※ 特別機動捜査隊 まえがき

捜査担当班の詳細については、wiki特捜隊-キャストを参照、また、(本放送)とはNETでの放送、(再放送)とは東映chでの放送を指します。出演者については配役名を略していますが、本文で書くこともあります。なお、出演者をもっと知りたいときは、リスト特捜隊で検索。

また(出演者)は、エンディングで、一列~三列で表示された男優・女優に限定しました。

 

【#491  最後の道化師】

 

(本放送)1971年3月31日

(再放送)2015年8月20日

(脚本)西沢治

(監督)田中秀夫

(協力)警視庁

(協賛)無し

(捜査担当)三船班

関根部長刑事(伊沢一郎)、西本係長(鈴木志郎)、山崎刑事(高島新太郎)、

三船主任(青木義朗)

 

(出演者)

多々良純、工藤富子、斉藤清憲、蓮川久美、山田禅二、柴田秀勝、武田一彦、

西郷昭二、野本博、榎本良三、川瀬秀司、貝塚みさ子、三田耕作、三好すず、

柴崎治雄、村上不二夫、森山周一郎、河村弘二、河津清三郎

 

 

(あらすじ・予告篇から) 

※当時のナレーションをそのまま聞き写しています

 

暴力団の刃(ヤイバ)の餌食にされた善良な少女、

事件のカギを握っているのは、

かつて一世を風靡していたピエロだった男。

暴力追放、明るい社会をと訴えながら、

その陰で悪事を働く男がいた。

遠い昔への郷愁を胸に、

笑いと涙の仮面の中に怒りと悲しみを秘めて生きる嘆きのピエロと、

特捜隊・三船班の活躍を描く、

次回、「最後の道化師」に御期待ください。

 

 

(備考)

・後に田中係長を演じる山田禅二が、院長役でゲスト出演。

・斉藤清憲は、伴大介(人造人間キカイダー主演)に改名前の芸名。

 

 

(視聴録)

新宿栄町のバー花園店員・しまくらマキ(工藤富子)が刺されて病院に運ばれ、三船班は銭村組組員・くにひろ卓也(斉藤清憲)を連行する。銭村組は株式会社・銭村興業と名乗り善良な市民と謳ってはいるが、実態は社長・銭村(河村弘二)自ら評論家・竜造寺健(河津清三郎)を脅したり、前科六犯・人斬り朝次(森山周一郎)を雇っている。

犯人については、三船主任と関根部長刑事との間で見解が分かれる。そんな折、淀橋署に留置中のサンドイッチマン・相良三平(多々良純)が「血まみれの手をしたのが犯人とは限らない、白い手の殺人者もいる」と騒いだところから、三船班はさらなる捜査の網を広げていく。

 

ストーリーのメインは、三船主任の敵地潜入をアレンジしたところになっており、それはそれで面白い試みでした。ただ個人的には、三船主任と関根部長刑事の相違部分が、ストーリーの核になってくれればと思っていました。

というのが、「#469  絶望の詩」で三船主任と笠原刑事・内藤刑事との対立の際(客観的には三船主任の主張には無理があるのですが)、関根部長刑事は三船主任を信じる立場をとっていたからです。そのときの脚本が西沢治だったので、当作でも引き続き面白い展開を織り込んだのかと思いましたが、スルーされたようなのは少し残念。

 

全体的には、その潜入アレンジ版がどうにも受けつけず、というか、三船主任だから成り立つ、相手が絶対的悪という先入観があるせいか、消化不良に見受けられました。失礼ながら潜入してからの行動が、シャープな切れ味というか、牛刀みたいな捌き方に見えました。

また、特捜隊のレギュラー陣出演が、三船主任、関根部長刑事のほかに、西本係長、山崎刑事だけというのも、物足りなさを感じますね。

田中秀夫監督にしては、期待度が高いせいもあるのですが、前作「#488  青い残酷」に続き、首をかしげる作品でした。

 

(2017年11月25日、全面追加)