特別機動捜査隊に関連する作品、映画・Vシネ・テレビドラマ・動画に限定せず、あるいは脚本・監督にこだわらず、主観的に関連性がありそうと判断したものを取りあげました。

 

 

【暴れん坊将軍Ⅴ・・・#16  剣も躍る! 阿波おどり】

*時代劇専門chでは、特番を独立させているため、本来は#17なのを#16としています

 

 

(公開日・本放送日)

1993年8月14日・テレビ朝日放送、制作・テレビ朝日・東映

2012年11月1日・j時代劇専門ch放送の未DVD作品

(脚本)迫間健

(監督)牧口雄二

(出演者)オープニング

徳川吉宗(松平健)、おさい(浅茅陽子)、安次郎(小野ヤスシ)、

お葉(伊藤つかさ)、才三(五代高之)、おちよ(田中綾子)、茜(入江まゆ子)、

大岡忠相(横内正)、常吉(白井滋郎)、源次(真砂皓太)、伊助(斉藤弘勝)、

綱八(嶋広史)、おつる(周栄良美)、田之倉孫兵衛(船越英二)、

辰五郎(北島三郎)

 

(出演者)エンディング

おしの(立原麻衣)、お咲(想野まり)、日下治部(中田浩二)、

叶屋加助(幸田宗丸)、階堂弥八(吉田豊明)、伍平(森章二)、

佐伯一馬(武井三二)、久七(野口貴史)、阿波藩主(大木晤郎)、

茂作(河本忠夫)、丑松(八神辰之介)、佐伯主馬(石井洋充)、

当八(山田良樹)、おしげ(香住美弥子)、鳴門屋清兵衛(西沢利明)

 

 

(特捜隊関連事項)

石原刑事を演じた吉田豊明、三船班の上部にある検事役を2回演じた西沢利明が出演。

 

 

(備考)

・御存知だと思いますが、徳川吉宗は貧乏旗本の三男坊・徳田新之助として、町火消め組・辰五郎宅に居候。知っているのは、辰五郎、大岡越前守忠相、田之倉孫兵衛、お庭番の才三・茜だけという設定です。

 

 

(私的あらすじ)

阿波藩御用達の物産問屋・鳴門屋が大火事になった。当主・清兵衛が娘のおしの、お咲と亡き妻の法事で出かけた夜の出来事だった。おしのは、番頭の伍平の仕業と追及、実際、伍平は鳴門屋の商売敵の叶屋に金百両で、物産を引き渡したうえで付け火だったが、なぜか清兵衛は付け火ではなく、己の煙草の不始末と言い張っていた。

そして、叶屋は阿波藩上屋敷の江戸留守居役・日下治部を訪ね、首尾を報告していた。叶屋は阿波藩御用商人になること、日下は売り上げの折半と、両者の思惑の一致であり、これを拒んだ鳴門屋が犠牲になったのであった。

 

南町奉行所では、火の気の無い物置から火の手が出て、壁に油がしみ込んでいたことから付け火と睨み2カ月間吟味していた。が、清兵衛の証言から押し込め二十日の刑のみにとどめざるを得ず、辰五郎以下め組の面々、そして新之助にも頷けるものではなかった。

 

清兵衛の態度に納得いかないおしのは、阿波藩上屋敷に女中として内偵のための奉公をしていた。懇意の阿波藩武士・佐伯一馬は、確実な証拠を見つけるまでしばらく待てというが、おしのは日下が厠へ立ったあと、部屋に侵入、鳴門屋の物産出納帳を発見、持ち出そうとする。が、障子の外には、阿波藩士官のために用心棒をしている階堂弥八が立っていた・・・。

 

 

(視聴録)

上記は開始10分弱の出来事で、その後、おしのの死体が発見され、身投げと見せかけたものと新之助が看破。それを見ていた階堂は駕籠者2人を使い、隙を見て死体を盗み出し、2人を惨殺。さらに、おしのの行方を問う佐伯の執拗さに、日下が階堂に斬殺命令を下し、切腹に見せかけるなど、時代劇とはいえこれでもかという殺戮が繰り返されます。

実行者が、すべて階堂弥八こと石原刑事こと吉田豊明なのですから、特捜隊が放送終了して16年の当作とはいえ感慨が深い(ちなみに、現在からも見ても25年前の作品です)。なぜに、吉田豊明出演作品として当作を挙げたかというと、調べた限り、最後の映像作品と思われ、自分がたまたま持っているDVD録画作品でもあるからです。

 

顔つきも、石原刑事時代よりもふっくらして、悪役顔が身についている感じで、時代の流れをふと感じます。ふと、日下役の中田浩二にも似ている感もありました(笑)

 

時代劇は勧善懲悪ですから、最終的には暴れん坊将軍の定番通り、屋敷内で「もはやこれまで、こ奴らは上様の名をかたる偽者じゃ、切り捨てえ」の日下の号令のもと、阿波藩武士たちが襲いかかりますが、吉宗、お庭番2人がことごとく片づけ、吉宗の「成敗」の声のもと、日下、叶屋、階堂がお庭番に斬られて一件落着となります。

 

吉田豊明とは別に、当作の隠れた脇役は、番頭・伍平を演じた森章二(アメブロ-2014.8.16が最新-もやられているようです)。叶屋の玄関先での啖呵きりも良い場面ですが、清兵衛宅に赴き清兵衛・お咲・新之助・伍平の演技が、ノーカット・ロングシーンで5分近く続くのが圧巻!これは4人の息、そして撮影スタッフの贅力が無いと出来ない技です。玄関先、土間、座敷をカメラが動き、絶妙のタイミングでの台詞など、好場面です。

同じようなテクニックというか場面は、同じく「暴れん坊将軍Ⅱ  #003  気になるあいつの恋びんた」(脚本・和久田正明、監督・牧口雄二)でも見ることができます。職人同士が揃ったとき、初めてできるものなのでしょう。

 

吉田豊明は1941年生まれで、当作は52歳のときの出演、現在ご健在ならば76歳になります。もう俳優業は引退されているのだと思いますが、代表作というべき特捜隊の特番が東映chでやるようならば、出演してもらいたい1人でもあります。