マルチチャンネルを構成するスピーカーは、フロントは、LRのほかに、
もう1本、センターというやっかいな存在がある。

リスニングポイントを1点決めて「その位置で必ず」聞く
(このとき、
リスナーは1人に限定される)ばあいに限り、センタースピーカーは必要ない。

センターchは、AVアンプがフロントL/R chに振り分けてくれるので、
なくても問題ない。

しかし、2人以上で聞く場合は、センターSPは必要になる。

2人で映画を見ても中抜けがない音を作るためだ。
 

映画のばあい、一人で見る場合でも、あった方が良い。
センターchがないと、なんとなく、左右の音の移動が不自然なのだ。

ここで問題が発生する。

スクリーンを使う限り、スクリーンの前にセンタースピーカーを置くことは
難しい。

がんばってスクリーンより手前に上下に置く方法はあるけれど、
そんな設置はちょっと考えれば棄却される。

スクリーン手前というのは、普通の部屋では歩く場所であり、不用意に
床にSPなんて設置したら足元が暗い中での部屋の移動に邪魔だ。

では、スクリーンと同じ水平面に上下に置くとどうか。

僕は今、その設置でごまかしている。
Auro-3Dを導入していなかった段階では、これが最適解である。

でも、これではAuro-3Dが要求する設置条件に合致しない。

その条件とはなにか。

1 センタースピーカーは、耳の高さにそろえる。
 Auro-3Dでは、耳より上の高さにスクリーンを設置するという絵が描いてる。
聞く時はこれでよい。


見る時は、こんな感じになるはずだ。


これはやってみればわかるが、つらい

2時間の映画鑑賞後は頚椎のがずれて、首痛を起こす。

毎日こんなことをすると、正常な生活ができなくなる。
 

北欧にはサウナがあるから、毎日サウナに入ると済むのかもしれない。

2 センタースピーカーは、LPから等距離とする
フロントスピーカーを3.5mという適正な距離を保てるばあい、センター
スピーカーも3.5mの距離をとる。しかし、良いスピーカーは、必ず奥行も深い。

この状態を絵にするとこうなる。


 

このとき、スクリーンの横幅は円の半径3.5mと一致する。
 

LRのスピーカーの奥行きが邪魔をして、スクリーンサイズがしょぼくなるのだ。

3.5mの幅はスクリーンの物理サイズなので、実際のスクリーンはもう一回り小さい。

この幅を確保できるということは広い部屋だが、140インチくらいがmaxになる。

かつ、1の条件により、140インチを入れると天井高は3.5m必要になる。

仮に一般的な部屋の2.5m程度しかない部屋では、どんなに部屋が広くても、

100インチ程度が限界サイズとなる。

サウンドをとるか。
ビジョンをとるか。

常人はビジョンを優先するかな。


3 センタースピーカーとセンターハイトSPの仰角は30°を確保すること

これは、スクリーンの高さ1に対して、LPまでの距離は√3=1.73になることを示す。

 

センタースピーカーまで1.73mの距離をとるとき、センターハイトまでは2mの距離になる。

これは小学生でもわかる話だ。
 

あれ、センターSPとセンターハイトは、LPから等距離にならないじゃないか。

結局、非現実的な基準をユーザに押し付けて平気でいるのだから、
どうでもよいルールである、と解釈したい。

普通に考えると、耳から等距離に全SPを配置するのが理想なので、この際、センタースピーカーを無視して
このセンターハイトをLRと等距離に置くのが良いのではないだろうか。

1-3の条件を極力満たすべく、いろいろ考えたところ、良い解があることがわかった。

床があるから、限界がある。

そこで、堀ごたつを作り、その穴にすっぽり入って、聞く。


せっかくだから、お風呂にもしよう。

こんな絵になる。





そう、豪華客船のデッキで、ジャクジーに入って観て聴くのに、Auro-3Dは適しているのである。