KORGが、live extreamを行っている。

特に、6月にすでに収録したNHKホールのイベントを8月16日から有料配信される。
上原ひろみも登場する。Auro-3Dのフルch(13.1ch)でも配信されるという。

ここからが、問題。

Auro-3Dで受信するには、難題が待ち構えている。

配信シグナルは、PCM7.1chであり、その中にAuro-3Dの信号を入れ込んでいるのだが、なかなか、13.1chでの再生にたどり着かないのだ。

原因は5つある。

1つめ、配信側が指示するPC環境設定。
Korgのサイトには、設定方法が書いている。
https://www.live-extreme.net/auro3d-win

windows10での設定なので、windows11とは異なる。

この説明だけで、いっぱつで再生できる人は半数程度と思う。

あとの半数は、脱落するか、
迷路に入るか、
どちらかである。

脱落したら、この配信サービスとは無縁になるだけだ。
(このサービスが破綻すると残念なので、わざわざ解決方法を文字に起こしたのだ)

迷路に入ると、次々に問題が出てくる。

2つめ、アンプの操作
 Auro-3Dのシグナルは、dtsという殻の中に入っているものと思っていたのだが、
これはBDの場合であって、配信はdtsの殻は使えないらしく、PCMの殻に入れる。
今回初めて知った。

これは重要な情報で、したがって、それを理解してアンプを操作する必要がある。
でも、どこにも書いていない。

僕の場合は、DENONだが、メーカーのサポートセンターに聞いても、
PCM信号の中にAuro-3Dが入っていても再生できない、
と返事された。

3つめ、当事社からの無責任ある回答
 Korgに、(これこれをやってもdenonでは再生できないが)と報告をしても、
Korgではマランツで動作確認しているので、DENON固有の問題である、と
返事されて、一蹴されて終わった。 

 この配信が失敗して困るのは、DENONではなくKORGなんですけどー。


4つめ、個人のPCスキル
 パソコンを特殊な設定で使う以上、問題解決にはハイレベルな知識は必須である。
今回、あれこれ合計5台ものPCと3つのグラフィックスボードを試した。

こんなことをやらされるとはトホホ。めちゃくちゃな迷路である。

 

5つめ、Goalがどこにあるか

 Auro-3Dは、どのような音声であれ、Auro-3Dに変換して13.1chで再生するという

Auromaticと呼ばれる凄い技術がある。

 これもまた、Auro-3Dだ。ネイティブなAuro-3D信号を再生した時も同じAuro-3D

である。

 両者の区別を行えないと、正解にたどり着かない。PCMをAuromaticで13.1ch化したものを、

(真のAuro-3Dとまちがえて)そのまま聞いてしまう可能性があるのだ。

 

 本物のフランス料理の写真と、ロウ細工で作った写真の区別が難しいことと似ている。
AVアンプ側で何を表示させたらGoal(Auro-3Dのネイティブ13.1chデコード)か,これは重要だ。

 

 so what ?

 

結局、僕自身いろいろ試してAuro-3D友の会の(素晴らしいメンバーの)知恵も借りて

解決に至ったので、せっかくなので、ここに記録しておきたい。


1 PCの環境

正しいAuro-3Dでの受信は、KorgのPC環境に加えて、以下を注意すること。

(1) ディスプレイ解像度は2k以下にする
  安いnotePCが良い。
 4kが常識のdesktopではうまくいかなかった。
  ということは、この配信では4k動画はAuro-3Dで受けられないのではないか。

(2) 高級なグラボはだめ
 高級なグラボをDENONに直接HDMIでつなげると、アンプの出力解像度がVGA(640x480)に落ちる。
その瞬間、すべての操作が画面からできなくなる。
Nvideaでいうと、RTX40シリーズ、30シリーズはだめだった。

理由は不明。
(DENONなんて、しらねーぜ。怪しいからVGAにしておくぜ)
とグラボ側が思うのかもしれない。

2 HDMIケーブルの長さ
 ケーブルは、HDMI 2.1対応だけではダメ、1mのものは皆失敗した。80cm以下で成功

3 アンプ側のHDMI入力にも依存する(かも)
我が家では、HDMIportによって結果が異なった。
 DENON AVC-A1Hでは 背面向かって右(No7)から試して右から4番目(ちょうど真ん中のport)
 Game1で成功。アースから一番近いのかもしれない。


4 アンプの操作。最初はPCMで受ける
DENONのアンプでは仕様上portごとに前回のフォーマットを覚えている。
それはリモコンの赤ボタンで変更できるが、最初からAuro-3Dにしておくと

PCMの殻からAuro-3Dの信号を取り出せない。

 だから、まずは、stereo (あるいはPCM multi)で受けてPCMの入力で音が出る

ことを確認したうえで、あらためて赤ボタンでAuro-3Dに変更すると、

Auro3Dの信号を認識できた。
これを知らないと、永久にAuro-3D 13.1chに到達できない。

5 Goal 

 AuromaticとネイティブAuro-3Dの区別は、明確にできる。

input信号の情報をみるのだ。デノンマランツであれば、リモコンのinfo、本体のstatus

でわかる。

こんな具合に情報が出る。

 

 

Goalは、これ

input信号にAuro-3D/PCMと出ること (左上のピンク枠)

input信号のch数が13.1chであること(左下のピンク枠)

 

input信号にAuro-3Dの文字がないと、まだ道途中である。

でも、PCMとだけ出る場合でもGoalは間近だ。

4に戻ってトライすると解決する可能性が高い。

 

                      *    *    *
メーカーや配信会社も、このくらいまでブレイクダウンしてくれると、
客としてはありがたいのだが。