【第4回再放送】が終わって市販された、

特別機動捜査隊 スペシャルセレクション<デジタルリマスター版> [DVD]

の作品から抽出しました。

市販品なので、

(あらすじ)などストーリーの本質にかかわるところは伏せ、

スタッフやキャスト、また(備考)・(ネタバレしない範囲での一般的感想のみ

にとどめます。

将来、東映chなどで、一般的視聴されるようになったら書き加えていく予定です。

 

※ 特別機動捜査隊 まえがき

捜査担当班の詳細については、wiki特捜隊-キャストを参照、また、(本放送)とはNETでの放送、(再放送)とは東映chでの放送を指します。出演者については配役名を略していますが、本文で書くこともあります。なお、出演者をもっと知りたいときは、リスト特捜隊で検索。

また、1963年公開の、映画版・特別機動捜査隊全2作とは趣が異なることに注意。

なお、オープニングやエンディングで配役名表記がされない作品については、従来の「発声のみの役名については平仮名表記」の原則だと平仮名だらけの文面となります。そこで役名・地名等は、検証本その他を引用、あるいは当方での当て字により、以下表記します。

配役名表記が有るため、従来の「発声のみの役名については平仮名表記」「オープニング・エンディングの表記と、劇中発声・表記が異なるときは、後者を優先」する原則に戻り、以下本文を表記します。例外は、その都度(備考)で示します。

 

☆・・・#292  青春の追憶

特別機動捜査隊(第292回)青春の追憶

 

 

(収録DVD)・・・・VoL2、disc3、2021年1月13日発売

(本放送)・・・1967年5月31日

(脚本)・・・奥中惇夫

(監督)・・・奥中惇夫

(協力)・・・警視庁

(協賛)・・・千葉県白浜観光協会、ホテル白雲荘

(助監督)・・・徳井一行

(劇中ナレーター)・・・島宇志夫

(捜査担当・オープニング表記)・・・立石班

西本捜一係長(鈴木志郎)、鑑察医(仲原新二)、鑑識課員(上田侑嗣)、

橘部長刑事(南川直)、荒牧刑事(岩上瑛)、桃井刑事(轟謙二)、

岩井田刑事(滝川潤)、松山刑事(松原光二)、立石主任(波島進)

 

(出演者・オープニングまたはエンディング表記)

・・・劇中優先のため配役名表記を省略

霧立はるみ、石川登、長島隆一、石川竜二、石間健史、露原千草、石井宏明、

片山滉、福山きよ子、山口千枝子、秋山みつえ、相馬剛三、福良早代、山崎伸二郎、

金井裕子、後藤ルミ子、島田潤子、広元冽、兒島みゆき、高田正裕、山田甲一、

川端嘉子、山室公男、川田信一、原田赫、大月竜也、剣持和佳、朝見朗、

小久保威男、倉田保昭、飯田美知子、森健二

 

 

(あらすじ・予告篇から)

・・・ ※当時のナレーションをそのまま聞き写しています。

 

高級マンションにひとりで住んでいた、女子大学生が殺害された!

親元を離れ、奔放な生活を送る被疑者の背後に絡む、複雑な異性関係・・・。

現場に残されたライターを手がかりに、特捜隊・立石班の捜査は続けられる。

真犯人を追って、舞台は房州の南端、白浜へと移っていく・・・。

複雑な思春期の女の性(サガ)が引き起こした殺人事件・・・!

次週、「青春の追憶」に御期待ください。

 

※ストーリーの本質に触れる部分はボカします。

 

 

(備考)・・・

・エンディング表記の山口千枝子は、後年の「山口千枝」のこと。

・同じく、エンディング表記の兒島みゆきは、後年の「児島美ゆき(児島みゆき)」である。

・また、エンディング表記に倉田保昭とあるのも、後年の「倉田保昭」か?

