※ 特別機動捜査隊 まえがき

捜査担当班の詳細については、wiki特捜隊-キャストを参照、また、(本放送)とはNETでの放送、(再放送)とは東映chでの放送を指します。出演者については配役名を略していますが、本文で書くこともあります。なお、出演者をもっと知りたいときは、リスト特捜隊で検索。

また(出演者)は、エンディングで、一列~三列で表示された男優・女優に限定しました。

 

【#488  青い残酷】

 

(本放送)1971年3月10日

(再放送)2015年8月6日

(脚本)大西信行

(監督)田中秀夫

(協力)警視庁

(協賛)無し

(捜査担当)三船班

西本捜一係長(鈴木志郎)、鑑察医(仲原新二)、鑑識課員(上田侑嗣)、

鑑識課員(新田五郎)、関根部長刑事(伊沢一郎)、岩井田刑事(滝川潤)、

山口刑事(山口暁)、畑野刑事(宗方勝巳)、荒牧刑事(岩上瑛)、

三船主任(青木義朗)

 

(出演者)

キャスティング冒頭に 現代人劇場総出演 の表記あり

石橋蓮司、田所陽子、蟹江敬三、梶原譲二、佐藤道江、吉田潔、佐々倉英雄、

井上博一、豊田紀雄、本田竜彦、加藤真知子、坂口連、真山知子、蜷川幸雄、

和沢昌治、新村礼子、久米明

 

 

(あらすじ・予告篇から)

 ※当時のナレーションをそのまま聞き写しています

 

新宿のあるスナックで、

酔っては「死にたい、死にたい」と言っていた老人が、

陸橋より落とされ殺害された。

事件当夜の被害者(ガイシャ)の後を追って、直ちに捜査は開始された。

一日の疲れをストリップ小屋で発散し、スナックで遊んでいく工員たち・・・。

麻薬を常習しているヒッピーまがいの学生・・・。

決まっていた就職も、その会社が兵器をつくっていることを知って、

辞めてしまった学生・・・。

女を騙しては、生きがいを感じている若者・・・。

毎晩スナックに通う、両親と断絶した息子・・・。

そこには、現代から隔離されようとする、様々な若者の生態があった。

次回、「青い残酷」に御期待ください。

 

 

(備考)

・「現代人劇場」は1967年に蜷川幸雄(2016年5月12日逝去)が結成した劇団、1971年解散。

・今回は、完全ネタバレに近いので、未見の方は注意してください。

 

 

(視聴録)

この当時の代表的若者の、工員・梶山(石橋蓮司)、ヒッピー学生・千田(本田竜彦)、就職辞退の学生・水森(吉田潔)、女から詐取する若者・井川(蟹江敬三)、両親と断絶の学生・小山(梶原譲二)は、マスター(蜷川幸雄)、ウェイトレス・マチ子(田所陽子)で回すスナック・グラナダに通っている。画家・池田(和沢昌治)も常連でもあったが、陸橋からの転落死体で発見された。三船班はグラナダの関係者に目星をつけるものの、決定的な証拠がないこともあり手詰りになる。しかし、関係者が何気に話した言葉から、ついに犯人を指摘するのだった。

 

キャストはその他にも、井川に貢ぐ女に真山知子(プライベートでは蜷川幸雄の細君)、小山の両親に久米明、新村礼子(プライベートでは内田稔の細君)と、何気に豪華です。

脚本は「大岡越前」で名高い大西信行、当時の若者の思想を訴えたかった節もありますが、話がまとめきれず何を訴えたかったのかわかりませんでした。ハチャメチャな若者を描きたいのなら、それこそ「仁義なき戦い・広島死闘篇」のように、山中正治(北大路欣也)と大友勝利(千葉真一)のような好対照な人物を登場させないとわかりにくいと思います。

 

あと、捜査状況がかなり進んでいるところで、とある人物の発言

>しつこいなあ、あんなところから突き落としたんじゃすぐにバレるじゃないか

>よ! あの晩のことは、もう、すっかり話したろう!?

>それに、第一よ、俺には池田の爺なんか殺す動機がないんだぜ、動機が!

>いい加減にしてくれよ!

が事件解決のカギになったようで、証拠も2点ほどあがったようですが、この言葉からなぜ解決へ導かれたのか、再見してもさっぱりわかりませんでした。

 

また、人物を登場させすぎたのか、尻切れトンボ、説明不足となる場面も多いなど、自分にはいつもの特捜隊らしさが感じられませんでした(田中秀夫監督にしては意外な不出来)。

ただ、演劇が好きな方なら、若き日の石橋蓮司、蟹江敬三、蜷川幸雄が見れたことに満足されたかもしれません。

 

(2017年11月25日、全面追加)