※ 特別機動捜査隊 まえがき

捜査担当班の詳細については、wiki特捜隊-キャストを参照、また、(本放送)とはNETでの放送、(再放送)とは東映chでの放送を指します。出演者については配役名を略していますが、本文で書くこともあります。なお、出演者をもっと知りたいときは、リスト特捜隊で検索。

また(出演者)は、エンディングで、一列~三列で表示された男優・女優に限定しました。

 

【#536  可愛い脱走】

 

(本放送)1972年2月9日

(再放送)2016年1月21日

(脚本)横山保朗

(監督)龍伸之介

(協力)無し

(協賛)無し

(捜査担当)三船班

三船班は(備考)を参照。

 

(出演者)

沢久美子、新田信二、寺田誠、水の江じゅん、美船洋子、内山千鶴、松下昌司、

逗子とんぼ、小笠原まりこ、高野ひろみ、西岡慶子、佐々木功

 

 

(あらすじ・予告篇から)

※当時のナレーション(=青木義朗)をそのまま聞き写しています

 

雪国のある孤児院の子供たちが、集団脱走をした。

亡き園長の一人娘・陽子を慕って、

りんご園のトラックに乗りこみ、東京へ向かった。

と、その途中、

凶悪なる殺人事件の犯人にトラックを奪われた子供たちは、

その渦中に巻きこまれた。

一斉にひかれる捜査網!

殺人犯が自分と関係あるとわかって、

愕然(ガクゼン)とする陽子・・・。

陽子を、必死に探し求める子供たち・・・。

陽子と会える日はいつか?

りんご園と殺人事件の関係は?

陽子と犯人の結びつきは何か?

次回、「可愛い脱走」に御期待ください。

 

 

(備考)

・劇中に、特捜隊メンバー(男優名)、三船主任(青木義朗)、畑野刑事(宗方勝巳)、関根部長刑事(伊沢一郎)、水木刑事(水木襄)、石原刑事(吉田豊明)、白石刑事(白石鈴雄)、の表記がされている。

・劇団いろは所属の子供が主体の作品なので、エンディングからそのまま配役名(出演者名)で以下に表記する。

登(入江勝一)、敏男(石井聖孝)、光夫(児玉裕一)、進(山崎亮一)、京子(荒井久仁江)、まゆみ(茂木みゆき)、良子(相沢史子)

 

 

(視聴録)

 

長野県の養護寮・りんごの家では、園長・石黒高子が亡くなってから、職員・にしおか(高野ひろみ)、職員・ごとう(西岡慶子)らが細々運営してきたが、解散の憂き目に会おうとしていた。そんな中、子供たち(男子4人、女子3人)は東京で暮らしている元職員で園長の娘・陽子(沢久美子)に頼るべく、りんごの家を脱走したのだった。そして、出入りの運送業者・広瀬(寺田誠)が東京に出発するトラックの荷台に隠れ、東京到着を待っていた。

また同じころ、東京の東西不動産では、社長・今西たつお(松下昌司)と、部下・石黒こうじ(佐々木功)、新田(新田信二)とが争い、今西がライフルで射殺される事件が発生した。捜査に当たる三船班は、現場の状況、発見された逃走車両から逃走した犯人もケガを負っていると判断、捜査網を絞りこむ。

東京到着後、トラックの荷台の子供たちのうち1人を捕まえた広瀬は、恋人の看護婦・三千代(水の江じゅん)の勤務する竹内医院に向かうのであるが、残された子供たち6人は仲間を救おうと広瀬の行動を監視していた・・・。

 

 

当作は、新生・特捜隊となってから、やや偏り気味の龍伸之介監督が、横山保朗のベテラン脚本のアシストもあり、【第3回再放送】の初期に戻ったような作品になりました。いわゆる3Sが徹底されているかといえば?がつきますが、子供たちが養護寮から脱出する根底の理由を描き出し、さらにハッピーエンドと言い切れない未来への課題も含めて終わらせるなど、個人的にはいろいろうなずきながら見られた作品でありました。

 

これは、東西不動産でモメた理由をやや軽く描いたこと、犯人の逃走経路も簡略にまとめたことで、子供たちの目からみた事件の形式にしたことも、奏功したのだと思います。子供のことになると優しい三船主任も描かれてはいますが、やはり主体は子供たちというスタンスなのか軽いタッチにしています。泣く子と地頭には勝てぬ、とはよく言ったものです(笑)

 

ですので、三船班目当てで見られる人は、物足りなさを覚えられると思います。特に、ラスト近くの畑野刑事の扱いはないだろうということとか、陽子と職員2人の再会はあってもおかしくはないだろうとか、個別的には感じるでしょう。

それでも、監督さんがまだまだ(初見当時)こういう作品と撮れるのだと再認識できたことは大きく、まだまだ捨てたものではないなと感じました。

 

(2017年12月18日 全面追加)