・霧立はるみは、山中貞雄監督の遺作「人情紙風船」(1937年)で白子屋お駒を演じた霧立のぼるの娘で、母同様に宝塚音楽学校・宝塚歌劇団の出身。

・また霧立はるみは、wikiの2016年7月30日06:36の版において、いきなり2002年に死去の書きこみがなされている。元大映宣伝部・中島賢のブログ「映画が中心のブログです!」の2017年3月20日の記事にも、霧立はるみ死去とあるが、更新日時からwikiを参考にしたと思われる。ゆえに、wikiの死去記事にはソースが無く、真偽不明として話半分に考えたほうが良いと思われる。

・なお、検証本160頁の森律二という表記は、「森健二」の誤りである。

・劇中で、「千葉県安房郡白浜町」とあるが、白浜町は2006年3月に他町村と合併して南房総市となり(南房総市白浜町)、千葉県安房郡から離脱している。

・「青春」とは、広辞苑によると「年の若い時代。人生の春にたとえられる時期」。五行説でいう四季に並べ「青春・朱夏・白秋・玄冬」に称される(伸学舎HP)。

 

 

 

(視聴録)・・・開始約分半まで

(ネタバレしない範囲での一般的感想)

主な関連人物をまとめますと以下のとおりです。

(演者は・・・の次に、判明出来る俳優名を表記)。

 

〇城南大学美術部(クラブ)女子学生・江口麻里子・霧立はるみ

〇麻里子の父・・・・・・・・・・・・・・・・・長島隆一

〇麻里子の母・・・・・・・・・・・・・・・・・露原千草

〇城南大学美術部(クラブ)女子学生・・・・・・・山口千枝子

〇城南大学美術部(クラブ)女子学生・・・・・・・島田潤子? 福山きよ子?

〇城南大学美術部(クラブ)男子学生

〇城南大学華道部(クラブ)女子学生・窪田伸子・・秋山みつえ

〇城南大学教養学部男子学生・青柳孝   ・・・・・石川竜二

〇城南大学陸上部(クラブ)男子学生・若原四郎・・広元冽

〇第7マンション・管理人 ・・・・・・・・・・・片山滉

〇解剖医

〇伸子のアパート隣室住人

〇東西予備校・学生課事務員・・・・・・・・・・山田甲一

〇東西予備校学生・よしむら・・・・・・・・・・山崎伸二郎?

〇東西予備校学生(6人) ・・・・・・・・・・・剣持和佳、朝見朗、山室公男、他

〇うらがみ物産主任・川瀬基吉・・・・・・・・・森健二

〇川瀬の妻

〇川瀬の子供(男女3人)

〇バーフェリシダのマダム

〇バーフェリシダのバーテン・篠崎よういち・・・石間健史

〇バーフェリシダのホステス(2人) ・・・・・・後藤ルミ子、他

〇ホテル白雲荘支配人・田村   ・・・・・・・・・石井宏明

〇田村の息子・敏雄・・・・・・・・・・・・・・石川登

〇敏雄の妹・幸子(サチコ)  ・・・・・・・・・・・兒島みゆき

〇ホテル白雲荘の植木職人

〇千葉県白浜の駐在警官 ・・・・・・・・・・・・相馬剛三

 

 

美術祭迫る城南大学では、美術部学生が準備のなか、部員のひとり江口麻里子は昨日に続き今日も来そうにない。そこで部員の女子学生が、麻里子の住む第7マンション3-5号室を訪れることになったが、麻里子は部屋のベッドに仰向けで倒れていた。

「通報を受けた特捜隊・立石班は、直ちに文京区すえよし町3丁目の現場に急行した」

「被害者は、城南大学1年生、江口麻里子19歳。鑑識の結果、死因は頸部に残された外傷により、手による絞殺と断定された」(ナレーションから、訂正無しで抜粋)

死亡推定時刻は昨夜12-1時、遺留品は麻里子の伸びた右手元にあった男物のライター、ベッド下にハンドバッグと散らばった中身があった。

 

