※ 特別機動捜査隊 まえがき

捜査担当班の詳細については、wiki特捜隊-キャストを参照、また、(本放送)とはNETでの放送、(再放送)とは東映chでの放送を指します。出演者については配役名を略していますが、本文で書くこともあります。なお、出演者をもっと知りたいときは、リスト特捜隊で検索。

また(出演者)は、エンディングで、一列~三列で表示された男優・女優に限定しました。

 

【#499  白い殺人者】

 

(本放送)1971年5月26日

(再放送)2015年9月17日

(脚本)小川記正

(監督)中村経美

(協力)警視庁

(協賛)無し

(捜査担当)三船班

西本係長(鈴木志郎)、鑑識課員(上田侑嗣)、関根部長刑事(伊沢一郎)、

山崎刑事(高島新太郎)、石原刑事(吉田豊明)、荒牧刑事(岩上瑛)、

岩井田刑事(滝川潤)、三船主任(青木義朗)

 

(出演者)

六本木誠人、野沢陽子、原田あけみ、剣持伴紀、田島令子、堀川貴美子、守屋俊志、

三谷幸子、舟橋元、清水元

 

 

(あらすじ・予告篇から)

 ※当時のナレーションをそのまま聞き写しています

 

特捜隊の山崎刑事は、サラリーマン殺しの聞き込み中に、

やくざに襲われ大けがをしてしまい、

大事な手がかりを奪われてしまった。

それを知った三船主任は、秘かに捜査を開始した。

山崎刑事を襲ったやくざは囮であり、

その裏には、

あるエリートサラリーマンの出世欲から同僚をも陥れ、

自分の恋人までも犠牲にして顧みないという、

恐ろしい人間性喪失の事実があった・・・。

次回の特別機動捜査隊、「白い殺人者」に御期待ください。

 

 

(備考)

・デビュー間もない田島令子がゲスト出演、「バイオミック・ジェミー」でのリンゼイ・ワグナーの吹き替えで注目されるのは、5年後(1976年)の話。

 

 

(視聴録)

AO商事社員・近藤高男(本多統)が刺殺された事件で、山崎刑事は自分と同じアパートに住むAO商事女子社員・鈴木英子(野沢陽子)から、近藤の手帳の提供を受ける。ところが、暴力団組員らしき男3人からのパウダー殴打攻撃により、山崎刑事は病院送りにされ手帳も奪われてしまった。三船主任は単独で内密に捜査、チンピラ・竹下(ジョー鮫島)、喫茶グリーン勤務・アリサ(篠由紀)、トルコ嬢・とし江(松田英理)への聞き込みから、辻(守屋俊志)、中野(伊東新二)、橋本(朝倉一)の3人を割り出す。

三船主任を欠きながらも関根部長刑事を中心に近藤高男の父・武男(清水元)、母(未詳)、妹・マリ子(原田あけみ)を尋問。事件当日、AO商事専務・佐山(舟橋元)の娘で、高男の婚約者でもある紀久江(堀川貴美子)が、車で近藤を迎えに来たとの情報を得る。さらに、高男の同僚・永井(剣持伴紀)、神田(六本木誠人)の証言から、バー・クレールのホステス・ひろみ(田島令子)にたどり着くが、ひろみこと本名・島本ヒロ子は高男と同じく刺殺体で発見される。

一方、三船主任は3人の男の線を追い、山崎刑事を襲撃した黒幕をあぶり出そうとしていたのだが・・・。

 

これはラスト・水門でのくだりまでは面白い作品です。三船主任と山崎刑事、関根部長刑事以下の特捜隊面々の2方向に分かれての捜査で、最終的には合流してラストの大団円に向かうまでは、小川記正脚本の濃い展開本領発揮でした。ある出来事が有機的に次の出来事に関連しているなど、テンポよくスピーディーに見れました。バー・クレールでの話し合いの場面でも、ヒッチコックではないですが、怪しそうにみえてその実は・・・という映像的な面白さが展開されていました。

 

しかし、細かく見ればホステス・ひろみの発言が矛盾していたり、専務室での太鼓持ち発言は不要だと思ったり、ギクシャクしているところはあります。まあ、ここは許容の範囲と思ってスルーすることもできますが、ラストはどうもいけません。

「悪い奴ほど手が白い」を強調したかった題名でもありラストなんでしょうが、いくらなんでも説明不足すぎます。三船主任も、いつからこの人物をマークしていたのかも明らかにされず、唐突な「happy end」の画面では消化不良もいいところ。

 

これを考えると、小川記正は、本当に映画や2時間ドラマのような長編向きの脚本づくりに慣れているんだということ(この傾向は佐々木武観にもあり、上手く自家薬籠中の物にしているのは横山保朗くらいか?)。当作も、もっと時間をとればより面白かったと思います。

また、特捜隊ではなぜか1話完結にこだわっている感じがします。後番組の特捜最前線では、前・後篇、前・中・後篇にわけてつくられたこともあっただけに残念です。

 

(2017年11月29日 全面追加)