だから私は。
どんなに努力しても。
彼女(彼)達にはなれないことを知っている。
己がただの。
凡人でしかないことを一番分かっている。
『私の心』の一部を切り離した。
そして。
彼女(彼)達になれない責任を。
すべて押し付け。
私は自らの手で。
彼女(彼)達が有する能力が欠損した『私』に。
『ニセモノ』のラベルを貼ってしまったのだ。
嗚呼。
私はなんと愚かで、傲慢なのだろう。
私が。
彼女(彼)達が有する能力を欲したが為に。
その能力が欠損した『私』は。
その瞬間。
『本物』から『ニセモノ』へと。
私自身に堕とされてしまったのだ。
私は、『私の心』の一部に。
蜃気楼のオアシスへと辿り着き。
そこで水を飲み。
腹を満たすことを要求し続けた。
そんな責め苦にも。
『私の心』の一部は。
何ひとつ、文句を言わず。
蜃気楼のオアシスを目指して、歩き続けた。
何故なら。
力尽き、その場に倒れ伏したり。
『もう、無理だ。
蜃気楼のオアシスになんて。
絶対に辿り着ける訳がない!』
そんな言葉を叫んでしまったら。
私は迷わず。
『私の心』の一部を、処分するのだから……
<続>