京アニ犯人に死刑 | しかまち心療内科のブログ

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精神科の記事は一応専門として書いていますが、政治経済は素人ですので趣味で書いています。

京都地裁で死刑の判決が出た。まだこれから高裁、最高裁と行くのかもしれないけど。

心神耗弱状態では減刑、心神喪失状態では無罪と決めてある。統合失調症などで幻覚妄想状態での犯行であれば罪に問われないということだ。神様のお告げがあったから殺しました、みたいな感じ。アルコールでもそうで酔っぱらって後で記憶もないような状態での犯行は無罪になる。

皆さんはどう思われますか?私は昔からおかしいと思っています。

殺人を犯す人と犯さない人には差があると思う。それと同様に患者さんでも人を殺す患者さんと殺さない患者さんには差があるんです。普通の人はそんなことしない。やるのはそれなりの人だ。人を殺すアル中も同様。

交通事故などでは過失がほぼなかったにしても死人が出たりすると罪を問われる。結果責任か。病気でも結果人を殺してしまえば結果責任があると思う。病気だったから、というのは言い訳にならないと思う。

無罪になると精神病院に来る。退院は担当医の判断次第になる。症状がなくなったからと言えば翌日退院もありうる。私たち精神科医は殺人犯の処遇を行わなければならない。たまたま入院した人の隣にこういった殺人犯がいる可能性があるのだ。私の担当した患者さんは隣の殺人犯が怖いとぼやいていた。当然患者さんにはお隣さんに殺人の既往があることは知らされていない。転勤して数か月後にその人はお隣さんから殺されてしまった。私は当時3年目でしたが強く責任を感じた。今だったら防げたかもしれないなどと思う。一般の医療と殺人犯の処遇を同じ病棟で行うのは問題がある。見るのが大変だからすぐ退院させる精神科医もいる。でも私はそれを責めきれない。法の不備だと思う。殺人犯を一般病棟で見ろと言われても困る。責任感から退院させなくてもこのように被害者が出る。現在、こういった犯罪者は別の病棟にするよう多少なっているがマストではない。

最近では凶悪な犯罪の場合、明らかに心神喪失の状態であっても死刑になっている。鑑定して心神喪失ぽくても社会的に無罪にできなくなっているのだ。今回も青葉被告は闇の人物が自分の作品を盗用し、落選させるよう指示してきた、という。普通に考えると心神喪失か、ならなくても耗弱にはなると思う。これが現在の法律だ。しかし、犠牲者数からとても無罪にはできない。法律ではなく市民感情からの判決だ。法律を変えるべきだ。