踊りのお稽古を初めて間もない頃、師匠からお着物を頂きました。
私には、その頃、既に普段に着物を着る習慣がありました。背の低い私は裄も袂も短めのものがすっきり見えるので、そういう着物を着ていましたが、踊るとなると袂丈も裄も足りません。日舞の動作には袂を持ったり、手先を袂の中に入れたりという所作が多く、日常の生活に向くような着物の寸法では間に合わないのです。
私とほぼ同じくらいの体格のお師匠が日頃のお稽古にお召しになっていたお着物を私にくださったのは、踊るのならこれくらいの寸法の着物を着た方が良いということを私に教えてくださる為だったのだと思います。
お着物を譲って頂いて、学んだことは沢山ありました。
それから何枚もの着物を誂えましたが、お師匠に頂いた着物の寸法を元に、試行錯誤して、理想的な着物の寸法というものがある程度見えてきたような気がしますが、訪問着や付け下げのようなものは柄袷を優先すると自ずと寸法が決まってしまうのです。小紋にしても図案家さんにお伺いしたところ、後幅八寸(30cmくらい)前幅六寸五分(25cmくらい)の寸法で仕立てられることを基準として柄付けを考えているそうなので、大きな柄のものを細身に仕立ててしまうと、柄の出かたがどうもよくありません。
自分の寸法で描いて頂ければそれが一番良いのですけどね。