※ 特別機動捜査隊 まえがき

捜査担当班の詳細については、wiki特捜隊-キャストを参照、また、(本放送)とはNETでの放送、(再放送)とは東映chでの放送を指します。出演者については配役名を略していますが、本文で書くこともあります。なお、出演者をもっと知りたいときは、リスト特捜隊で検索。

また(出演者)は、エンディングで、一列~三列で表示された男優・女優に限定しました。

 

【#495  ネオン新宿なみだ町】

 

(本放送)1971年4月28日

(再放送)2015年9月3日

(脚本)西沢治

(監督)田中秀夫

(協力)警視庁

(協賛)無し

(捜査担当)立石班

西本係長(鈴木志郎)、鑑識課員(上田侑嗣)、鑑識課員(新田五郎)、

森田刑事(北原隆)、桃井刑事(轟謙二)、内藤刑事(巽秀太郎)、

橘部長刑事(南川直)、笠原刑事(伊達正三郎)、立石主任(波島進)

 

(出演者)

瞳麗子、新井茂子、明星雅子、松風はる美、中庸介、直木みつ男、向精七、

葉山美樹、堀川和栄、篠田弥生、松田恭子、宗田千恵子、山口千枝、美穂まさ子、

沢井早苗、やまとじゅん、美幌恵子、黒部進、鶴見丈二、三条美紀

 

 

(あらすじ・予告篇から) 

※当時のナレーションをそのまま聞き写しています

 

・・・・(寝床で争う男女、ほどなく女の叫び声)

・・・・(現場検証、男の死体を検分する立石班)

立石   「一般に売られているモルヒネ系の鎮痛剤、死亡時刻は昨日の

      午後4時ごろ、死因は青酸中毒死・・・彼女のほかに真犯人が

      いる可能性は、充分にある!!」

・・・・(夜の街を早歩きする女)

・・・・(電話で話す立石主任)

立石   「あなたは誰です?」

電話先の声「・・・新宿の女よ!」

・・・・(以下、ナレーション)

新宿の女とは誰か? 

自首してきた女、そして電話の女・・・果たして真犯人は!?

勘に頼る立石!

新宿の女たちの生態の前には、

立石班の科学調査も、完全に壁に突き当たるのだった・・・。

次回、「ネオン新宿なみだ町」に御期待ください。

 

 

(備考)

・題名は、美幌恵子(または美幌波子)の歌う「ネオン新宿涙町」からとったもの。

・被害者が、「ヌマザワ」なのか「ヌマダ」なのか聞き取りにくい。

 

 

(視聴録)

新宿のバー・環は、ママ(三条美紀)の手腕もあるのか、旗江(瞳麗子)、則子(明星雅子)、恵子(美幌恵子)ら人気ホステスが揃い、主婦・和子(新井茂子)が面接に来るほどの盛況。そんな中、旗江が、懇意にしている客・沼沢(鶴見丈二)を毒殺したと出頭。直ちに立石班は捜査に当たるが、「新宿の女」と名乗り「旗江は犯人ではない!」という電話を受ける。

捜査陣の大半は旗江犯人説に傾くが、立石主任は別に犯人がいるのではと疑問を持つ。さらに、雑誌記者・飯島(黒部進)の存在も明らかになり、捜査は混沌としてくるのだった。

 

これはエンディングまでは面白い作品でした。F.W.クロフツの某作品を匂わせるトリックかと思わせたり、「#469  絶望の詩」を思わせるような捜査陣の意見の相違(脚本も同じ西沢治であり、「#491  最後の道化師」から間もないこともあり)、どんでん返しの伏線もあったり、かなり見ごたえがありました。さらに、旗江の境遇に同情させるかのような、同僚ホステスの目を通じた描き方も嫌いではありません。

 

ところが、立石主任が別に犯人がいるのではと考えた、ある仮説については論証されることなくエンディングというのは、どうにも納得しがたいところではあります。もちろん、これが真相だからこの仮説は無かったことにすることも可能ですが、それならその仮説を打ち消すシーンをつくってくれればとも思いました。まさか、エンディング前に立石主任と立ち話をする人物が、実は真犯人であるかもしれないという、効果を狙っているとも思えませんが・・・。

 

ですので、仮説打ち消しが無いまま、ラスト3分前、2分前、1分前・・・「おいおい」、田中秀夫監督どうしたんだろう・・・、というのが正直な感想です。この点は、「掲示板特捜隊 5」でも触れられていないようです。ちょっと残念というか惜しい作品です。

 

さて、このあとは三船班の一篇に続いて

#497  人生試験地獄  は藤島班最終話

#498  女の縮図     は立石班最終話

となります。

立石班は1961年から、藤島班は(途中中断があったものの)1963年から活躍してきましたが、1971年をもって終了ということになるわけです。

これを思うと、やはり#450以前の作品を見たいなあという気持ちが強くなります。いくらテレビ創成期とはいえ、10年、8年もやっていたということは、視聴者の支持もあったわけですので、その当時の雰囲気を味わいたいですね。

現状では、「掲示板特捜隊 1-4」や、ネット検索でのあらすじブログでアーカイブ鑑賞なので、再々々放送をしてくれるよう、東映chさんにメッセージを送るしかないのでしょう・・・。

 

(2017年11月25日、全面追加)