橘・松山は、ハンドバッグの中は荒らされ、財布に現金が無いことから物盗りの犯行を考える。岩井田は、ドアをこじ開けた形跡が無いことから顔見知りの犯行を考える。桃井は、灰皿の吸殻が、口紅の有無により2種類あることから男の来客を考える。

さらに、荒牧が発見者の女子学生の証言で、来る途中の階段を上る際、横縞のセーターを着た男が下りて来るのを目撃したこと、麻里子の交遊関係について、特に親しい人物に、同じ教養学部の男子学生・青柳孝、陸上部所属の若原四郎がいること、遺留品のライターには見覚えが無いことを聞き出す

これらから立石主任は、荒牧には女子大生の目撃談からモンタージュ作成、橘・岩井田にはマンション付近の聞きこみ、自らは桃井・松山と城南大学への聞きこみを行なうことにする。

 

城南大学美術祭会場に到着すると美術部の学生に聞きこみ。そこには、麻里子の遺作ともいうべき千葉県白浜の灯台周辺の絵画が飾られており、昨年夏に遊びに行ったときに描いたものという。麻里子は1年浪人して今年入学したばかり、予備校時代のことを話したがらないこともあり、ひとりで白浜に行ったのかはわからないともいう。

2人の学生については、青柳は大学にも来ず、自宅にもいないことが判明。若原は陸上部の合宿中で、昨夜10時以降は全員で寝ていたとの証言を得る。ただ、若原から、麻里子が青柳を奪ったという件で、華道部の窪田伸子が憤っていた情報を聞き出した。

これらから、立石主任は伸子を尋問することになるが、伸子は現役入学組で麻里子とは馬が合わなかった。しかし昨夜、麻里子宅に青柳の件で電話をかけてみると、青柳と一緒にいただけでなく、未だに青柳のことを吹っ切れないのは前時代的と罵倒されたため、電話を切ったと締めくくった。

 

「一方、橘・岩井田の両刑事は、マンションで聞きこみを続けていた」

(ナレーションから、訂正無しで抜粋)

すると管理人から、麻里子の父は名古屋の実業家、麻里子は一人娘であることから甘やかされていたようで、受験勉強をするなら東京が良いと言い出したことで、昨年4月から住んでいるという。そして、スポーツカー(註・赤色のフェアレディ)を所有していることから男友達も多かったが、そのスポーツカーはマンション内駐車場に見当らないことを証言する。

このことから、スポーツカーのナンバープレート番号を聞き出すと、

「麻里子のスポーツカーの、ナンバー・色・型式は、直ちに全都下に手配された」

(ナレーションから、訂正無しで抜粋)

そして、ついに青柳の運転するスポーツカーを捕え、東代々木署・元町派出所に連行。立石主任・橘・岩井田が事情聴取を行なうことになるが・・・。

 

 

当作は協賛にある通り千葉県白浜ロケ作品で、立石班は捜査の流れで白浜に向かい、そこで麻里子の遺作絵画のいきさつとともに、事件の真相となるべきヒントを掴み、一気に事件解決へ向かうという内容です。奥中惇夫監督作品は、【スペシャルセレクション】シリーズでは、#285 拾った女【スペシャルセレクション】 、#404 待っていた人【スペシャルセレクション】 に続いて3作目の観賞です。特に前2作は小川記正脚本でしたが、当作はその2作の間に挟まれ、自ら脚本も担当ということで、どのような仕上がりになっているか。。。

 

刑事ドラマとしては、クライマックスで#290  美しくなりたい【スペシャルセレクション】を思い起こすような二者択一のような追及で、聞きこみ、物証もオーソドックスに積み重ねての展開で悪くありません。そして、麻里子が殺害される犯行動機についても、伏線が描かれ納得しうるものではあります。ですので、客観的には佳作ラインにある作品です。

しかし、その犯行動機、どちらかというと人間ドラマの範疇なのですが、これが人間ドラマとして納得できるかというと、自分にはどうにも「否」としかいえません。

 

