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あだ吉のきものがたり

大井海岸芸者 あだ吉の着物まわりと日常のあれこれ

昨日、今日と悪天候で予定が急に空いてしまったので、着物のお手入れや入れ替えをしています。
散る桜乃花びらを背景に花筏を刺繍した訪問着など、四年も前に仕立てたのに、今年もきる時期を逃してしまい、着物に申し訳ない気持ちになりますが、これはやはり桜の蕾が膨らみだした頃におろしたいと考えると、また一年、出番を待たなくてはいけません。

アンティーク着物
写真はアンティークの訪問着です。丁寧なお手入れをされて仕立て直した姿で縁あって私のところにやってきたものですが、これも一度も袖を通していません。
今の着物には見かけなくなった膨れ織のような地に舫舟(もやいぶね)が描かれたこの着物。染められた時には色鮮やかな紫だったとおもうのですが、全体に色がくすみ、過ぎた時の長さを感じさせます。
これを着ようと思うなら、この着物と等しく時を重ねた帯を合わせなければ無理そうです。いえ、着物ほどの経年でなくても良いのですが、真新しい帯では質感がそぐわないのです。
わざわざ仕立て直されたものですから、いつかは袖を通すものと決めているのですが、似合いの帯を見つけられるまで、まだまだ時間がかかりそうです。



時折、着物のコーディネイトのコツとかポイントを教えてください、と言われるのですが、私が人様にお教えできる事など何も無いのです。
強いて言うのなら「好きなものをお召しになってください」ということだけ。
私自身は着物を購入する時に、帯と着物を組み合わせを考えて同時にもとめるとか、帯〆と帯揚をセットで購入すると言った事は全くないのです。自分の気に入ったものなら、なにか趣味に統一性がありますから、必ずと言っていい程、組み合わせが利くのです。母から譲り受けたものや、ご縁があって譲って頂いたものなどはなにかしら自分の趣味と合わなくて、結局出番の少ないものになってしまいます。 それでも自分では買い求めないお色目の帯揚など頂きますと、私自身がはっとするような組み合わせが出来たりもします。そういう経験がありますと、こういうのも素敵だなと、学ぶ事が出来るのです。
好みでは無かったお色を挿し色に使う事を覚えると、小物を選ぶ目が少し変わってきます。洗練ってそういう事なのだと思います。
私のコーディネイトは実際、かなりアバンギャルドで『着物の常識』とされていることからかなり外れていたりします。もちろん、場に相応しくない礼を欠くようなものは選びませんが、例えば、着物と帯は同じお色や同系色にしないというのが基本ですが、これを守らなくてもどなたかをご不快にさせる事は無いので、その組み合わせが良いと思えば着物と帯が同じお色や同系色になる組み合わせで着てしまいます。


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あだ吉のきものがたり-蝙蝠の帯


こうもりの京袋帯です。染帯ですので普段用ですね。
ハロウィンが近いなどという事は私の頭には全く無くて、秋のコーディネイトにふさわしいと思ってこの帯を締めて外出しましたところ
「ハロウィンコーディネイトですね」と声をかけられて、「なるほど」と妙な納得をしました。
こうもりは吸血鬼の使いという西洋イメージが定着して、気持ちが悪いとか縁起が悪いというイメージが一般的になりましたが、通い婚であった時代には子沢山のこうもりが夜家に入ってくるのは殿方のお通いを暗示する意味で幸運の前触れのように思われたのでしょう。
中国では “蝙”は「偏・あまねく」と同音。 “蝠”は 「福・ふく」と同音 なので、全ての幸福を表す文様とされているようです。
日本ではこうもりは「幸盛り」「幸守り」。六つの瓢箪で六瓢=無病。病よけとされるのと同じですね。


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