トンビ my love | しかまち心療内科のブログ

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精神科の記事は一応専門として書いていますが、政治経済は素人ですので趣味で書いています。

 トンビは昔から身近にいた。それを変えたのは離島での体験である。誰もいない広い公園で弁当を食べたとき、子供が箸でおかずをつかんでいると、それをどこからか滑空してきてズバーンと箸から奪い去っていくのである。大人には来なかったが、それはものすごく近い。ぶつかったら胸に穴が開くんじゃないかと思うくらい怖かった。それくらい勢いがあった。どうりで地元の人が来ないはずだ。

それから20年後、家を建てた。山の谷間で土地は馬鹿に広いが使えるところは少ない。一度家の庭でフクロウみたいな置物があるのかとみてたら本物でびっくりした。ホーホーとまるでフクロウみたいな鳴き声が聞こえるなあと前から思っていたら本物だった。

また、トンビの巣があるのが分かった。巣は見えないけどそこから出入りしているのでわかる。餌をやりたくなった。子どもからは野生動物にエサをやったらダメ、と叱られた。でもやめません。最初は真子の煮つけをブロック塀の上においてみた。近くで見ていたが何回も何回も旋回して真子を視認して確認する。30分くらいしてようやく取った。感激した。しかし食べないで近くの崖の上に止まって、しれーとしている。よく見ると連れ合いが上空を飛んでいた。この時のトンビの表情は笑えた。連れ合いがいなくなったらがつがつと食べ始めた。真子は好きなようだ。トンビは共同生活が苦手で一匹狼みたいな感じなんですかね。

 

それから片割れは私のエサ台から持っていくようになった。数か月後、山の中から雛の声が。卵がかえったようだ。餌を取りによく来るようになった。子供のそばで安全に得られるからいいんだろう。1か月ほどたつと雛が私を認識するようになった。外に出るとピーピーなくのだ。私から雛は見えない。大体巣のある場所はわかる。私を餌をくれる人と分かっているようだった。また2か月くらいすると雛は飛ぶようになった。慣れたようでも私のエサはなかなか取れなかった。多分怖いのだ。警戒心が強い。でも少しづつ取るようになってきた。うれしい。子供を育てている気分。実の子供からは相手にされないので癒される。また1か月くらいすると親の多分慣れてた方が急にいなくなった。子供がえさを取ろうよとピーピーなくと、残った親が制止して取らせない。私のせいで連れがいなくなったと思ったのか。毒でも盛られたと思ったのか。子供が巣立ちをすると親も子もいなくなった。全く来なくなった。親はうちの巣を放棄したようだ。深い喪失感のまま1年が過ぎた。

 

その頃小さいトンビがたまに来た。餌をやると確認に来るがもっていかない。そのまま置きっぱなしにすると2日目にもっていった。用心深い。その後ちょくちょく持っていくようになった。慣れている。多分うちで育った子供だ。そのうち連れ合いができた。うちのトンビはオスで連れになったのがメスのようだ。身体の大きさと振る舞いでなんとなくわかる。

トンビは40年ほど生きるそうだ。狩りが苦手で死体を食べるので猛禽類の中でなんとなく下の扱いをされるらしい。

カップルができてもメスの身体がまだ小さくて卵を生むことはできないようだ。こいつらは飯を食うのもうちの電信柱の上、子作りもそこ。巣でやってくれと言いたくなる。メスが声でるんですよね。

トンビには味覚がないんじゃないかと思ってしまう。腐って何日もたって腐敗したものでも食べている。陸のハイエナか。塩辛いやつ、ピリ辛、しょうゆの煮付け、全く問題なし。素材の内容で決まる。私は最近いかのさしみが好きでよく食べている。昔は嫌いだった。55を過ぎていかに目覚める。ところがこいつらはいかを食わない。うまいじゃないか。私は、切り身は高いので一匹買ってさばいて食べる。うちの奥さんは魚は嫌がるがイカはOKだ。私でもさばける。頭(?上の部分)の柔らかいところをはさみで切る。開いて頭?から足をもって目玉のところを引きはがす。頭?から薄い骨をはぐ。イカスミがあるがこれは私は洗わない。これで身だけになる。下の部分から足(げそ)を切り取る。後は適当に切って完成だ。細かく切って冷酒と最高だ。イカの甘みとイカ墨の濃厚さ、これを合わせて食べる。こんなにうまいのに、イカの目玉辺りをトンビにやると、こいつらは食わないのだ。

 

トンビと過ごすようになって3シーズン頃になる。冬にやってきて夏にはいなくなる。オスは丸々と太りメスは体が小さい。オスはメスに餌を見張らせて自分だけ食べてしまう。メスが取ろうとすると怒る。これではメスは大きくならないし、卵も産めないだろう。私はメスがいる時を見計らって餌をやることにした。ところが持っていかない。オスが来るまでひたすら待つ。私の意図をオスは察したようでメスを立たせといて餌をやるとどこからか飛んできて持って行ってしまう。ずるい。オスは多分ウチで育った子供だ。そんな子に育てた覚えはないぞと、独り言を言う。

