機械時計のOHでしばしば行う歯車の振れ取りという作業がある。
強い衝撃が加わった時計や、前任修理者のミスで時計の歯車はぐにゃりと曲がってしまうことがあるのだ。
時計の歯車といってもピンからキリまであるが、よく振れるのは3番車や4番車といった薄くて弱い車。
今日修理したのはロレのレディース。振れていたのは4番車で、ロレのレディースサイズの4番車は直径8ミリほどの歯車。
厚さは0.4ミリくらい。
そしてこの振れ取り作業がなんとも楽しい。
てかオレだけ??
熟練を要するとても細かくて忍耐のいる作業なんだけど、オレ好きなんだよね。
専用の振れ見機にセットして指で歯車を回転させながらピンセットで振れてる箇所をつまんで修正していく。
これがねー、ただひたすら自分の世界にひたれていいんだよ。
最初は歯車を集中してみてるんだけど、そのうち心ここにあらずの状態になってふわふわと様々な妄想の旅にでる。
ああ甘いもの食べたいな。お団子食べたいな。そうだ、今日の帰りはあの和菓子屋で柏餅とみたらし団子を買ってかえろう、みたいなね。
歯車は一見がたがたでいろんな箇所が曲がってるように見えるけど、たいていは1箇所の歪みが全体を曲げてみせているだけのことが多い。
なのでその原因の1箇所を探し当てて修正してやれば歯車は元の滑らかな回転を取り戻す。
この修正したときの快感がたまんないんだよな~。
時計士なら共感してもらえるはず!!ぜひ共感しよう!
今日もなんだかんだで小一時間いじってたんだけど、ある瞬間にひらめいてその1箇所を修正したとたん!
まるで生まれたままの赤子のようなつるりとした透明感を伴って歯車が清流のように滑らかな回転を始めたんですよ!!
「覚醒した~!!」とでもいわんばかりの回転に、いや「味に目覚めた~」(億泰風に)かな。
とにかく振れをとってあげた後の歯車の気持ちいいくらいの滑らかな回転をみていると心休まるわけですよ。
ああー今日もいい仕事できた。









