海のない水平線を背に
君のいない地平線を眺めながら
今夜は年賀状を書く
「 赤いソリ 」
ロープをつかんで 赤いソリ
前のめりが後ろめたい
下では私のトナカイが
踊り狂って待っている
隣にトトロはいないのよ
隣にジジはいないのよ
「 テラス 」
そうでもない 言うまでもなく
ああでもない こうでもないと
一滴くらい 残しといて
破れた靴下 空いた所によっては
履き続ける
携帯 割れた画面 ある人にとっては
はつ恋のよう
何も飼ってないんだから
何も飼ってないんだから
「 粧う人 」
パタパタと鏡の前
クルクルと巻いてるのね
セカセカと首傾げたり
コロコロと何をそんなに
明くる日も 明くる日も 粧う人 粧う 瞳で
負け犬はそこで座る
気前だけはいいと思う
拘りは常にある
耳を寝かせて鼻すする
明くる日も 明くる日も 粧う人 粧う女
明くる悲壮 明くる悲壮 粧う人 粧う 瞳で
「 作物 」
この肥料は無料
その小判の代わり
視線を落とすのは
青い革靴 きれいだから