法律で決まってるので、

   このままだと飛行機乗れません。今すぐインターネットスペースでweb上で申請してきてください」


おれ、「アメリカに着いて空港内で申請でもだめですか?」


係員、「今飛行機に乗る前の処理で必要なんです。」



『エスタ』なんて札幌のデパートしか知らんわ!と思いながら、申請すれば事は済むだろうと思った。

とりあえず、ネットスペースでESTA申請のwebにアクセスしようとしていたら、さっきの係員さんが来てくれた。



係員、「あの~あと、帰りの航空券もしくは、アメリカ以降第3国に抜ける航空券はお持ちですか?」


おれ、「アメリカからメキシコに抜けるチケットも持ってます!」


係員、「実はアメリカ政府は、メキシコとカリブの国に関しては第3国として認めていません。」



植民地気取りか!!って叫びたかったけど、ここは冷静を装って…



おれ、「キューバはダメですか?」


係員、「だめです。」


おれ、「グアテマラは?」


係員、「大丈夫なようですが今すぐチケットを取ってらないと…。

    そしてなにより困ったことに、今ESTAの申請がメンテナンス中で止まってしまってるようです!

    一応18時には再開するようですが、発券カウンターは18時10分には閉鎖して、

    18時50分の出発に備えます……

    さらに同じくESTAをお持ちでないお客様も多数いますので申請番号をもらうまでに

    時間がかかってしまうと間に合いません」。



乗れるかわからない便の為にあらかじめメキシコからさらに抜けるフライトのチケットを用意して、

尚且つ、18時から18時10分の間にESTAの申請を終わらせ、WEB側の処理もスムーズに終わってくれなければならないというハードルの高さ。


ちょっと弱気になって、



おれ、「フライトのキャンセルか変更ってできますかね~?」


係員、「お客様が購入した航空券は、スペインの会社からのもので、

     旅行代理店を通しての格安航空券です。

     なのでシンガポール航空とのやり取りではなく、直接代理店に問い合わせる必要があります。

     結論をいうと、私どもがチケットの条件を変更する権利がございません。


おれ、「変更・キャンセル不可の券なので無理ですね。一応やってみますけど。。」


係員、「最悪、日本行きの航空券を今すぐ購入していただいて、すぐにキャンセルをしていただければ

    キャンセル料150$程度払うことで、第三国問題は解消できるんですが…。」



安いには理由とリスクがある。


時計は17時15分。



アメリカが第3国と認める国に抜ける航空券とESTA申請WEBのメンテナンス問題。

ここでさらに追い討ちが。



係員、「すいません。先ほどESTAのメンテナンスが18時までとお話したのですが、

     どうやらアメリカ本土の時間のようです! 

     なので日本時間で18時に申請しても恐らく申請できないでしょう…どうしよう…」



もうこの時になると、近くにいる係員も一緒に巻き込んで、話し合ってくれていた。

そして結構わけわからんくもなってきた。



おれ、「とりあえず今メンテナンス中で無理だけど、ESTAやってみるしかないですよね?」


係員、「例え、今回がダメでもESTAは必要になるでしょうし…。」



もう十中八九だめな雰囲気。

あれだけ送別会をしてもらっといて、こんな理由でダメだなんてとてもじゃないけど言えないっす。

ダメもとでテコテコESTA申請画面へ。





テコテコ…



あっ… 間違えた…




テコテコ………



気の抜けたタイピング裁きでいざ申請!




あっ… 名前と苗字間違えた…





テコテコ……




ポチっとな。




ん?







とりあえず自分のID番号のような申請番号もらえたな~


問題はここから


まあダメもとで、もらった番号を入力して、ESTA申請してみるか~


クレジットで14ドルね。


せこい商売してるわ。



ったく。




ポチっとな。




ぬ?

むむむ----!?!?!?!?





こんなものーーーーーーーーーーー






ゴゴゴゴゴゴゴゴォーーーーーーーー








ドドドドドドドドドーーーーー














                         『渡航認証許可』








これ、いったべ!!!




ダッシュで窓口へ。




おれ、「なんか通ったっぽいんですけど……」



係員たち、「うそ!?!?」





ざわざわざわ…




係員たち、「来てます!!通ってますうーー!!」




ちょっとした歓声が。


うれしいっす。





ここから話はトントン拍子で進み、とりあえずロサンゼルス行きのチケットを発券。

そして、ダミーの券としてロサンゼルスから日本行きの航空券を購入。

(メキシコに着き次第すぐにキャンセル処理で約150$の支払いのみ)。




いろいろ抜け道を考えててくれた親切な係員さんがものすごい安心した様子で、


「ほんとよかったー」って。




そしてすべての処理が終わり、最後にチケットを渡そうとしてくれた時、

安心したような苦笑いで、渡そうとしたチケット強く握りながら、「今度からは気をつけてくださいね!」




「ありがとうございました。ご迷惑おかけしました。」




と言いながら、うれしくて思わず右手がチケットに伸びてしまい、

軽くチケットの引っ張り合いになってしまった自分の動物的な動きに反省せざる負えないのであった。



そうです。


ちょっとしたドラマみたいになったけど、

"だろう運転・かもしれない運転"で交差点を曲がったのと同じことなんです。



確認不足でした。



危うく…出国したふうの生活が続くとこだった。





そんで…



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                <幸か不幸か、気持ちは簡単に切り替わる>







いろいろな方の支えがあって私、出国致します。






さて、ちょっくら地球の裏側行ってきます。