スピーカーのマルチチャネル配置で必ず
出てくる言葉に、ITU-Rというものがある。
正確には、ITU勧告ITU-R BS.775-1 というようだ。
そもそも、勧告だって。
おそらく英語を知らない人が誤訳したのだと思う。
翻訳がいかにもまずい。
勧告というと、忠告、警告という意味合いがある言葉である。
勧告とは、日本ではこんな時につかう。
離党勧告
停船勧告
違反勧告
つまり、上から目線の命令、と捉えるべき言葉である。
言語はRecommendationだから、推奨、と考える方が適切だろう。
このように、そもそも訳からしていいかげんなので、
中身もいい加減ではないかと思った。
内容は、めんどくさいので図はわざわざ掲載しないが、
これを、自社開発の都合の良い方式に合わせて、各社各様、
勝手に方言を出している。
ATMOS(dtsと同じ)
SACD
Auro-3D
日本人の英語は、日本語なまりの英語であり、
それでも立派に通じるのだ。
そこで、方言のおすすめ。
一般社団法人 日本オーディオ協会が発表している、スピーカー配列を
アレンジした調査がある。
https://www.jas-audio.or.jp/network-hometheater/itu-r-speaker
これはおもしろい。
こんなことが書いてある。
一言でまとめるとこうだ。
「あれこれ、スピーカー配列を変えてみて、82サンプルの調査結果
を得た。悪化するケース、変化がわからないケースがある」
結果だけ、僕のことばで意訳するとこうなる。
「リアスピーカーは、少し高い位置でも、どうせわからないので問題ない。
また、Frと10%程度距離がずれても問題はない。
ただし、真横に置くと臨場感が低下する。
センタースピーカーは、20°以内であれば、
どうせわからないので問題ない
」
これを参考に、自分でもやってみて、自分の耳を信じてアレンジすると、
設置自由度が上がるはずだ。
自分の装置なのだ。自由に使ってよいのである。
と、今まではそう思い込んでいた。
Aurp-3Dだけは、どうも違う。
正しい配置で一度試してみると、やっぱり、正しい配置が
良い結果をもたらしている。
完全に準拠するのは不可能なのだけれど。
最後は、英語はクィーンズを学べということか。