※ 特別機動捜査隊 まえがき

捜査担当班の詳細については、wiki特捜隊-キャストを参照、また、(本放送)とはNETでの放送、(再放送)とは東映chでの放送を指します。出演者については配役名を略していますが、本文で書くこともあります。なお、出演者をもっと知りたいときは、リスト特捜隊で検索。

また(出演者)は、エンディングで、一列~三列で表示された男優・女優に限定しました。

 

【#552  奇蹟の女】

 

(本放送)1972年5月31日

(再放送)2016年3月17日

(脚本)元持栄美

(監督)中村経美

(協力)無し

(協賛)無し

(捜査担当)三船班

田中係長(山田禅二)、鑑察医(仲原新二)、鑑識課員(田川恒夫)、

鑑識課員(西郷昭二)、関根部長刑事(伊沢一郎)、鷲見刑事(柴田昌宏)、

白石刑事(白石鈴雄)、石原刑事(吉田豊明)、水木刑事(水木襄)、

三船主任(青木義朗)

 

(出演者)

集三枝子、三枝美恵子、坂口徹、高田裕史、中原功二、関戸純方、花岡菊子、

藤山竜一、杉浦真三雄

 

 

(あらすじ・予告篇から) 

※当時のナレーション(=青木義朗)をそのまま聞き写しています

 

記憶喪失、それは突然襲ってくる過去への決別である。

過去の己の全存在が否定され、

そして突然生まれ出たかのように、宙に浮いてしまう。

真弓は、そんな悲劇を背負った女である。

建設現場で働く伸二と結婚する。

だが彼女が過去、

裕美(ヒロミ)という人妻であったことは伸二は知らない・・・。

結婚したその日から、真弓は命を狙われる。

いや、裕美が狙われたと言った方が、正確かもしれない。

失われた過去に、いったいどんな犯罪があったのだろうか?

果たして、真弓との関係は?

次回の特捜隊、「奇蹟の女」に御期待ください。

 

 

(備考)

・上記(あらすじ・予告篇から)作成のため「遠山しんじ」を、検証本から、「遠山伸二」と表記しました。

・柴田昌宏演じる鷲見(スミ)刑事が、初登場の回。

 

 

(視聴録)

 

三条建設で働く作業員・遠山伸二(杉浦真三雄)と、年配の女将(花岡菊子)が経営する大山食堂で働く真弓(集三枝子)は結婚式をあげ、会社のトラックで新婚旅行に出かけるが何者かに狙撃されトラックは破損してしまう。狙撃現場の近くで発見された死体、成瀬勇一(嵐五郎)の仕業と三船班は判断する。成瀬宅を捜索したところ、成瀬の弟分でAO射撃場に出入りしている戸川光夫(菊地輝夫)が参考人として浮上、成瀬とサングラスの男(中原功二)から5万円の提供を受け、射撃の練習台になったと証言する。

 

そして、三船班は伸二と真弓もマーク、2人は役所に婚姻届を提出するが、真弓の本籍地は出鱈目であったことが明らかになる。また、成瀬殺害で女性からタレコミがあり、自宅に急行するも何者かに首を絞められ気絶した奈々子(三枝美恵子)が発見され、モンタージュで確認したところ、光夫に襲われたと証言した。

さらに、銀行から、埼玉県本村農協で強奪された5千万の一部が入金された情報が入る。その事件とは、深夜に3人組の強盗が埼玉県の本村農協に押し入り、宿直・天知公夫(坂口徹)を殴打して現金5千万を強奪、同時期に天知の妻・裕美(集三枝子の二役)も行方不明になったものであった。その入金元をたどると光夫に辿り着き、三船班は色めき立つが、その光夫は刺殺死体で発見されるのだった・・・。

 

 

当作は、狙撃事件と強盗事件とを並行して描き、そこに記憶喪失の女・真弓をキーパーソンとして位置取りさせ、進行させていくストーリーです。が、いろいろな要素を詰めすぎた感は否めず、各場面の話が尻きれトンボのように終わってしまうところもあり、集中して見ることができませんでした。これは、時間というより辻褄が合わず、光夫と奈々子の接点、奈々子の位置取りはこれでいいのかなという疑問、裕美の幼馴染・浦辺(高田裕史)がラスト10分で唐突に登場しての説明的進行と、どうにも首をかしげる出来でした。

 

特に、衝撃的ラストは常識を打ち破る意味合いも考えているようですが、個人的な好き嫌いもあるので納得しずらいですね。記憶が戻ると不幸になるからと擁護する論調であれば、過去に犯罪を起こしましたが記憶に無いので許してくださいということにもなりかねず、こういうところこそ視聴者の判断にお任せします的ラストのほうが良かったような気がします。また、過去の特捜隊のパターンだったら、記憶が戻ったかどうかは本人しかわからない、何ともいえないラストにしたのでは・・・。

 

二役を演じた集三枝子は、wikiこそ無いものの検索すると、カバーガール出身なようで映画出演もされているようです。ほかのブログになりますが、「僕の横には平凡パンチ」ではよくぞここまで調べたなと、感心するくらいまとめられています。1973年ごろ、イラストレーターの方と結婚され、芸能界はその時引退されたようです。

決して美人とは言い難いですが、コケティッシュな魅力は画面からもあふれ出ており、もしプレイガールにでも出演していたら、新たなる希望が開けていたかもしれず、早すぎる引退は残念でもあります。

 

(2017年12月18日 全面追加)