(この記事の続きです↓)
カンボジア滞在2日目、夜明けのアンコール・ワット見学からホテルに戻った私たちーー
朝食を済ませてあらためて目指したのは、そのアンコール・ワットの北に位置する巨大な王城、アンコール・トム!
(「アンコール」は「都市、王都」を、「トム」は「大きい」を意味します。ちなみにアンコール・ワットの「ワット」は「寺院」という意味だそうです。)
↑ ツアーでいただいた「アンコール遺跡群略図」
アンコール・ワットとアンコール・トムの位置関係がおわかりになりますか?
近そうに見えて、それぞれがめっちゃ広大なので、車で行っても結構遠いです。σ(^_^;)
↑ 一般的な入場門?である南大門に向かう石橋
この橋には、インド神話の天地創造にあたる「乳海攪拌」(混沌とした海をグルグルかき混ぜることで世界が生み出される?)のあと、不老不死の薬であるアムリタをめぐって神々とそれに対抗するアスラ(阿修羅)の戦いのようすが描かれてるのだそうです。
↑ 巨大な蛇?竜?!(ナーガ)を引っ張り合う「綱引き」をしている神々とアスラ(阿修羅)
橋の欄干がナーガなんですね。
ナーガは本当にどこにでもよく描かれていて、カンボジア人にとって身近な存在なんだな〜と感じさせます。
↑ 神様の頭部が綺麗に切り取られているものが多いんですが、これはタイとの長年にわたる抗争によって奪われてしまったのだそうです。
(カンボジアとタイって、歴史的な対立を通して実は仲が悪い?!というのが、この旅行中に実感された新たな発見でした…・_・; )
↑ ようやく南大門に到着
門の上部には、観音菩薩の優しいお顔が4面に彫られています。
こんなところに、12世紀にこの都市を築いたアンコール朝最盛期の王であるジャワヴァンマン7世が、ヒンドゥー教だけでなく仏教の影響も強く受けていたことがわかりますね。
↑ アンコール・トムの中心に位置するバイヨン寺院
ここにも4面に観音菩薩が描かれていて、その優しい笑み(「クメールの微笑み」と言うそう…)に癒されます…
バイヨン寺院の回廊に描かれた精巧なレリーフの数々…
これらのレリーフから、当時のカンボジア人の服装とか生活様式とかもよくわかるそうです。
カンボジアは、長く続いた内戦や、その後1976年から79年にかけてカンボジアを支配したポル=ポト政権による大虐殺によってその文化や伝統の多くが失われてしまったとされますが、このようなレリーフなどの文化遺産から過去の文化や伝統の掘り起こしや再興が図られているんだそうです。
失うのはたやすく、再び築き上げるのは簡単なことではない…
ふだんは見失いがちな文化や伝統といったものの素晴らしさやその存続といったものについても深く考えさせられた、そんな旅でもありました。
(続く)