その反面、いつでも持っていくかというとそうでもなく、餌を見ながら取らずにそのまま立ち去るということが多くなった。何を考えているのかよくわかりません。

 

2021.4.6

メスは餌のとり方が上品でこぼさないようにそっとすくう。食べるときもあまりこぼさない。女子だなあと思う。オスは取るのが乱暴で少々こぼれても気にしない。エコじゃないですね。食べる時もガツガツかじってこぼれても気にしない。オスはウチで生まれたという気持ちはあるが、なんかあまり好きになれない。メスはかわいそうだなあと思いながら応援している。でもフンをするときはしっぽを高く上げてフンをなるべく遠くに飛ばそうとする。それを見ると女子じゃないなあと思ってしまう。

トンビのつがいはずっと同じようだ。うちは3年くらい変わっていない。見ても違いは分からないが仕草などでなんとなく同じ個体だとわかる。人間よりも夫婦関係はしっかりしているように見える。しかしオスはDVですね。

縄張りは基本親のもののようです。うちは親が放棄したため後から子供が入ってきたと思います。巣立ちをすると親の縄張りから離れてどこか別の場所を見つける必要があります。故にトンビは1匹か、子育てするときにつがいで2匹になるだけのようです。カラスは一族なのかたくさんでコミュニティを作るようです。トンビを飼いだしてからうちにはカラスが来なくなりました。番犬ではなく番トンビですね。さしではトンビが強いんでしょうけど、カラスは集団で対応するのでトンビはしばしば劣勢になります。まれにトンビの巣を襲うカラスもいました。

 

6月20日

ついに禁断を破ってしまった。餌を買ってしまったんです。マイルールでトンビのえさに金をかけてはいけないと決めていました。0円食堂です。でも最近餌をよく持っていくものだから、やるものがなくなりました。そしてつい金を使ってしまったんです。冷凍のミートボール。まあまあって感じでもっていきます。鶏肉。200円で6切れとか安いのを買った。これがものすごく食いつきがいい。トンビも腐ったのを好きで食べてるわけじゃなさそうで、新鮮なものが好きなようです。小あじ。8匹で200円くらい。これもすぐ持って行った。カツオの刺身。まだ人間でも食べれそうな鮮度だったけど、食いつき悪い。味がいまいちだったからトンビ行きになったんですが。イカとカツオは食べない。かまぼこも食べない。贅沢。理由がわからない。

 

2022.2.1

段々贅沢になって魚は食いつきが悪くなってきた。一度カビにまみれた鯖の煮つけを出すと、その翌日から、ぱったり来なくなった。なめるなよ、といった感じでしょうか。

3か月くらいしてから時々来るようになりました。カビの恨みが3か月続いたということでしょう。ハーブ入り白ソーセージを出すと持っていかない。後で電柱の下に落ちていたそのソーセージをうちの犬が喜んで食べました。子供から叱られました。とりあえず持っていったけど、食うに値せずと思って落としたんでしょう。(古くて捨てる予定だったものです)

鳥の生肉などはすぐに持っていきます。贅沢。

 

この日、ついに恐れていた時が来てしまった。いつもはトンビの食材は冷凍しており、それをそのままあげていた。本日も寒く、情がわいた私はサバの冷凍塊をレンジしてあげた。いつもは食べに来ないのにこの時は秒殺で取りに来た。

ところが、3羽目のトンビが舞い降りてきたのだ。トンビを飼い出して5シーズン目くらいになるがトンビたちは他のトンビに見つからないよう細心の注意を払ってきた。カラスは知っていたがトンビにはバレずにいた。それがばれてしまった。あっという間に7羽くらいのトンビが上空を旋回し、餌を取っていった。私はトンビとカラスの区別はついてもトンビとトンビの区別はつかない。と思う。明日からどうなるのかと思う。カラスはトンビを警戒して好き勝手はできなかった。トンビが食べないソーセージがあっても取っていかなかった。トンビはトンビに遠慮はしない。うちのトンビももちろん状況はわかっており、2羽で並んでとまっていた。これからもよろしくお願いします、とでも言いたげな感じだ。これまでの横着な感じが今日はなかった。

 

2月3日

その翌日の朝、予想通り2羽並んでとまっていた。エサ台に1つづつ乗せるとすぐに持っていった。他のトンビが来ないうちに早く取りたいんだろう。エサ取りがまじめになった。謙虚になった感じ。オスはメスに餌を取らないよう威嚇していたがそれがなくなった。よそのトンビに取られるくらいなら連れ合いに食われた方がまし、といった感じか。かえってよかったのかもしれない。

