※ 特別機動捜査隊 まえがき

捜査担当班の詳細については、wiki特捜隊-キャストを参照、また、(本放送)とはNETでの放送、(再放送)とは東映chでの放送を指します。出演者については配役名を略していますが、本文で書くこともあります。なお、出演者をもっと知りたいときは、リスト特捜隊で検索。

また(出演者)は、エンディングで、一列~三列で表示された男優・女優に限定しました。

 

【#579  三船班 ハワイへ飛ぶ】

 

(本放送)1972年12月6日

(再放送)2016年6月16日

(脚本)横山保朗

(監督)田中秀夫

(協力)無し

(協賛)大韓航空、プリンセス カイウラニ ホテル、ふるさとハワイ、

    ダットサンハワイ、ワイキキ免税店

(捜査担当)三船班

鑑察医(仲原新二)、鑑識課員(西郷昭二)、鑑識課員(田川恒夫)、

関根部長刑事(伊沢一郎)、白石刑事(白石鈴雄)、村井刑事(北村晃一)、

石原刑事(吉田豊明)、畑野刑事(宗方勝巳)、三船主任(青木義朗)

 

(出演者)

槙摩耶、渚健二、野村明司、北川陽一郎、金子勝美、塚田正明、高山久、津路清子、

石黒正男、有賀十、ファラ・フィヤー・モエ、三朝礼子、山口秀子、

フィヤー・モエ、空中恒夫、西脇弘孝、簡野典子、中尾彬、白石奈緒美

 

 

(あらすじ・予告篇から) 

※当時のナレーションをそのまま聞き写しています

 

常夏の夢の島ハワイ、祝福された石戸一郎、礼子の新婚旅行。

だが1年後、その背後にとてつもない犯罪が隠されていた。

石戸総合病院工事現場から、白骨死体が発見されたのである。

そして、石戸礼子がハワイ・オアフ島へ失踪・・・、服毒自殺を図る。

何かトリックがある・・・! 三船班はハワイへ飛んだ。

だが、石戸礼子はホノルルの病院にはいなかった。

ワイキキビーチ、パンチボウル、ダイヤモンドヘッドと、

捜索を続ける三船班の捜査をよそに、

東京・ハワイを股に掛けた、大犯罪を目論(モクロ)んだ男の魔の手が、

礼子に忍び寄っているのであった! 

果たして、その狙いは何か!?

次回、「三船班 ハワイに飛ぶ」に御期待ください。

 

 

(備考)

・予告篇の「三船班 ハワイに飛ぶ」は誤りで、「三船班 ハワイへ飛ぶ」が正しい。

・「#570  ホノルル特急 002便」「#579  三船班 ハワイへ飛ぶ」「#588  南海の復讐」は、脚本・監督は異なるも、出演者がおおよそ共通であることから、ハワイロケまとめ撮りと思われる。

・上記の(あらすじ・予告篇から)作成のため、「石戸いちろう」を検証本を参考に、「石戸一郎」と表記しました。

 

 

(視聴録)

 

ハワイの海岸で女が睡眠薬自殺を図り、意識を失った状態で発見された。彼女は石戸礼子(槙摩耶)、石戸総合病院経営の石戸一郎(中尾彬)の妻である。ホノルル警察から照会依頼された特捜隊は石戸邸に赴くも、長年勤めるお手伝い・のぶ子(津路清子)によると、石戸は建設中の病院近くの清水旅館にいるという。其処で石戸は、自身は婿養子の身であり、昨年12月のハワイ旅行で、礼子は3日間行方不明、地元の日系4世トシオ・マサオカ(渚健二)、その母(簡野典子)に意識不明状態で発見されたものの、何があったのか怯えるばかりで精神に異常をきたしていた、と語るのだった。それからの礼子は、自宅で療養してきたが7日前に家出、行方不明であることにも触れる。

 

