cats&docksapplause【UFO・友好編】 | 猫さまと犬どのの読書日和

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【UFO・友好編】

黒猫犬猫犬「どうも、cats&docksapplauseです!」

黒猫猫「突然なんですけどね、先日UFOを見たんですよ」

犬犬「よく空眺めながらボーッと歩いていますもんね」

黒猫猫「いや、余計なことは言わないでくれる? まあね、それが不思議な光だったわけですよ。飛行機とも違う、流れ星とも違う」

犬犬「ウルトラマンかもしれませんね」

黒猫猫「そうですね、どうでもウルトラ警備隊って地球に来すぎじゃないですかって、違う違う! ウルトラマンとか、そういうんじゃなくて、ホントあれは間違いなくUFOだったんです! でね、私考えたわけですよ」

犬犬「何をですか? もしかしてUFOを撃退する方法とか?」

黒猫猫「バカ言っちゃいけませんよ! UFOを一個人が何とかできるわけないじゃないですか! それよりもね、あのUFOってのは乗り物なわけじゃないすか?」

犬犬「たぶんそうですね」

黒猫猫「ということは、誰かが乗って操縦している」

犬犬「乗り物であれば当然そうですね」

黒猫猫「乗っている人がいるとすれば、当然降りてきて話をしたりすることもあるかもしれませんよね?」

犬犬「まあそうですね、話をしたりするかもしれませんね」

黒猫猫「緊張するなぁ、緊張する! もしいきなりですよ、UFOが目の前にキキーッと止まって窓がスーと開いて中から「ちょっといいですか?」なんて声をかけられたらどうしよう!?」

犬犬「いやいや、そんな車に乗った兄ちゃんがナンパするみたいに声をかけてこないでしょ! っていうか、UFO乗った人、日本語話してますけど?」

黒猫猫「えっ? もしかして日本語じゃない? 英語で来る? やだ、余計に緊張する!」

犬犬「違う違う! 日本語とか英語とかじゃなくて、もっと聞いたことのない言語で話しかけてくると思うよ!」

黒猫猫「やっぱり話しかけてくるんだ!」

犬犬「なんで話しかけてくるのが前提なの?」

黒猫猫「だって理由もなくあんな風に飛ばないでしょ? フラフラフラフラ、あれってきっと道に迷っているんですよ」

犬犬「UFOが? 道に?」

黒猫猫「だってはじめてのお使いで道に迷っている子供と同じような動きじゃない? フラフラしてさ、あれはもう完全に迷子になっているに違いないわ。でね、もし自分が道に迷ったらどうします?」

犬犬「道に迷ったら? まず冷静になる」

黒猫猫「OK、いい選択肢ね」

犬犬「え? なんで教官みたいな口ぶりなの?」

黒猫猫「それから?」

犬犬「周囲を確認」

黒猫猫「ベストな判断ね」

犬犬「そうかなぁ?」

黒猫猫「そして? それでもわからなかったら!?」

犬犬「それでもわからなかったら……?」

黒猫猫「あなたはとっても急いでいる! すぐに目的地に向かわねばならない! だけど、地図もナビも土地勘もない! さあ、どうするの!?」

犬犬「ひ、人に道を尋ねる……?」

黒猫猫「YES! つまりUFOは私たちに道を聞きたいはずだわ! だって、あんなに道に迷っているんだもの!」

犬犬「空を飛んでいるのに?」

黒猫猫「私には見える、半泣きになりながら、焦りを苛つきを感じているUFOの姿がね! でも初めての土地で誰に聞いたらいいかわからない、そもそも道を聞くのも恥ずかしいと思っているシャイなUFOが助けを求めている! この時の対応ってとっても大事だと思うの」