思うにこれまでは冷凍のまま与えていた。野生だからそれくらい対処するだろう、と。初めてレンチンした餌は寒い冬の中での温かい食事、感動したのかもしれない。故に他のトンビへの警戒がおろそかになり見つかってしまったのではないか。

トンビは日曜日には来ない。トンビにも日曜はあるかと笑ったが、たぶん根拠があると思う。平日は私が起きて活動する時間がほぼ決まっている。その時間に合わせてきているのだろう。日曜は活動する時間が不規則になる。故に待つ効率が悪くなるのだ。それより外へエサ取りに行った方がいいと思っているのではないだろうか。

 

2023.10.15オスからメスへの虐待

メスはよく立ちんぼをさせられる。餌を置いても持っていかない。黙ってオスが来るのを待っている。先に食べてるとオスが来ると攻撃されて悲鳴を上げる。2時間でも3時間でも。こういう行動するからには言うこと聞かないと相当ひどい目にあっているんだろう。飯を食わせない夫とは相当ひどい。だからメスはなかなか身体が大きくならない。オスは丸々肥え太っていく。しかし、オスは浮気をしないのだ。いつも2羽は一緒だ。

7歳くらいになるがオスの体もまだ親より小さい。寿命が40歳というのは理解できる。

 

トンビはバカだ。うちのえさ場を知ったトンビたちはその後全く来なかった。カラスたちは最近横着になって集団でトンビに対抗しようとする。私が外に出るとかーかー鳴き始め、来たぞと仲間に合図を送る。餌場の周囲の木に隠れて構えている。そういう時はタイミングを外してえさは出さない。腹から声を出してカラスを威嚇して追い出す。トンビに、お前らがやれよと言いたくなる。あいつらは見ているだけ。

 

2024.4.17

もう8年、8歳くらいになる。1歳でつがいができ、そのあとはずっと同じ相手だ。飯を食わせず、交尾を無理強い、しかし浮気はせずに奥さん一筋。人間の雄とどっちがいいですか?

この2週間オスを見なくなった。

 

2024.4.22

オスがいない間メスは自由にえさを持っていくようになった。こちらに少し近づいてきた。それはいいけど、オスはどうなったのか。うちの奥さんは、「愛人のところに行ったんやろ」と私をにらみながら言う。あいつのせいで責められてしまう。しかし、それはないと思う。餌場があるからここはいいとこなんです。浮気をしたらメスを追い出して自分が残るでしょう。そんなこと考えてたら急にオスが現れた。餌をとってたメスに乱暴して追い出す。メスが悲しそうに鳴く。その日からまたメスは立ちんぼして餌をもっていかなくなりました。あまり良くないエサは持って行ったりしますが、肉とか刺身の柵とか上物は持っていきません。きっとオスからやられるんでしょう。オスがいない間は自由に持って行ってました。メスは体が小さくて待望の子供はまだ無理そうです。

 

2024.5.11

メスがいると思って餌を上げてたらガンガン持っていく。私が置くより前に上空にきて離れた瞬間にバサッと取っていく。1mくらいか。トンビが近く飛ぶと衝撃波じゃないけど鋭い風がぴゅっときます。エサをがんとつかんで、餌台の箱を跳ね上げてしまった。これはオスだ。メスが立ちんぼして餌もらっていたからまねたのだ。メスを近寄らせていない。オスメスはわかるときもあるけど離れたところで単独だと難しい。餌をやらないでいたら今度はメスを招き寄せて2匹になった。刺身を(3日前のやつ)バラバラにしておいた。固めるとオスがとってしまう。するとオスは取りにきてメスは去っていった。メスもいるぞと見せかけただけだったのだ。なんとあざとい。一人で食べてしまった。しばらくオス一人で餌を待ち、くれないからまたメスを呼んで2匹になった。ムカついて文句を言った。「お前いい加減にしろ。少しはそっちにも餌やらんか。もうやらんぞ」腹から声出して説教する。いくらか通じてないか。カラスにはこれで通じます。怒っているのはわかっているように思う。しかし困ったものです、このオスは。

 

 

2024.5.13

罰として2日ほど飯を抜いた。今日見かけたので餌をやるとメスだった。オスが食べるのを許しているということ。音もなくすっととっていく。2つ目置くとオスが参戦。取っていった。その間に3個目置いたらメスがとっていった。オスは見ているのに許しているということ。これは俺も説教が効いたのではないか。4つ目置くと置いた瞬間にオスがとっていった。結構びっくりするんです。羽は当たると切れるようにいたい。そのあとはメスを追い出して一人で待ち構える。まあそんなもんだろう。メスに2個は渡せた。オスに再度説教。「おい、いい加減にしろよ。」オスが無視するので繰り返した。家族からうるさいとクレーム来て止めました。おなか使って谷間に響くような発声でやります。