狡い人 | シルシルミシルのブログ

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嵐さんと二宮和也担当
二宮さんにはドSで言っちゃいます
嫌いじゃなくて大好きだから

その他もろもろの楽しそうなブログ大好物です
よろしくです!

大宮BL妄想です。

二宮目線となります。






「楽しそうだな」

久しぶりに会った一言目がコレ

あの日俺の誕生日に珍しく連絡があった





こう見えて公私ともいろいろ忙しく、あの人の家に行く事はなかなか出来ずにいた





誕生日後しばらくして






その日は明るいうちに仕事を終え手荷物を携え久しぶりに大野の家に向かう事にした





勝手に玄関の鍵を開け部屋に上がり込むと仁王立ちの大野が睨んでいる




「楽しそうだな」

「何よ?そんな所で、居るなら手伝ってよ」





突っ立って居る大野を退かし、手荷物を下ろしソファーへところがりこんだ



「はぁー疲れた、何か飲みたいんだけど」




不機嫌な様子で冷蔵庫から水を出し手渡す大野

「ほれ、で何だよこの荷物?」




「これ?大野さんへのお土産、地元の名物らしいから

 まぁこう見えて一応義理の息子だからね」




「ふーん、親孝行か」

大野は察したのかそれ以上何も聞かなかった




水を飲み一息つくと

「ねえ俺、そんなに楽しそうに見える?」

「まあな」




「もしかして、YouTube観てくれたんだ?」

「たまたま、たまたま付けたら…」




相変わらず不機嫌な大野の顔をニヤニヤしながら覗きこみ

「ありがとうね」




「いや別に………」

照れる事でも無いのに何となく気まずい様子の大野




「ねえ、夜中にラインくれたじゃん、『早く40才になれって』そのあとのアレ何?」




「何って…」

「あなたの写真あんなにいらないんだけど」




ふざけた顔をした何枚もの自撮り写真を大野は二宮に送り付けていたのだ




「嬉しいだろー笑」

「いや、いらないよ笑」




『写真なんかじゃ触れ合え無いし』

そんな言葉を飲み込んだ時

隣に座っていた大野も



「写真なんかじゃこうやって体温感じる事できねーよな」

そう言うと唐突に首筋から唇が降ってきた



「止めろって」

口ばかりの抵抗をするものの

「止めねー」

と何度も何度も顔周りに唇を押し付けてきた




徐々に口元に近づいて来ると

観念でもしたように自ずから大野の舌を迎えてしまった



「タバコくせーよ」

「止めたんだっけ?」




「うん、一応、赤ん坊も居るし」

「なんだよそれっ」






大野の理性が一気に飛んだ

「俺の前で子供の話すんなっ」

『理屈ではわかっているでもどうしても受け入れる事は出来ない』




大野の言動でそう感じ取った俺は

その鬱鬱とした感情を受け入れそして求め合った




あの人の思いに答える事は出来ない

自分の生活を壊してまでも





それでも大野を求めてしまう俺は





狡い人間なのかも知れない








おしまい