当事者がたとえ国教会の大物であっても、生身の一個の人物を絶対服従の対象としてはいけません。宇宙の法則➖絶対に裏切られることのない神の摂理を相手になさることです。真理は真理です。何人もこれを絶滅させることはできません。
その昔、一人の予言者、真理の象徴ともいうべき人物、霊性を最高に顕現した神の使者がこの物質界にやってまいりました。その彼も、当時の宗教界の大御所から好ましく思われず、その言葉によろこんで耳を傾けたのは平凡な民衆だけでした。
教えを説くときの彼の態度には冒し難い威厳がありました。が、その威厳は高い地位や身分から出ていたのではありません。生まれは当時の貧民階級の中で最も貧しい家柄➖名もない大工とその妻との間に生まれたのでした。しかしその肉体に宿った霊は人類のすべてが模範とすべき人生を率先垂範すべく彼を鼓舞したのです。
彼を通じて霊力がほとばしり出ました。病の人を癒し、悲しみの人を慰め、愛と寛容と慈悲の心を説きました。が、当時の宗教界からは歓迎されませんでした。そして最後にどうなったかは皆さんもよくご存知の通りです。いつの時代にも既成宗教や国家権力から”反逆者”と睨まれたものがたどる道は同じです。イエスも同じ名目のもとに苦しい死を遂げさせられました。しかし、イエスの説いた真理は死にませんでした。真理に死はありえないのです。無限であり、神から与えられるものであり、それゆえに不滅なのです。その霊力➖病を癒し、慰めを説き、当時の民衆からぬきんでた存在たらしめた力そのものが、死後すぐさまその姿を弟子たちに見せ、教えが間違っていないこと、霊は物質に優ること、死に生命を終わらせる力は無いことの証を与えさせたのです。その復活がいわゆるキリスト教を産む端緒となったのです。
シルバー・バーチの霊訓(三)
H・ S・ホームサークル編
近藤千雄訳
86-88ページ

