【第4回再放送】が終わって市販された、

特別機動捜査隊 スペシャルセレクション<デジタルリマスター版> [DVD]

の作品から抽出しました。

市販品なので、

(あらすじ)などストーリーの本質にかかわるところは伏せ、

スタッフやキャスト、また(備考)・(ネタバレしない範囲での一般的感想のみ

にとどめます。

将来、東映chなどで、一般的視聴されるようになったら書き加えていく予定です。

 

※ 特別機動捜査隊 まえがき

捜査担当班の詳細については、wiki特捜隊-キャストを参照、また、(本放送)とはNETでの放送、(再放送)とは東映chでの放送を指します。出演者については配役名を略していますが、本文で書くこともあります。なお、出演者をもっと知りたいときは、リスト特捜隊で検索。

また、1963年公開の、映画版・特別機動捜査隊全2作とは趣が異なることに注意。

なお、オープニングやエンディングで配役名表記がされない作品については、従来の「発声のみの役名については平仮名表記」の原則だと平仮名だらけの文面となります。そこで役名・地名等は、検証本その他を引用、あるいは当方での当て字により、以下表記します。

 

 

 

☆・・・#125  誘惑者

特別機動捜査隊(第125回)誘惑者

 

 

 

(収録DVD)・・・VoL2、disc1、2021年1月13日発売

(本放送)・・・1964年3月18日

(脚本)・・・村田武雄

(監督)・・・今村農夫也

(協力)・・・警視庁

(協賛)・・・雅叙園観光ホテル

(助監督)・・・北村秀敏

(劇中ナレーター)・・・島宇志夫

(捜査担当・オープニング表記)・・・立石班

西本捜一係長(鈴木志郎)、鑑察医(仲原新二)、橘部長刑事(南川直)、

荒牧刑事(岩上瑛)、桃井刑事(轟謙二)、岩井田刑事(滝川潤)、

立石主任(波島進)

 

(出演者・オープニングまたはエンディング表記)・・・配役名表記無し

高城丈二、藤乃高子、正城睦子、氏家慎子、嶺方功、於島鈴子、井上知子、

白銀道子、水沢摩耶、守田比呂也、高杉哲平、伊東芳子、津崎敬二、峰阿矢、

志賀真津子、E・キーン、小海とよ子、今野輝子、川村禾門、東郷昭子、

佐野巳恵子、小木宏子、須田玲子、伊藤亜子、四志譲二、豊田恵子、松永幸子、

古橋弘子、高橋芳樹、馬場信幸

 

 

(あらすじ・予告篇から)

・・・ ※当時のナレーションをそのまま聞き写しています。

 

竹芝桟橋に、女性の腐乱死体が上がった!

殺害されたとも知らずに、母を慕ういたいけな少女の姿・・・。

その陰には、金と肉体を求めて、

女性の心に隙に忍び寄る誘惑者の甘い囁きがあった。

浮かびあがる数人の容疑者!

特捜隊に挑戦する、不敵な謎の男!

果たして、浮浪者・上州(ジョウシュウ)の見たものは何か!?

次週、「誘惑者」に御期待ください。

 

※ストーリーの本質に触れる部分はボカします。

 

 

(備考)・・・

・兵頭マリ子の映像は、自宅の写真と各人の回想場面とで明らかになる。双方別の女優が演じているように思われるが判断不能。また写真に映るマリ子の夫は、中井義プロデューサーのようでもあるが、指摘だけにとどめる。

・マリ子の伯母の姓名が、劇中ナレーションと桃井の発声とで異なるが、後者を優先して「柿村伊都子」として以下本文では取り扱う。

・板書には、事件現場近隣のスケッチ、発見場所=芝浦晴見1号地沖50米(註・メートル)、被害者=女・27,28歳、遺留品=スーツ、下着類とある。

・その事件現場は映像も挙げられ、勝鬨橋をくだる芝浦付近(註・現在の竹芝桟橋か)とされているが、現在では勝鬨橋をくだると築地大橋(2018年完成)が増え、浜離宮・竹芝桟橋も修繕され、本放送当時の面影は見受けられない。

・そこで映る船艇「いそちどり」は、海上保安庁・警備救難業務用船艇なのか、警視庁・警備艇なのか、ネットで調べた2つの画像と当作映像とは異なるため、判断はつきにくい。

・浮浪者の名前は劇中では明らかにされないが、予告篇で通称名が語られているため、以下本文では同様に取り扱う。

・嶺方功は後年の生方功か? そうであるなら、山川=嶺方功のキャスティングとなるため、以下本文では同様に取り扱った。

・劇中の、北多摩郡田無町は、1967年(本放送から約3年後)田無市へ市制移行、2001年には保谷市と合併して西東京市となっている。

 

 

(視聴録)・・・開始約分半まで

(ネタバレしない範囲での一般的感想)

配役名表記が無いこともあり、また主な関連人物をまとめますと以下のとおりです。

(演者は・・・の次に、判明出来る俳優名を表記)

 

〇兵頭マリ子

〇マリ子の夫

〇マリ子の子・早苗

〇マリ子の伯母・柿村伊都子・・・・・・・・・・・於島鈴子

〇伊都子の(息子の)嫁・和代

〇和代の息子(2人)

〇マリ子の部屋の間貸し人・神林夫人

〇富士美商事・社長

〇円山町のバー白樺・マダム・・・・・・・・・・・水沢摩耶

〇バー白樺のホステス・小百合

〇バー白樺のバーテン

〇千駄ヶ谷の某旅館の女将

〇その仲居

〇千駄ヶ谷のホテル・小松の受付嬢

〇千駄ヶ谷の旅館・宇田川の女将

〇その仲居・ハナ

○浮浪者・通称名上州

〇城南商事課長・山川 ・・・・・・・・・・・・・・嶺方功?