犬犬「道を聞くのが恥ずかしいと思う人があんなに光りながら飛びますかね?」

黒猫猫「もしこれで失礼な対応でもしてみなさい、UFOは怒りと悲しみのダークサイドに落ちて地球にアルマゲドン確定」

犬犬「いやアルマゲドンは、小惑星が衝突だから」

黒猫猫「じゃあ、インデペデンス・デイよ」

犬犬「道を聞かれただけで攻め込まれちゃう? UFO短気過ぎない?」

黒猫猫「地球は不親切! ひどい扱いを受けた! って、ユーチューブ、ツイッター、フェイスブック、インスタでアンチコメントの荒らし! 地球炎上案件確定事項よ!」

犬犬「UFO、フェイスブックとかインスタのアカウント持っているんですか? それもう未確認飛行物体じゃなくない? っていうか、それがUFOのやり方?」

黒猫猫「対応を間違えれば地球のピンチ! だから緊張もするってものよ」

犬犬「滅亡とかではなさそうですけどね」

黒猫猫「アンチコメントにいいねが山程つくのよ! そんなの耐えられる!?」

犬犬「それつけているのも地球人ですよね?」

黒猫猫「というわけで、練習が必要だと思うわけですよ」

犬犬「何の?」

黒猫猫「UFOに道を聞かれた時に友好的にやり過ごす方法! というわけだから、ちょっとやってみましょう!」

犬犬「え、練習するんですか? でも、私UFOなんかわかりませんよ?」

黒猫猫「じゃあ、私が先にUFOをやるから、あなたは道を尋ねられる役をやって」

犬犬「まあ、いいですけど。……あれ? 何か飛んでいる? あれってもしかしてUFO?」

黒猫猫「あ、すみませーん、新大阪駅ってどっちですか?」

犬犬「え、こんな感じでくる? しかもUFOに乗って駅探しているの!? 誰かを迎えにいくの? それとも自分が電車に乗るの? それならUFOはどうするの!?」

黒猫猫「新幹線に乗るのとか初めてなんで、緊張しちゃって」

犬犬「新幹線だった!? しかも絶対UFOの方が目的地に早くつくと思う! って、ちょっと待って! いくらなんでも駅に向かうUFOは無理があるでしょ!」

黒猫猫「えっ? そう? 駅を聞かれるのって一般的迷子エピソードだと思うんだけど?」

犬犬「一般的迷子エピソードって何だよ。っていうか、UFOが迷子になっているのがすでに一般的じゃねぇよ」

黒猫猫「じゃあ、あなたがUFOしてくれる? あんまりトリッキーなのは辞めてね、対応に困るから」

犬犬「トリッキーの意味わかってんのかね? すでにこっちが対応に困っているんだけど……あー、すみません、この辺にお住まいの鳥島さんという家を探しているんですが、ご存知ないですか?」

黒猫猫「個人宅!? 個人宅は難しいわ、普通聞く? 個人宅の位置とか? 渋谷のスクランブル交差点ど真ん中で?」

犬犬「いや、どこで声をかける設定よ! 渋谷のスクランブル交差点のど真ん中では道尋ねないよ? 立ち止まっていたら迷惑だし、そこで立ち止まって振り返っている人はカラオケ映像の中でしか見たことないから」

黒猫猫「いえ、漫画でもあると思いますよ」

犬犬「うん、ドラマでもある、って、そこは掘り下げなくていいから! じゃあどこで道を尋ねればいいの?」

黒猫猫「もっと人気のないところで、静かな道とかがいいかな」

犬犬「それはそっちの問題なんだけどね

黒猫猫「あと個人宅指定はやめて、困惑必死だから」

犬犬「はいはい、じゃあ、もう一度行くよ。……ああ、道に迷ったな。都会から離れて、交通量が減って、道もだんだん寂しくなって来ちゃった、もう誰かに道を聞くしかないかな……お、あの人に聞いてみよう、すみません大宮北公民館ってどっちですか?」

黒猫猫「はい、大宮北公民館ですか? 大宮北公民館はこの道をまっすぐ行って、2つ目の信号を左に曲がってください、そのまま道なりに進みます。しばらく行くとヤマザキYショップがありますので、そこを右に行くんですけど、私、そこまで一緒に行きますよ」

犬犬「え、本当ですか? 助かります! って、何を見ているんですか?」

黒猫猫「ああ、これ? Googleマップですけど?」

犬犬「うん、っていうか、それ持ち出したら道とか聞かなくて良くなっちゃうんだよね! もういいよ」