壁のすきまからのぞいてごらん
ほら今日も目があったよ
頭につのがはえておなかはなすびのようにふくらんだまがまがしい顔をしたいきもの
ふふふそのおなかにいつもふれたくなるんだ
おなかはとてもふっくらしていて形は米茄子、質感は上質のもち米でねりあげたすこぶるきめの細かい純白の大福餅のよう
そのおなかを潰さないようにゆっくりと蹂躙し、やさしくさすりあげながら持ち上げてやると、ほら、その魔物のような存在はもうぼくのものだ
小気味よくクックククと泣くときもあるよ
彼等だってさみしいんだ
いやよろこんでいるのかもしれない
この退廃しきった世界にはほんとうに稀にしか耽美な感情をもつことはできないけれど、かれらはきっとわらっているんだよ
この腐りきった世界にはびこっているもっとも下等な不要分子はなにかということがぼくたちよりもじゅうぶんによくわかっている
そしてその存在はやがてきっと排除される
彼等がなにもしなくても
金属の迷宮でえいえんに踊るマリオネットもみたよ
彼の背後には肉眼ではよくみえないくらい細い、例えばφ0.08くらいの合金でできた線が幾本も見え隠れしていたよ
その線が不快に奏でるキュッギュ、という音がひびきわたるたびに、彼は目の前にある幾千という真鍮や洋銀といった鈍色にひかる歯車のような部品を何十時間もかけて大きな基盤のような鉄板に根気よく慎重に、飽きることなくならべつづけていったよ
そしてその無数の歯車が重い音をたててゆっくりときしみながら回転をはじめたとき、刻という概念が誕生し、それをみとどけた彼はしずかに消えていったよ
ほら今日も目があったよ
頭につのがはえておなかはなすびのようにふくらんだまがまがしい顔をしたいきもの
ふふふそのおなかにいつもふれたくなるんだ
おなかはとてもふっくらしていて形は米茄子、質感は上質のもち米でねりあげたすこぶるきめの細かい純白の大福餅のよう
そのおなかを潰さないようにゆっくりと蹂躙し、やさしくさすりあげながら持ち上げてやると、ほら、その魔物のような存在はもうぼくのものだ
小気味よくクックククと泣くときもあるよ
彼等だってさみしいんだ
いやよろこんでいるのかもしれない
この退廃しきった世界にはほんとうに稀にしか耽美な感情をもつことはできないけれど、かれらはきっとわらっているんだよ
この腐りきった世界にはびこっているもっとも下等な不要分子はなにかということがぼくたちよりもじゅうぶんによくわかっている
そしてその存在はやがてきっと排除される
彼等がなにもしなくても
金属の迷宮でえいえんに踊るマリオネットもみたよ
彼の背後には肉眼ではよくみえないくらい細い、例えばφ0.08くらいの合金でできた線が幾本も見え隠れしていたよ
その線が不快に奏でるキュッギュ、という音がひびきわたるたびに、彼は目の前にある幾千という真鍮や洋銀といった鈍色にひかる歯車のような部品を何十時間もかけて大きな基盤のような鉄板に根気よく慎重に、飽きることなくならべつづけていったよ
そしてその無数の歯車が重い音をたててゆっくりときしみながら回転をはじめたとき、刻という概念が誕生し、それをみとどけた彼はしずかに消えていったよ