利休にたずねよ | Charming Voice

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映画 利休にたずねよ

(監督)田中光敏
(出演)市川海老蔵 中谷美紀 市川團十郎 伊勢谷友介 大森南朋

3,000もの兵に取り囲まれ、雨嵐の雷鳴が辺り一帯に響き渡る中、豊臣秀吉(大森南朋)の命によって切腹しようとする茶人・千利休(市川海老蔵)の姿があった。ついに覚悟を決めて刃を腹に突き立てようとする彼に、利休夫人の宗恩(中谷美紀)は「自分以外の思い人がいたのではないか?」という、かねてから夫に抱いていた疑念をぶつける。その言葉を受けた利休は、10代から今日に至るまでの波瀾万丈な道のりを思い出していく。

利休の崇高なまでに研ぎ澄まされた美意識が、若き日の恋に始まっていたらというお話です。
前半は静かな、後半は情熱的な佇まいを感じさせる映画でした。
なので前半は、少し眠りに落ちそうかも・・・
茶道を通してのおもてなしの数々には唸りました。相手が1番心地よくなるおもてなし、少し怖くなる位です。パンフレットで中谷美紀さんが「あの時代のお茶というのはおもてなしなどと悠長なことは言ってられない政の中心であり、戦に近いようなところもあったのではないか」と言われてまして、成る程と思いました。人の心を良いようにも悪いようにも変化させてしまうもの。それによって生死に関わってくるようなものなんだとね。

利休が美に深く拘っていたのは、若き日に出逢った美よりも、美しいものをずっと探し続けていたのではないかと思っています。見た目だけではない心というか精神の美。そして美を自分のせいで失くしてしまった罰を受けるように、それ以上の美は見つからないのではと思いながら生きていたのかなとも感じました。
海老蔵さんの所作はとても美しいです。
海老蔵さんとお父さん・團十郎さんの最後の共演も、感慨深いですね。
利休の妻・宗恩は、陰で彼を支えた聡明な人物。しかし、煩悩にさいなまれる日々でもあったよう。利休の想い人への嫉妬心。利休が大切に持っていた彼女の形見を最後に割らなかった宗恩には究極の愛を感じます。慎ましい中谷さんのその様がとても美しく見惚れてしまいました。

信長役の伊勢谷さん、とにかくカッコイイの~ それだけ。

南朋さんの秀吉様。良かったです。
藤吉郎、羽柴秀吉、豊臣秀吉を演じ分け、別人です。大森南朋の真骨頂ですよね。
藤吉郎時代が一番好き。南朋さんって意外とすばしっこいんですよ。走って飛び跳ねて可愛くて見ながらウキウキしてしまいました。
信長に追い詰められたところを利休に救われた粥を頂くシーン。圧倒的な彼の存在を感じ、利休に心を委ねていくその様は、演技というか素じゃないのと思わせていたように思います。
利休が切腹したと知らせを受けた時の笑いながらも目には沢山の涙を浮かべていた表情。難しかったと南朋さんは言ってますが、十分伝わるものはありました。嫉妬からくる憎悪。でも彼は利休が好きなのですよ。心の揺れ。凄く感じました。

南朋さんと海老蔵さんの(役柄に対する)温度差、面白かったです。


映画 SPEC 結 漸ノ篇 爻ノ篇

(監督)堤幸彦
(出演)戸田恵梨香 加瀬亮 向井理 大島優子 竜雷太

とにかく、怒ります。全然面白くなかった。前半は良かったのよ。野々村係長大活躍。素敵だったの。
でも後半の当麻とセカイの戦いの部分がつまんない。
しかも瀬文が全然活躍してないしー。
確かに終わり方は美しかった。でもそんなものは要らないです、私。
ちょこちょこ出てくるネタは面白かったですが・・・・残念です。

他に見た映画
 「ペンギン夫婦の作りかた」