「青い鳥」無事終演しました。たくさんの方々に関わっていただき、本当にありがとうございました。まだ11回目の公演という事で、この12年でいったいどれくらいエクストラ公演をやっていたのかと考えてしまいますが、こんな風に劇場でしっかり作るのもいいなと改めて感じました。
 
知人たちからは集大成だったねと言われ、私としても
ヨーロッパやその他であちこち見てきたことが感性を通して演出に伝わっていたような気がしています。
 
客席を対面式にしたり、向こうが全く見えなかったり、アップダウンに加えて作曲してもらい、
さらにキャストと客席の衣装を含めると300着を超えました。
 
 
ずいぶん色々な挑戦をしたなと
終演した今、急にふつふつと沸き起こる
変な感情があります。
はじめから、というか今でもですが、
とてもシンプルなものを想像していたのですが
たくさんのクリエーターの手が加えられ、
結果鮮やかに変身しました。
 
それはそれで良いのでしょう。
 
もうこんな大変な事しないけどね。笑
 
 
チルチルが終演間際に部屋のベッドであちこちを見渡しながら
「なんてきれいなんだ、何もかも輝いて見える、ここは気持ちがいいね」と話すシーンがあります。
 
この感覚は実はものづくりの人ならよく味わっている現象で
多分にもれず、終演した今は全てが輝いて見えてます。
ご飯も美味しい。
 
 
10年以上やっていると進め方が変わってきたり
心持ちにもずいぶん色々な変化があり、
捨てたり諦めたりする勇気を持てるようになりました。
 
そしてより円滑に場当たりを進められる方法をみんなで考えながら
仕込みに向かっていきました。
今回は特にいつものスタッフに支えられた事は
とても大きかったように思います。
 
あるスタッフさんに、
「なぜかみなさん稽古場にくるの早いですね、それに何回もきてくれる…」
とつぶやくと
「こういう時は炎さんが色々やりたがるのをみんな知ってるから」
というようなことを言ってました。
 
ずっと一緒ってありがたいね。
 
そして、サポートしてくれたシルクのメンバーや、
初めてうちに出てくれた方から10年来のお仲間出演者まで
たくさん協力してくれてありがとうございました。
 
 
劇団を始めてしばらくは1人では何もできなくて
稽古場も自分じゃ回せませんでした。
そんな時に仲間を失って、しかし同時に他の仲間に支えられて
一人でなんでもできるようにならないと先がないと思い、
やれない事がないように、一通りのことはできるようにしてきました。
 
でも昨年とあることで入院と手術してから、
生きることについて考えたり、
私は医療で生かされてると思うことが増えてきて、
これ以上自分だけでやると故障するやもと、
少しずつ周りの人と共有して劇団の仕事を他の人に回してみたりして
なんとなくバランスを取り始めました。
 
そんなことを考えながら過ごした一年と、
そして19年最後の「青い鳥」を迎え、
怪我なく、また大きな問題もなく終えられたことに今清々しい気持ちでいっぱいです。
頼れてよかった。
 
ご来場くださった方々、ご協力くださった全ての方々、ありがとうございました。
 
 
「青い鳥」終わった翌朝、
朝起きて立ち上がった瞬間「何か作品作りたいな」でしたので
まだまだ我はいけそうです。
 
ですが少し体と心を甘やかし、
稽古以外で人とご飯食べたり遊びに行ったりもしたいと思っています。
 
後半個人的なお話とシルク活動についてでしたが
また今後ともよろしくお願いいたします。
 
みんなありがとう。
 
良いお年を。
 
(写真:大倉英揮)