そんなとき、石戸総合病院の建設用地で白骨死体が発見された。現状では死後1年、性別は男ということしかわからなかったが、遺留品に1662と札のついた鍵が見つかる。それを石戸は、礼子と泊まったプリンセス カイウラニ ホテルのものと指摘、三船主任は真相糾明のポイントはハワイにあると確信。大韓航空に礼子の搭乗状況の確認とともに、支社長(野村明司)が協力を受諾。石戸、三船主任、関根部長刑事、畑野刑事、石原刑事がハワイに向かい、ホノルル空港では、現地の熊内刑事(空中恒夫)、広田刑事(西脇弘孝)が出迎える。

 

そして、礼子と看護婦(三朝礼子?山口秀子?)のいるカピオラニ公園に向かう。が、それよりも早く礼子は中年女(白石奈緒美)と姿をくらましていた・・・。

 

 

事件のポイントがあるので、ある程度曖昧にしなければならない制約を考え、上記の文章と相成りました。(便宜上、昨年12月の礼子失踪事件を第1の事件、今回の礼子自殺未遂事件を第2の事件と呼びますが)第2の事件について、不可解なところが多く、混乱するかもしれないため、検証本あたりの(あらすじ)に従った文章はマズイと考えました。

終わってみれば、第2の事件で、礼子が医師・刑事に書いたメモ内容には追及がされておらず、また、発見されるまでいた場所を抜け出す理由も明らかにされていません。自殺を図ったのだから、これは明らかにされないとバランスが悪いと思います。

ですので、検証本に従った文章だと、ストーリー自体がねじ曲がった形になるきらいがあるので、いつも以上にボカシた文章となりました。

 

また、ラスト近くで三船主任が、「真相追及で見せる証拠」がよくわかりません。これが、本当に真犯人を追及できる物的証拠なのか? ある人物に疑いを向ける材料にはなっても、それを真犯人が仕向けたものであるかという証明にはならず、非常に弱いものだと感じます。

さらに、第1の事件、第2の事件よりも、特捜隊の事件の本丸は、石戸総合病院の建設現場で発見された白骨死体にあります。この白骨死体については、村井刑事が余計な(?)ことを言っているので、範囲をハワイに拡大したとも解釈できますが、直接的には真犯人の蛇足的行為なので、そこに至る思考描写も必要な気がしました。個人的には、ハワイで白骨死体が発見されて、遺留品に三船班出張の要因となるものがあれば足りたとも思います。

 

とはいうものの、ラストまで引っ張る勢いは凄いもので、上記の辻褄が合わない部分も吹っ飛ばすような開始32分以降の展開には驚かされます。見慣れるとどうしても目につく上記の辻褄の合わない部分ですが、初見の方なら勢いでラストまで見れるでしょう。そういった点も含め、ハワイ前作「#570 ホノルル特急 002便」よりは、当作の方が面白く見れるのではないかと思います。ですので。個人的には佳作と評してもいいようにも感じました。

 

(追加)

佳作というには甘いと思われるかもしれませんが、辻褄の合わなさより話の流れが勝っているのが大きいのです。さらに、ハワイ前作での特捜隊とホノルル警察の微妙な関係が、当作では一切垣間見せないところも、集中して鑑賞できた要因ともなっています。再々放送では来年になるでしょうが、ぜひとも2作を比較して見ていただければと思います。

 

しかし、東京篇、ハワイ篇、と分けているものの、ハワイ篇では、田中秀夫班スタッフのほか、天野利彦班スタッフ、さらには「#588  南海の復讐」での吉川一義班スタッフもいたことが予想され、よしんば兼任スタッフであるなら、スタッフ、キャストとも混乱したのではと予想されます。

40年以上前とはいえ、労をねぎらうべきハワイ三部作ではないでしょうか。

また、石原刑事は、ハワイ前作に続いて、現地の方に絡まれる場面を好演(?)これも、続けてみた人は、ニヤリとする場面かもしれません。

 

(2018年1月12日 全面追加)