1977年に出た、Gentle Giant(GG) の、唯一の公式ライブアルバム。
GENTLE GIANT / ジェントル・ジャイアント / PLAYING THE FOOL: THE COMPLETE LIVE EXPERIENCE: 2CD+BLU-RAY
一般に、ロックのライブは、メンバーが少ないため、演奏力のなさがモロにばれる.
ハードロックでは、そもそも演奏力がなく、たとえば、グランドファンク、エンジェル、モットザフープル

あたりのライブでは、失望すらある。

プログレは、スタジオ録音が素晴らしいだけに、さらに落差がある。
多重録音をする音作りをライブで再現するのは不可能であるかた、映像と、大人数の分厚さでごまかす必要があるのだ。
アランパーソンズプロジェクトは、運命の切り札まではライブをやらなかった。ライブは何度かみたがいまいちだった。
 

たとえばピンクフロイドやジェネシスのように、ライブでサポートメンバーを入れて音を整えるグループもある。
ジェネシスは、ガブリエルのあとはドラマーがヴォーカルを兼ねるので、当然にマルチドラムになる。
でも、YESやGGはサポートメンバーを入れない。演奏力が違うのだ。
中でも、GGは演奏力が一段高い。

GGは、完成度が高いプログレロックの中でも、特にライブという点では、とてつもなく完成度が高いのだけど、
それが、今回のATMOS化で、ますます輝いた名盤だ。

オリジナルのLPは2枚組で、見開きのジャケでは、欧州ツァーの各都市が星座のように線で結ばれる図と
ライブアクトの写真が並べられていた。
この2025年版では、ジャケットはオリジナルLPと見開き面の雰囲気は変わっているが、
実は同じ写真素材を使って並べられだけのもの。何も工夫はない。

ただし、写真はオリジナルポジを使ったのだろうか、写真の解像度が高い。
CDは2枚組で、このツァーの未発表音源を加えてリミックスされている。
2chとしても明らかにわかるのはとても音は解像度が上がっている。


それよりも重要なのは、BDがついていて、アトモス化されていることだ。
当然にマルチch化されている。
 

僕は勝手に9.1.6chを勝手に期待したのだが、その点では裏切られた。
フロントワイドchとリアh chから音は出ない。
つまり、9.1.6chではなく、7.1.4chだ。
 

しかし、世の中、11chしか対応できていないアンプが大半であり、これで大多数のユーザは網羅されている。
CDは良い音になっただけが、BDでは音はさらに極めてクリアーであり、素晴らしい。
でも、そんなことではなく、臨場感が3次元的に広がる点で、『ものすごく』素晴らしい。

僕は、このグループのライブは、何度か見たことがある。
全員がマルチプレーヤーで、少しの合間に楽器をとっかえひっかえ演奏したり、
ハーモニーを担当したり、大忙しなのだ。それが、ATOMOS版では手に寄るようにわかる。
まぁ、映像で入っていればよかったのだけど。。。

BDには一応映像は入っていて、もしや、と思って期待してみたのだが、
どうでもいいイメージ映像であった。音と関係はない。

いや、唯一、8曲目、Octpusからの抜粋の冒頭は、
octpusのジャケが出てきてコインの転がる音に合わせて
映像でコインが転がる程度のシンクロはあった。

ところで、ATMOSのマルチchミックスだけど、不思議な感じがある。
普通、こういったライブ収録では、リスナーは観客に囲まれ、
ステージは前面に展開し、全面を中心に音が広がる。後ろや横chから観客の声が入る。

でも、この作品は違う。
ステージを客席から聞くのではなく、ステージ真ん中で聞いているような音の聞かせ方だ。
しかも、フロントch(前方)から観客の拍手が聞こえるのだから、観客席を向いて聞く音である。
つまりGGの一員としてステージに立ち、観客に顔を向けているというイメージをもっているようだ。
おもしろい音像提示だと思った。

特に、On Reflectionは、その感じが最高に出て圧巻だ。
ただし、なぜかドラムスは前方に定位する。
ここまでするなら、後方に定位させてほしかったところ。

まぁ、しかし、楽器に、ハーモニーに、GGのメンバーに、もみくちゃにされるのは凄い。
できる限り大音量で再生したい。

このアルバムには、2nd アルバム Acquiring the Tasteからは、なぜか1曲も選曲されていない。
アルバムジャケットが、肛門をなめているような絵であり評判が悪かった2ndだったので、
選曲を遠慮したのかな?

GG ファンであれば、ぜひBDでATMOS再生を楽しんでほしい。
ルネッサンスのカーネギーホールライブも、ぜひATMOS化を願う。


イマーシブ度 ★★★★☆  7.1.4chとしては満点(9.1.6chではないので、少し減点)