”支援”と”ビジネス”の境界線 | ネコのつぶやき

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なっちゃんが通う作業所ではみんなが分担して色々な作業をしています。

ダイレクトメールの封入れ、牛乳パックを使った紙漉き、委託されている軽作業、

押し花、さをり織りなどなど、そしてそれに付随する作業色々。

 

押し花の入った和紙の名刺がステキなのです。

押し花を作る細かい作業もみんな楽し気にしています。

牛乳パックを使って漉いた和紙を使うとワンランクアップの上質な名刺が完成します。

一枚、一枚が手作業なので貼り付けられたお花は全部違います。

 

 

 

 

これほどのクオリティなのに実はお値段が安いのです。安すぎるのです。

以前、デザイナーをしている友達が「もっと高くても十分に売れるのに!」と怒ったこともあります。

その後、私もしつこくアプローチしてやっといくらか値上げしてくださいましたが

まだまだ安すぎると思っております。

 

もちろん、買う方は安い方が嬉しいかもしれませんが

労働対価を考えた時・・・もっと値を上げても良いと私は思うのです。
この細かい作業を黙々と続けている作業所のメンバーさん達の姿を思い浮かべると

なぜ、こんなに安い金額なのかが疑問です。

 

 

ところが、日本独特の慣習なのか? 風潮なのか? 前近代的なのか?

”ハンディキャップを持つ人が作っているから”

”作業所の商品だから”
何だか訳の分からない上から目線を感じてしまうのですが

「作ってるんだったら買ってあげるわ」みたいな感覚を感じてしまうのは

私がひがんでいるから???

 

その手間ひまに見合った金額にしてほしいものですが。。。

それでも、値上げをすると「作業所の商品なのに高すぎる」とクレームが入るってどうよ?

 

 

そんなことをここ何年もモンモンと考えておりまして。

今日、たまたまお話した方から一刀両断のお返事をいただき、少しスッキリしました。

 

「支援とビジネスは違うのよ」

 

 

どこかに「支援」が見え隠れするから適正な値段をつけることができないのです。

きっぱりと「ビジネス」と割り切れば良いのにそれができないのはなぜ?

日本という島国に大昔から染み込んでいる”障害”に対する意識がそうさせるような気がしています。

 

 

 

 

作業所で作っているさをり織りのコースター。

とあるショップでそのお店の他の商品と同じ棚に並べていただけるかもしれません。

ところが、作業所サイドがとても遠慮しておられるのです。

通常の卸値で提示したそうなのですが、ショップの他の商品と比べると安すぎる(笑)

 

これから作戦会議のようですが

「しっかりとしたクオリティなのだから、遠慮せず適切な価格をつけるべき」とオーナーさんは苦笑いしておられます。

 

 

障害者が作ってるから・・・っていう遠慮はいらないよ。

障害者が作ってるけどこのクオリティだよ?って逆に胸を張ってよ。

もちろん、甘えは禁物です。

ビジネスとして流通させたければ、それなりのクオリティは必然的に要求されます。

でも、それがまた作業所のメンバーさん達の励みにもなるんじゃないかな。

 

 

まだまだ意識レベルで日本は遅れています。

以前と比べると障害者の生きる世界は少しは楽になってきたかもしれませんが。

それでも、まだまだ遅れています。

「障害者=何もできない人」って思われてるんだろうなぁ。

 

 

 

時々、作業時間中に用事があって作業所を訪問することがあります。

材料がキレイに並べられたテーブルに向かってメンバーさんが黙々と作業しています。

みんな真剣です。

無駄口をたたくこともなく、よそ見をするでもなく、目の前の作業に没頭しています。

部屋の中は心地よい緊張感で満ちています。

黙っているけど、みんな楽しそうに作業をしています。

 

 

その景色を見るたびに思うことがあります。

日本中の会社や工場やその他の仕事場がこのテンションで仕事をしたら

日本はもっと栄えているかもしれないよ。。。笑

 

作業所のメンバーさん達は世間一般で言えば「障害者」という分類に属していて

誰かのサポートがないと社会生活を送れない人達というレッテルを貼られています。

でもさ・・・「健常者」と言われている人達全員がここまで真面目に仕事に取り組んでいるとは考えにくいのですが。

 

 

 

一生懸命に真面目に作業しているのに、彼らがもらえる工賃はひと月に数千円なのですよ?

小学生のお小遣いの方が多いんじゃない?

「時給1000円のフリーターです~♪」で遊んでいる人達を見たら廻し蹴りしたくなるのは私だけでしょうか。

ものすごい矛盾を感じているのですが、それも「支援」と「ビジネス」の違いなんでしょうね。

 

 

もちろん、支援は必要だし、支援する気持ちも大切にしていかねばなりません。

どこでビジネスとの境界線を引くのか。

どこの作業所も迷っている課題なのかもしれません。

 

今回のさをり織りのコースターがその境界線問題に一矢を報いるものになったらいいな。

 

まだまだ発展途上です。

日本中にある作業所のメンバーさん達が笑顔でお仕事を続けられますように。

ここでも私のできることを考えます。

 

 

 

 

次回の「こどもワクワク食堂」は

2023年9月23日(土)12時~14時

場所 国際交流シェアハウス やどかり

神戸市兵庫区中道通2-2-11
(兵庫警察署南、新開地駅・湊川公園駅より徒歩約10分)
予定変更の場合はFacebook等でお知らせいたします。
カレーを一緒に頂きましょうね。
子供無料、大人500円プラス(お気持ちをお願いいたします)
お米やお菓子などお配りできそうです。エコバックをお持ちください。
 

 

 

 

 

月に一度ではありますが、

いつもの笑顔に会えることを私達も楽しみにしています。

なかなか、ゆっくりとお話ができる状況ではありませんが

「こどもワクワク食堂」はみんなの居場所として活動を続けています。

相談事などありましたら、遠慮なく個人的にご連絡をください。

私の力は微々たるものですが、あらゆるところに連絡を取りまくって対処方法を探します。

自転車で走れる範囲ならばお米を積んで駆けつけますからねっ!!

ダイジョウブ!! 何とかなるから。何とかするから。一人で抱え込まないでくださいよ!

お電話でのお問い合わせは070-5463-8902 まで

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