麻里子についての時系列を辿ると、(5)はネタバレになりますが、

(1) 昨年春、城南大学不合格(名古屋居住)

(2) 昨年4月、受験勉強のため上京、独り暮らし(東京居住)

(3) 昨年夏、白浜を訪れる

(4) 今年春、城南大学合格、

(5) 今年春、合格後に再度白浜を訪れる

(6) 今年4月、城南大学入学

(7) 今年5月?(本放送が1967年5月31日)、殺害

となります。

要は観賞していて、どこが検証本160頁にいう

>進学戦争で傷ついた青春を浮き彫りにする

にあたるのか、さっぱりわからないのです。

 

上記の時系列のなかで、殊勝な麻里子の姿が描かれていれば、それなりに納得は出来るものの、最初から最後まで自由奔放なテーンエイジャー・麻里子の描写となっているため、人間ドラマとしてどうしても「?」がつき、作品を真っ直ぐ観れなかったというのが実感です。

よく「可愛い子には旅をさせよ」とはいいますが、甘やかしすぎて、「親の心子知らず」となったがゆえに、このような結末を迎えたようでもあります。絵画にしても、題名「青春の追憶」として、良き思い出の予備校時代としたかったのでしょうが、「ある人物の予備校時代の証言」「また別の人物の回想映像場面」を観るにつけ、麻里子にそういう気持ちが果たしてあったのか、はなはだ疑問です。

(備考)にも書きましたが、青春の後には「朱夏・白秋・玄冬」がやってきます。麻里子が青春を謳歌するためこのような生活をしていても、その後には大きく3つの季節がやってきて、そのハードルを越えなくてはなりません。深読みになってしまいますが、この3つの季節を乗り越える資質が無いから、早めの終焉を迎えたのか? とも考えられますが。。。

 

さて、麻里子を演じた霧立はるみは、リスト特捜隊によると当作を含み

特別機動捜査隊(第245回)太陽の誘惑 ・・・・・・・・・  欠番

特別機動捜査隊(第249回)乾いた海 ・・・・・・・・・・【第2回再放送】

特別機動捜査隊(第255回)恐怖の25時間 ・・・・・・・  【第2回再放送】

特別機動捜査隊(第263回)霧笛の港 ・・・・・・・・・・【第2回再放送】

特別機動捜査隊(第271回)羊の年賀状 ・・・・・・・・・  欠番

特別機動捜査隊(第292回)青春の追憶 ・・・・・・・当作【第2回再放送】

特別機動捜査隊(第297回)第七天国 ・・・・・・・・・・【第2回再放送】

特別機動捜査隊(第355回)女の四季 ・・・・・・・・・・【第2回再放送】

特別機動捜査隊(第360回)真昼の花火 ・・・・・・・・・【第2回再放送】

特別機動捜査隊(第423回)石狩の女 ・・・・・・・・・・【第2回再放送】

特別機動捜査隊(第432回)コタンの女 ・・・・・・・・・【第2回再放送】
の11作あります。ただ、あるHPには、【第2回再放送】を実見したのか、出演作に欠番回は載せておらず、 特別機動捜査隊(第423回)石狩の女 も載せていないので、特別機動捜査隊(第423回)石狩の女  には出演していないのかもしれません。

母親である霧立のぼると違い、印象的な目鼻立ちが特徴的で、宝塚風にいえばファンも大勢いたことでしょう。ただ舞台と違い、映画・テレビのドラマではメリハリが要求されるため、当作では構成の問題もあったのが、「我儘な娘」の印象に終始してしまいました。そしてこれが、ストーリーの展開に影響を与えたともいえ、自分が人間ドラマとしては好きになれない一因かも。。。

しかし、自分が霧立はるみを実見したのは当作が初めてで、【スペシャルセレクション】で実見できる機会があれば再評価も可能です。幸い、以降のシリーズで実見可能なようですので、期待したいと思っています。