【第4回再放送】が終わって市販された、

特別機動捜査隊 スペシャルセレクション<デジタルリマスター版> [DVD]

の作品から抽出しました。

市販品なので、

(あらすじ)などストーリーの本質にかかわるところは伏せ、

スタッフやキャスト、また(備考)・(ネタバレしない範囲での一般的感想のみ

にとどめます。

将来、東映chなどで、一般的視聴されるようになったら書き加えていく予定です。

 

※ 特別機動捜査隊 まえがき

捜査担当班の詳細については、wiki特捜隊-キャストを参照、また、(本放送)とはNETでの放送、(再放送)とは東映chでの放送を指します。出演者については配役名を略していますが、本文で書くこともあります。なお、出演者をもっと知りたいときは、リスト特捜隊で検索。

また、1963年公開の、映画版・特別機動捜査隊全2作とは趣が異なることに注意。

なお、オープニングやエンディングで配役名表記がされない作品については、従来の「発声のみの役名については平仮名表記」の原則だと平仮名だらけの文面となります。そこで役名・地名等は、検証本その他を引用、あるいは当方での当て字により、以下表記します。

 

 

 

☆・・・#124  誤算

特別機動捜査隊(第124回)誤算

 

 

 

(収録DVD)・・・VoL2、disc1、2021年1月13日発売

(本放送)・・・1964年3月11日

(脚本)・・・本田明

(監督)・・・小川貴智雄

(協力)・・・警視庁

(協賛)・・・無し

(助監督)・・・天野利彦

(劇中ナレーター)・・・島宇志夫

(捜査担当・オープニング表記)・・・立石班

西本捜一係長(鈴木志郎)、鑑察医(仲原新二)、橘部長刑事(南川直)、

荒牧刑事(岩上瑛)、桃井刑事(轟謙二)、岩井田刑事(滝川潤)、

村上刑事(小嶋一郎)、立石主任(波島進)

 

(出演者・オープニングまたはエンディング表記)・・・配役名表記無し

八代万智子、永山一夫、竹田公彦、杉狂児、城山順子、植木正夫、白石冬美、

黄慶瑞、石塚利治、植田貞光、津軽喜介、天野照子、友野多介、井上リエ、平野元、

長谷川八郎、若木澄子、矢島由紀子、掛川照子、武石昇、山室公男、水木慧、

上天吉、佐々木伊都子、久保比左志、山田和男、小杉公子、平山成仁、沼崎裕子、

末沢弘、大場紀子、黛綾子、大森春美

 

 

(あらすじ・予告篇から)

 

・・・ ※当時のナレーションをそのまま聞き写しています。

金・・・、それが人間の欲望のすべてであろうか?

巧妙に、完璧に、完全犯罪を目論んだひとりの男・・・!

善意の人々の中に、突然降って湧いたように訪れる疑惑の目。

完全犯罪の終末は、どこに誤算が潜んでいたのであろうか・・・?

次週、「誤算」に御期待ください。

 

※ストーリーの本質に触れる部分はボカします。

 

 

(備考)・・・

・入院していた岩井田刑事が、捜査の第一線に復帰した初回作品。

・監督の小川貴智雄は、中村錦之助(のちの萬屋錦之介)の実兄で、歌舞伎をしていたころは「中村歌昇」を襲名していた。

 

 

(視聴録)・・・開始約分半まで

(ネタバレしない範囲での一般的感想)

配役名表記が無いこともあり、また主な関連人物をまとめますと以下のとおりです。

(演者は・・・の次に、判明出来る俳優名を表記)

 

〇文京区菊坂町の長屋の大家(オオヤ、賃貸人)・・・杉狂児

〇大家の妻

〇長屋居住の畑野純一

〇純一と同居する姉・静子  ・・・・・・・・・・・城山順子?

〇長屋居住の鈴木

〇鈴木と同居する息子・隆

○隆のバイト仲間の新聞少年

〇長屋居住の少女  ・・・・・・・・・・・・・・・白石冬美

〇吉丸金融の専務・伊藤誠

〇伊藤の妻・とし子

○伊藤の隣家の夫人・米川

〇吉丸金融の課長

〇吉丸金融の女事務員

〇富士自動車販売店の社長

〇富士自動車販売店の女事務員

〇金丸石油の社員

〇龍自動車工業(修理店)の工場長

〇龍自動車工業の見習修理工・本山

〇本山の恋人のウエイトレス

〇本山の郷里の先輩・布田勝次・・・・・・・・・・永山一夫

〇労働基準監督署の担当者

〇港区職業安定所の職員(2人)

