アンチゴーヌ | Charming Voice

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舞台 アンチゴーヌ 公式サイト

(演出)栗山民也

(出演)蒼井優 生瀬勝久 梅沢昌代 伊勢佳世 佐藤誓 渋谷謙人 富岡晃一郎 高橋紀恵 塚瀬香名子

 

  1月20日 新国立劇場 小劇場

 

アンチゴーヌ(蒼井)は、反逆者として野ざらしにされていた兄の遺体に弔いの土をかけたことで、捕えられてしまう。
王クレオン(生瀬)は姪であり、一人息子エモン(渋谷)の婚約者である彼女の命を助けるため、土をかけた事実をもみ消す代わりに、遺体を弔うことを止めさせようとする。が彼女は、法に背いても自分を貫こうとする。

 

ただただ凄くて涙が出てきました。

 

 

ギリシャ劇って難しそうと思っていました。

最初に女優さんがストーリーを全て話したんです。結末まで・・・驚きましたが、ストーリーを追うのではなく、登場人物達の感情を中心に観たり、感じたり出来たので、とても良かったです。

 

ステージは十字。セットは王座と普通の椅子。

役者さん達は、とても身近にいて、感情がビシバシ響いてきました。

客席に降りてきたりしてました。蒼井優さんを1mも離れていない所で観ましたよ。息遣いまではっきり聞こえました。それだけで緊張。

自分の信念を貫き、自分の考えを自分の言葉で話すアンチゴーヌ。クレオンは彼女の命を救いたい為、自分の立場と苦しみながら説得をします。もう凄まじい、会話劇。

皆さんの存在感がそれぞれ凄すぎました。

演出の栗山さんが「声の問題は私の中で大きい比重を占める」と仰っている通り、声で演じられている部分も多いと思いました。

台詞が美しく、照明の当て方が美しく、でも会話は激しい。

後半、蒼井さんと生瀬さんの凄く長い2人だけの会話が続きます。その対立を食い入る様に夢中で観ていました。結末は分かっているんだけれど、そうなって欲しくないと最後思いながら涙しながら二人を見つめていました。

蒼井優さん、透明感が半端なかったです。

生瀬さん、白髪(はくはつと読んで下さい)がとても似合っていて素敵。

生瀬さんが座る王座の近くの席だったのでラッキーでした。見とれちゃいました。王という立場なので、自分の感情とは違う道を選ばなければならない苦悩と戦っている姿はとても切なかったです。

 

死に向かうアンチゴーヌ。
でも生命力を感じました。どう生きていくべきなのか、考えさせられる舞台でした。刺激的でした。