変奏曲いろいろあれど、若き日のブラームスの非凡なる才能が結実した名曲だと言っても過言ではないでしょう。

作曲当時、28歳のブラームスの眼前には、バッハやベートーヴェンが遺した優れた変奏曲群が累々と存在し、それゆえ作曲に当たっては一定の規律のようなものが存在していたはずです。


しかし、この血気盛んな若者は、そうした古めかしいスタイルを用いつつも、非常に自由な旋律を踊らせ、新しい命を吹き込むことに成功しているのです。このバランス感覚こそが、この曲の大いなる魅力でもあります。


今回、スティーヴン・コヴァセヴィッチのピアノで聴きましたが、決して自らの個性を押し出すことはせず、気がつけば曲の魅力のつまったプレートがテーブルの上に何枚も並んでいた、という、優美とでも言いましょうか、しなやかと言いましょうか、日本人として非常に共感できる「美」の存在が大きな特徴でした。

昨日、はっと気がついたことがあります。

それは、数年前の引っ越しの際に、B&WノーチラスN804の左側ツイーターが壊れたときのことです。

当然のことながら、引っ越し業者に新品と取り換えてもらったのですが、間に入ったオーディオ店の方が良い方で、左右差が出るのでダメだと言い張ってくれたおかげで、左右ともに交換となりました。

良かった良かった・・・・で済めばいいのですが、そうはいかないのがオーディオの世界。

もしかしたら、バーンインが進んでないのはコイツか?

そういえば、交換してからさほど聴きこんでいないことに思い当りました。

こいつはイカーン!!!

ということになり、丸一日、しゃべくらせてやろう・・・そう思い立ったわけです。


ふふーん。

やっぱり、時間をかけるといい音で鳴りまする

室内楽に焦点を当ててセッティングしたつもりでしたが、コルトレーンの「至上の愛」なども臨場感たっぷり・・・・・・いえいえいえいえ、決して・・・決してドンシャリなぞではございません。

などと言ってはみたものの、うーん・・・・。

車の中で聴いてあらためてその演奏の美しさに気がつく。

ということは以前書いたとおりですが、

中でも、お気に入りは

サイトウキネン・オーケストラの1993年ライブである

ベートーヴェン 交響曲第7番です。

併録されている

シューベルト 「未完成」

も、これまた珠玉の一品だと考えています。