異色という言葉があります。
しかしそもそも
色の組み合わせ(配色)自体
異色同士のものが大半、なのになぜ。
わざわざ”異分子”的な呼び名があるのか。
思うにそれは、ある色同士が
『明らかに毛色が違うから』
ではないでしょうか。
【色のチカラ】をテーマに活動中の
さとい あつこです。
『ハウス オブ グッチ』を観ました。
イタリアファッションブランド「GUCCI(グッチ)」
創業者一族の崩壊が描かれた本作。
豪華キャスト、ストーリー展開はもちろん、
なんせ舞台があのGUCCI。
ファッションや車やインテリア
その完成度の高い
世界観からも目が離せませんでした。
なかでも、興味深かったのは
やはり『色づかい』。
まず会場に入る前の作品ポスター。
こちらがすでに本作の流れを語っています。
使用されているのは
老舗の「信用と信頼」の青色や茶色。
家族経営だからこその「調和」な緑色。
そこに寒色である青色の反対色かつ
緑色の補色に位置する暖色の赤色。
『対極さ』を幾重にも重ねた色を
ガガ扮するパトリツィアが着用することで
彼女の存在を”異分子”として際立たせます。
ちなみに、赤・緑・茶・青。
GUCCIのブランドカラーでもあります。
それをこのポスターでは
ここまで効果的に使えるか!?の配色。
上映前から
作品中の配色への期待が高まります。
映画の中でも補色配色を用いて
パトリツィアを差別化させる手法は随所に。
例えば、スキー場での
パトリツィア夫妻の白色と黒色の対比。
まるで光と闇のように
夫妻の決定的な価値観の相違を
これでもかと表すだけでなく
それまでの彩り豊かな世界とは一変し
物語の変調をも観る側にも予感させます。
美しいのに見ていて落ち着かない…
そんな色づかいは
パオラの登場シーンでも見事。
パトリツィアの真っ赤に対し、
ライバルのパオラは対照的な真っ白。
色の対比で二人の個性の違いを強烈に伝え
ライバル関係であることも明確にしています。
本作品において繰り返される配色の効果。
それも、補色配色。
補色配色とは色相環という
色の並びで対極に位置する色同士のこと。
組み合わせると
互いの色を最も目立たせる効果があります。
その効果はグリーンサラダに添えられた
プチトマトのように
小面積でも強力に発揮します。
つまり、配色において
最もインパクトの強い組合せとも言えるのです。
そして、強いからこそ
よりあぶり出る効果=印象があります。
時として好印象を超越した悪印象さえも。
光と闇。冷静と情熱。上品さと下品さ。
愛情と計算。信頼と裏切り。血縁と他人。
物語で繰り返される対比。
それらを色でも雄弁に物語る、
それが本作なのです。
色の印象力づかいがここまでよくも。
そう感じ入る『ハウス・オブ・グッチ』。
劇場ではポスターや
登場人物の洋服の色にもご注目くださいね。
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今回は映画になぞらえて
色は人の個性だけでなく
人間関係をも伝える力がある
ということをお伝えしました。
色にはそれぞれ与える印象があり、
私たちが思う以上に伝える力があります。
それは、たとえ私たちが意図しなくても。
私たちは洋服、髪、今ならマスク…andmore
必ず色をまとって生きています。
だからこそ、
色の持つ意味と力を知る意義があるのです。
色を知ると見える世界が変わります。
色を知って使うと自分の世界も変わります。
知って使えて伝える人にもなれる講座あります。
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