〇T.E.P連合通信社職員・ロバート藤田・・・・・・・高城丈二

〇T.E.P連合通信社職員・・・・・・・・・・・・・・E・キーン

〇警視庁・外事課刑事

〇東京総合病院・看護婦

〇ファッションモデル・明美

〇宝石商の女店主

〇英会話塾の講師

〇デパートの案内嬢

〇デパートの案内係の主任・節子

 

 

「特捜隊・立石班は、水上署からの連絡により、港区芝浦の岸壁へと急行した」

「水死体は女性であり、死後約1カ月を経過、首に扼殺の跡が認められたが、特に身元を確認する所持品は見当たらなかった」

「解剖の結果、被害者は扼殺されたのち、隅田川へ投げ込まれたものと確認された」

(ナレーションから、訂正無しで抜粋)

死体の身元について、立石主任は、死体手足の指のマニキュアから水商売をしていたものと判断。さらに身に着けていたロケットペンダントの幼児の写真から、西本捜一係長は被害者に幼い娘がいるものと考える。

 

「その頃、荒牧・桃井・岩井田の三刑事は、少年課に赴き家出人名簿をあたった。その結果、被害者とおぼしき人物、すなわち渋谷区大和町に住む兵頭マリ子・28歳が浮かび上がった。届け人は、被害者の伯母にあたる柿村伊都子(カキムライツコ)と判明、立石班は直ちにその柿村伊都子の住む都下、北多摩郡田無町に急行した」

(ナレーションから、訂正無しで抜粋)

伊都子によると、マリ子は早苗を出産後、ほどなく夫を交通事故で亡くし、その遺産で慎ましく生活していたが、若い男に口説き落とされ遺産を失ったという。それ以来、マリ子とは音信不通であったが、節分(註・マリ子の死亡推定の頃)の翌々日の午後8時、マリ子の部屋の間貸し人・神林夫人が来訪、一昨日の晩からマリ子は帰宅せず、早苗が泣き続けていたため連れてきたことを話し、現在では伊都子が早苗を預かっていることが明らかになった。

 

「立石班は、被害者が生前間借りをしていた、渋谷区大和町の神林宅に急行した」

(ナレーションから、訂正無しで抜粋)

部屋の捜査で、荒牧はアルバムを発見。神林夫人に、早苗、マリ子の亡夫の写真を確認してもらったが、若い男の写真には見覚えが無いという。そして、マリ子は円山町のバーに勤務していることを聞き出すと、立石主任は橘・桃井をマリ子の嫁ぎ先の兵頭家周辺の聞きこみに、自らは荒牧・岩井田と円山町周辺の聞きこみへと向かうことになるのだが・・・。

 

 

上記まで開始約10分半ほどを経過、【第3回再放送】での今村農夫也監督評価には無かったようなスピーディーな展開です。この後も立石班の聞きこみは進み、マリ子の生前の生活、さらには死亡したと推定される節分夜の出来事が徐々に明らかになり、関連する人物たちが次々に登場、誰が事件のキーパーソンなのかドキドキワクワクしながらストーリーは進行します。これは、主要登場人物、特に女優が無名(失礼)なのも奏功しており、先入観を抱くこと無く後半までドキドキワクワク感が継続出来たことも大きい。

荒木芳久回想記によると、【第3回再放送】のころは、時代に合わないからか、村田武雄脚本を田中秀夫監督の指示のもと書き直しをされたと記事にありましたが、【第1回再放送】作品の当作の頃は、非常に面白い構成だったと感じます。マリ子の死は男関係にあるのか、若い男から派生した女の嫉妬にあるのか、ここいらへんのバランスが良く出来ています。

 

中でも、序盤、島宇志夫ナレーションを多用しての澱みない流れを、立石主任を中心に立石班が聞きこみに回る展開は非常にスッキリしており、終盤まで映像に釘付けになります。このスタイルは、平成の刑事ドラマでは時代遅れ的にみえるかもしれませんが、昭和、それも東京オリンピックを迎えようとする本放送の頃は、目新しく見えたかもしれません。

 

しかし、予告篇にもある「浮浪者・上州」が開始約40分に登場させたあたりから流れは性急となり、やっつけ仕事っぽくなってしまうのはいただけない。おそらく、

>浮浪者・上州(ジョウシュウ)の見たものは何か!?

をクローズアップさせるための場面挿入なのでしょうが、これまでの聞きこみから上州の回想場面は無くとも、立石班が推察でき得る範囲であります。

ここは、今までの聞きこみまとめから、上州の回想場面ではなく立石班の推理場面に置き換え(それこそ、上州の登場は最初から省いておくことも可能)、協力を仰いだ目黒雅叙園ホテルへの突入など、見せ場は作れたような気もします。

 

それでも当作は佳作ラインを維持できる出来であり、この当時、差し迫る東京オリンピックを背景に、盛り上がる日本国民(特に女性)に警鐘を鳴らす意味合いがあったかもしれません。それに対して、当年2021年の東京オリンピックについては、差し迫る感染病に警鐘を鳴らすことも忘れたかのような、与野党含めた政府、東京都には呆れる印象を持つ今日この頃です。