※ 特別機動捜査隊 まえがき

捜査担当班の詳細については、wiki特捜隊-キャストを参照、また、(本放送)とはNETでの放送、(再放送)とは東映chでの放送を指します。出演者については配役名を略していますが、本文で書くこともあります。なお、出演者をもっと知りたいときは、リスト特捜隊で検索。

また(出演者)は、エンディングで、一列~三列で表示された男優・女優に限定しました。

 

【#542  男子禁制】

 

(本放送)1972年3月22日

(再放送)2016年2月11日

(脚本)佐々木武観

(監督)北村秀敏

(協力)無し

(協賛)無し

(捜査担当)三船班

田中係長(山田禅二)、鑑察医(仲原新二)、鑑識課員(西郷昭二)、

関根部長刑事(伊沢一郎)、石原刑事(吉田豊明)、白石刑事(白石鈴雄)、

水木刑事(水木襄)、畑野刑事(宗方勝巳)、三船主任(青木義朗)

 

(出演者)

久慈あさみ、川口恵子、森烈、後藤ルミ、河崎いち子、建部道子、前川真弓、

森本勝、内山千鶴、小林テル、山口千枝、葛山幸子、片山滉、水沢摩耶、

丹羽あかね、浜田寸躬子、於島鈴子、神田正夫、岡村文子、江見俊太郎、

吉川満子

 

 

(あらすじ・予告篇から)

 ※当時のナレーション(=青木義朗)をそのまま聞き写しています

 

男子禁制・・・。

厳格さを誇るミッションスクールの女子寮で、生徒が殺害された。

厳しさゆえに、却(カエ)って俗人の興味を引くのか

、思わぬ闖入者も現れる。

寮長先生の愛を独占したいと願う娘ごころ・・・。

生徒の死をひたすら神に祈ることで

、心の平衡を保とうとする寮長の姿・・・。

そんな時、友人の死を思いつめ、自殺を企てるいずみ・・・。

1人の生徒の死が、禁断の館にもたらした大きな波紋・・・。

次回、特捜隊、「男子禁制」に御期待ください。

 

 

(備考)

・当作でも「#533 爆弾時代」、「#540 夜の誘惑者」と同様、劇中での特捜隊メンバー(男優名)の表記無し。前作「#541 光と影のブルース」が最後の劇中表記と思われる。

・後に、特撮女優で有名になる大森不二香が、洗濯物を取り込むときに襲われる女生徒役で出演。

 

 

(視聴録)

 

厳しい教育で知られる松鈴学園紫苑寮で、女生徒・富田妙子(後藤ルミ)が階段踊場からの転落死体で発見された。死亡推定時刻は深夜1時、争った形跡かボタンが残されており、服に残された泥・花びらから寮外にいたとも推測される。寮長・きりの勢津子(久慈あさみ)は穏やかな人物で、三船班は寮内捜査を申し出るも、副寮長・くろべ(岡村文子)は男子禁制をタテに立入りを許さない。

 

また、妙子の同級・よしむらいずみ(川口恵子)は勢津子と妙子の接近に嫉妬していたこと、妙子と恋人の画学生(森烈)とが密会した場所までいずみが尾(ツ)けていったこと、事件の起こった深夜0時に寮長室へ謎の男(江見俊太郎)が侵入するも何故か勢津子は無言をつき通していること、さらにサングラスの男・沖口(森本勝)が勢津子を脅迫していたこと、、などが明らかになっていった。

事件の膠着にケリをつけるべく、三船班は婦人警官(山口千枝、葛山幸子)を手配、寮内捜査に乗り出すが、立ち会ったいずみは妙子の日記をそっと抜き取ってしまう。

 

そして、この事件が学園に重大な影響をもたらすことに危惧した教頭(於島鈴子)、保護者代表(丹羽あかね、神田正夫)そして副寮長は会議を招集、勢津子の責任が追及されることになったが、何故か校長(吉川満子)は黙ったままであった・・・。

 

 

当作は抒情的なタイトルではありますが、事件モノの要件は満たしており、昔東京12チャンネル時代の「2時のロードショー」で放映されていた、B級C級のイタリアのジャッロ映画に雰囲気は似ており、そこから残酷描写を無くしたような作品でした。

ただ、器用な北村秀敏監督とは思えない、説明不足のところ、辻褄が合わないところが意外なほど目立ちます。たとえば、謎の男と勢津子との関係があやふや、侵入目的もなぜミッションスクールなのか、いずみと妙子の上下関係が不明確・・・その他ありまして、???が続くところへラストシーンですから、キツネにつままれるような気分でした。特捜隊がラストを飾らないのも、その原因のひとつなのでしょう。

 

前作「#541 光と影のブルース」では称えた北村秀敏監督なのですが、こういう出来になったのは正直わかりません。よくいう、撮影前には作品のコンティニュイティ(コンテ)を練るのですが、当作については不十分だったような気もします。また、撮影が2作続いたからおろそかになったような気もします。

イタリアのジャッロ映画もそれと似たようなところもあるのですが、残酷描写でお茶を濁すこともできるので、気づかないこともままあります。当作は、残酷描写が無いので、より欠点が目立ってしまったのかもしれません。

 

ただ、女子寮の描写ということで、題名の効果もあるのか、退屈することなく「別の興味」をもって見ることも可能ではあります。弘法も筆の誤りということもありますので、北村秀敏監督の次作、「#549  太陽が欲しい」に期待したいところです。

 

(2017年12月18日 全面追加)