〇中目黒の有田荘の女管理人

〇バーRURUのホステス・高松芳子・・・・・・・・八代万智子

〇芳子の夫・哲三

 

 

「急報を受けた特捜隊・立石班は、朝もやを衝いて文京区菊坂町の現場に急行したが・・・」(ナレーションから、訂正無しで抜粋)

長屋に居住の新聞少年・隆が発見したという、血まみれの男の死体は見つからず、隆から話を聞いて一緒に通報した長屋の大家も首を傾げるばかりだった。

しかし、立石主任は血痕を発見、橘は乾き具合から約1時間前のものと判断。鑑察医も、現場の坂上の手摺から、血痕とボタンを発見したことで、立石主任は坂上から落とされた可能性を考える。

 

とそこに、隆のバイト仲間の新聞少年が、文京区富坂町の伊藤家で死体を発見したと駆けつける。立石班は、併せて伊藤家の捜査を行なうが、室内は荒らされ夫人のとし子が、鈍器で後頭部を殴打、撲殺されていた。また、入口はこじ開けられた形跡は無く、窓その他の箇所は施錠され、手袋をしていたのか犯人らしき指紋は見当たらなかった。さらに調べると、吠えられないようにしたのか飼い犬も撲殺されており、その後に家に侵入したと見受けられ、飼い犬の下から油の匂いがする「MTマーク」付の軍手も発見、ガレージに自動車も見当らなかった。

聞きこみでは、伊藤家の隣の米川夫人から、伊藤は丸ノ内にある吉丸金融の専務で、夫婦仲は良いものの、子供がいないせいか時々怒鳴り合いの声が聞こえたということだった。

 

そこで、橘・村上は吉丸金融に聞きこみ、桃井は遺留品・盗難品の確認に動く、立石主任・荒牧は特捜隊本部へ戻り、今までの流れを整理、捜査方針を立てる。

鑑察医の報告から、とし子の血液型はA-MN型、隆の示す現場と坂上の手摺の血液型はO型と判明。そして、とし子の殴打された傷には工業用油の痕跡があり、軍手からは金丸石油製造の工業用自動車オイルが検出されたとの説明も受ける。

これらから立石主任は、軍手に残されたオイルの線、伊藤の行方がわからないことから自動車の線、を併行して捜査する方針を立てる。そして西本・荒牧は、犯人は伊藤の自動車で逃走したのか、それとも伊藤が犯人なのかを考えるのであったが・・・。

 

当作も例により、冒頭に立石班の知らないストーリー(上記本文の前の出来事)が描かれ、大家がある人物に話した「ある言葉」が、上記本文に関連していると視聴者にだけわかる仕組みになっており、刑事コロンボ風を思わせる設定であります。そして、これをいつ立石班が気づくのかと、視聴者側からはやきもきするようでもあり、1964年3月11日の本放送ということから、刑事コロンボの先取りでもあるようです。

また、まずまずの出来であった#120 暗い日曜日【スペシャルセレクション】 の小川貴智雄監督がメガホンをとったこともあり、期待は大きいものがありました。

 

しかしながら、面白かったところは上記本文までにとどまり、以降は観賞していくと首を捻る箇所が目立つのが自分の見立てです。

たとえば

・鑑識医の発見した遺留品

・隆が語った現場での死体の状況

・伊藤家侵入の時系列の流れ

が真相と齟齬、無関係であったり、上記で触れた

・大家のある言葉

が結局、立石班には気づかなかったばかりか、無関係であったり。。。

さらには、特捜隊の宿命の時間の壁というのか、後半の事件の真相が駆け足で進み、文章的説明に終始しています。事件発生の発端となる出来事は映像表現されていますが、現実離れしていること(単純にいえば、いくらのんびりしていた昭和30年代とはいえありえないこと)もあり、なかなか感情移入しにくいところがあります。

 

自分は、脚本・本田明というのは初耳で、調べてみますと当作と特別機動捜査隊(第113回)迷える証言 のみの脚本作品しかありませんでした。どうも、演出云々よりも,構成が整理整頓されていなかった印象であり、脚本を改稿して、天野利彦監督(註・当作の助監督)が演出していたらどうかなという興味は湧きます。それだけ、上記本文(註・開始約17分前後)までの流れは捨てがたいものがありました。

あと、目立つキャスティングでは、後年プレイガールで主演のひとりを演じる八代万智子がおります。プレイガールでのアクション場面は少なく、和服姿の似合う女性を演じていますので、違った一面という点では、見どころのひとつかもしれません。