※ 特別機動捜査隊 まえがき
捜査担当班の詳細については、wiki特捜隊-キャストを参照、また、(本放送)とはNETでの放送、(再放送)とは東映chでの放送を指します。出演者については配役名を略していますが、本文で書くこともあります。なお、出演者をもっと知りたいときは、リスト特捜隊で検索。
また(出演者)は、エンディングで、一列~三列で表示された男優・女優に限定しました。
【#556 若い男と 女の坂道】
(本放送)1972年6月28日
(再放送)2016年3月31日
(脚本)元持栄美
(監督)田中秀夫
(協力)無し
(協賛)無し
(捜査担当)三船班
田中係長(山田禅二)、鑑識課員(田川恒夫)、鑑識課員(西郷昭二)、
関根部長刑事(伊沢一郎)、石原刑事(吉田豊明)、白石刑事(白石鈴雄)、
水木刑事(水木襄)、三船主任(青木義朗)
(出演者)
美樹克彦、小林幸子、瀬川由紀、杉山元、高松大祐、野口元夫、後藤ルミ、
若宮邦夫、亀井三郎、大阪憲、松坂雅治、清水一郎、阿部寿美子、明智十三郎、
久富惟晴
(あらすじ・予告篇から)
※当時のナレーション(=青木義朗)をそのまま聞き写しています
女番長・典子に重くのしかかる、過去の忌まわしい烙印・・・。
この乙女が、生まれて初めて恋をする。
その恋人・玲二と誓い合った再生への道。
折悪く、典子の仲間が引き起こす殺人事件。
特捜隊・三船班の捜査は、典子が女番長であったことを暴く。
身をきる娑婆(シャバ)の風の冷たさ、
エゴと欲望が渦巻く大人の世界、
荒(スサ)び疲れ果て、玲二の願いをよそに、
典子は「勝手にしやがれ!」と、
元の女番長の姿に変貌していくのであった・・・。
次回、特捜隊、「男と女の坂道」に御期待ください。
(備考)
・上記(あらすじ・予告篇から)作成のため、「西野れいじ」を、検証本から、「西野玲二」と表記しました。
・予告篇での告知題名「男と女の坂道」は誤り、「若い男と 女の坂道」が正しい。
・次回予告篇は無し。
・小林幸子の、貴重な(?)下着姿の場面有り。
・女学生=牧れい子とありますが映像では判断不能。後年の牧れいであるかは不明。
(視聴録)
ある零細工場で淡々と仕事をこなす事務員・小泉典子(小林幸子)であったが、受注先の北浦精機渉外部長・池永昌造(明智十三郎)は典子を見るなり、工場長(清水一郎)に解雇するよう命令する。池永は、大阪の高校在学中の娘・昌美(瀬川由紀)を、不良の道に引きずり込んだのは典子だと考えていたからだった。
その池永自身も美人局に引っかかる体たらくだったが、たまたま通りかかった所轄の西野刑事(久富惟晴)、弟・玲二(美樹克彦)に危機を救われる。しかし、池永は翌朝7時30分、吉野公園の池で死体となって発見された。死亡推定時刻は午前0時、死因は鈍器のようなもので殴打されての脳底骨折であった。冷たい池永との対面に、妻(阿部寿美子)は泣き崩れるばかりだったが、娘・昌美の口もきかない冷静な素振りに三船主任は気にかかる。そして、昌美には許婚・こじま弘(杉山元)がいるものの、池永の一方的な取り決めであり、大阪での不良時代の女番長・典子と今でもつきあいがあることも明らかになった。
その典子は玲二と交際しているが、池永殺害の聞きこみで犯人扱いする三船班の態度に心を乱され、さらに玲二の兄・西野刑事の登場に唖然とする。西野は、大阪で父親(野口元夫)を殺人の容疑で逮捕した当人だからである。さらに、池永への美人局が、典子の大阪時代の仲間、中谷清子(後藤ルミ)、辰夫(高松大祐)だと判明、典子は誰も信じられなくなる・・・。
当作は、刑事ドラマとしては?がつくところが多く、最後に帳尻あわせのように証拠を羅列してみたり(凶器についても同様)、容疑者の絞り込みが1つ1つツブしていくのではなく、1点突破でそれも強引すぎるところが見られます。さらに、西野刑事が特捜隊本部を訪れている描写があるのなら、美人局を内偵してる描写が無いと(典子の部屋での出来事と)整合性が取れないなど、田中秀夫監督にしても?がつくところが目立ちます。
しかしながら、キャスティング的には、タイトルロール2番目の小林幸子が典子役を好演、ストーリー云々よりも印象に残る演技を見せてくれたと思います。個人的には、特捜隊での小林幸子は当作が一番好きです。悲しみと喜びの落差、倉庫で玲二を見つめる表情、三船主任の乗る車の中から映る典子の笑顔、どれもこれも印象に残るものばかりです。放送時は18歳、その後「おもいで酒」のヒット(1979年、25歳)で、歌手としてスターダムにのし上がっていくわけですが、もし女優のほうに軸を大きく移していたらと思うこともあります。その後の時代劇ゲスト出演を見ても、決して引けをとらないと思うのですが・・・。ですので、当作はストーリー云々より、キャストを楽しむ要素が大きいと感じました。
また、ゲストに玲二役で美樹克彦が出ていますが、タイトルロールはトップにマーキングされるなど、この当時の勢いを感じさせます。小林幸子とは、1984年に「もしかして part2」でデュエットするなど、これも巡りあわせなのでしょうか。
あと、悲惨な最期を遂げた池永役を演じたのが明智十三郎。新東宝の時代劇スターのイメージが大きいのですが、新東宝倒産後の活躍はどうにも思い出せません。先日、時代劇専門チャンネルの再放送「快傑ライオン丸」で見かけましたが、主役というより御老体の役柄。残念ながら、2002年12月14日に亡くなられています。
(2017年12月18日 全面追加)