※ 特別機動捜査隊 まえがき

捜査担当班の詳細については、wiki特捜隊-キャストを参照、また、(本放送)とはNETでの放送、(再放送)とは東映chでの放送を指します。出演者については配役名を略していますが、本文で書くこともあります。なお、出演者をもっと知りたいときは、リスト特捜隊で検索。

また(出演者)は、エンディングで、一列~三列で表示された男優・女優に限定しました。

 

【#463  黒い遺言状】

 

(本放送)1970年9月16日

(再放送)2015年5月14日

(脚本)小川記正

(監督)吉川一義

(協力)警視庁

(協賛)無し

(捜査担当)藤島班

西本捜一係長(鈴木志郎)、鑑察医(仲原新二)、鑑識課員(上田侑嗣)、

鑑識課員(新田五郎)、関根部長刑事(伊沢一郎)、山崎刑事(高島新太郎)、

山口刑事(山口暁)、笠原刑事(伊達正三郎)、内藤刑事(巽秀太郎)、

藤島主任(中山昭二)

 

(出演者)

吉永倫子、三島史郎、高野ひろみ、守屋俊志、杉義一、新倉博、水沢摩耶、

石垣守一、隼義夫、水城リカ、安藤三男、沢村昌之助、河村久子、高島敏郎、

三田登喜子、小林重四郎

 

 

(あらすじ・予告篇から)※ナレーションをそのまま聞き写しています。

 

莫大な財産を持ちながらも、

色と欲には貪欲なまでに挑む佐々木が、何者かに殺害された。

ゴミ焼却場設置反対派の仕業か!?

事件を目撃したと名乗る謎の男!

夫が、そして父が殺害され悲愁に暮れるはずの邸内で、

ただれきった愛欲が!

佐々木が所持していた遺言状を巡って、すさまじいまでの葛藤が、

複雑な家庭内にドス黒い奔流となって渦を巻く。

死臭に群がるハゲタカのようなヤクザの暗躍! 

痴情か? 

怨恨か?

次回、「黒い遺言状」に御期待ください。

 

 

(備考)

・【第3回再放送】では、脚本・小川記正と監督・吉川一義とのコンビが初登場。

 

 

(視聴録)

上記の(あらすじ・予告篇から)を読むと何やら欲情的なワードが並びますが、要は「#455  金髪と口紅」に似た遺産相続に関わる事件です。強欲な地主・佐々木康次郎(小林重四郎)が殺害されるのですが、誰もが怪しそうな雰囲気を漂わせます。

・殺害事件の目撃者・鉄(安藤三男)

・その弟分・田川(守屋俊志)

・相続人の一人娘・安子(高野ひろみ)

・相続人の内縁の妻・とし江(三田登喜子)

・相続のおこぼれ狙いの、安子の恋人(未詳)、とし江の弟・木元(三島史郎)

・法律事務所の、弁護士・吉原(高島敏郎)、事務員・昭子(吉永倫子)

・佐々木家のお手伝い・きく(河村久子)

・ごみ焼却場としての佐々木の土地転売反対派

・その転売に関心を寄せる組長・岩田(沢村昌之助)

 

当作は、殺害目的が遺産相続か土地転売かに絞れる分、人間関係は複雑に描くことなくスマートに話は展開していきます。開始32分ほどで真相が明らかになってきますが、おそらく脚本も演出もココがヤマ場だとチカラを入れたことでしょう。これは、2つの茶話シーンで、演出らしい演出をしなかったことで、ヤマ場を一層盛り上げるようとする意図がみえます(詳しく書きたいのですが御勘弁)。

 

初見のとき、自分はこの作品は面白いと感じました。ところが再見しますと、その思いは薄れていました。なぜだろう?考えていくと思い当たったのが上記のシーン。盛り上げることを狙って効果は出たものの、その分、犯人に対して同情というか、犯人の真情を共有する気持ちが失せていたのです。そんな「仕草」をとるのは冷酷だからだろうというふうに・・・。

全体を見れば、地主・佐々木には救いようもない欠点ばかりなので、だからこそ犯人には冷酷な仕草をとってほしくなかったこともあります。まあ、この点、特捜隊を見すぎた人間からの目なので、普通に視聴するなら面白い部類だと思いますが。

 

出演者の三田登喜子は大映出身、自分は大河内傳次郎主演「丹下左膳・こけ猿の壺」(1954年)をビデオ鑑賞して萩乃役での彼女が初視聴、か細い感じの女優さんだなと思っていました。ところが、テレビ時代劇「新選組血風録」(1965年)では半狂乱の女主人役を演じるなど、役柄に幅が広がった感があります。特捜隊のメジャーな常連女優の1人です。

 

高野ひろみは、「素浪人 花山大吉」の最終回(1970年12月)のゲストだったことが思い出されます。男優中心の最終回だったこともあり、セリフも少なく扱いも小さいのが逆に目立ち、もったいないなあと思ってました。マイナーながらも特捜隊の常連女優だとわかったのは、その後のことです。ネット検索しても、なかなか見当たりませんので、今どうしているのか気になる女優さんの1人です。

 

(2017年11月21日、全面追加)